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バーボングラス片手のロックな毎日

違いがわかる人

2015-09-08 00:09:05 | Talk is Cheap

今日のYahoo!ニュースに面白い記事が載っていた。
“なぜ「五輪とリエージュのロゴは似てない」と考えるデザイナーが多いのか?”
デザイナーの深津貴之さんが書いたコラム。
何故あのデザインが別物だと言えるのかをかなりわかりやすく説明してるから、是非一度読んでほしい。

佐野さんデザインの2020年五輪のロゴ類似問題。
当初から僕はこのブログやtwitterで「あれはパクリじゃない。あれのどこが一緒なんだ?」(くれぐれも言っておくが後のサントリーや企画展ポスターは別だよ)って書いたり、お客様にもそう言ってたんだが、お客様は「あれパクリじゃないの?」とか「あれだけ似てるのに?」って。
多くのデザイナー達が「まったく違う」と反論しても、一般人にはデザイナー業界が身内を守る為の発言ってされてしまった。

デザインの世界は、造形、色、配置、配色なんかで構成されてる。(色々デザインの定義があるけど、ここではその話は簡単に)
○と△と□は誰でも違いがわかるだろうけど、○と数字の0やアルファベットのOは?何故これが別物だと理解できるんだろう?□と漢字の口とカタカナのロは?▲に棒1本足せば↑、これを▲とIは既にあるデザインで、組み合わせただけだからパクリだ!なんて言う人はいない。
深津氏はこれらを「認識する人の経験値による判断」と定義して解説してる。

そうなのよね。似てて異なるもの。
よく海外旅行で日本人が「韓国人や中国人に間違えられた」って言うのを聞くたびに「俺は一回も間違えられた事無いけど?」って不思議だった。日本人と韓国人と中国人。「ゼンブオナジニミエマース」って外人に言われても、日本人は「全然違うやろ!何故間違える?」って思う。
でもさ、タイ人とマレーシア人とフィリピン人の違いってわかる?中東の人や白人、ましてや黒人を見て「あれは何々人だって」言える人はその国に行った事や滞在した事ある人で、経験による認識がある人だけだろう。それ以外はやっぱり全部同じに見えて当たり前。

最近の音楽を聴いて「どれも同じような曲ばっかり」とか言う人がいる。これだけメロディも歌詞もアレンジも違うのに?
AKB48の曲は全部一緒ってけなすが、好きなB'zの曲は全曲違うって言う人もいた。ファンじゃなければパフュームとキャリーは同じ曲に聞こえるし、マライアキャリーとホイットニーヒューストンを一緒だと言う人もいる。

お好み焼きともんじゃ焼き。日本人なら「そら別もんやろ」ってわかるけど、外国人には?
うどんだって、讃岐、大阪、伊勢、稲庭、で全く違うが、外国人には“うどん”のひとくくりだろう。蕎麦だって東京と出雲と新潟では違うし、ラーメンも焼きそばも知らない人には一緒に見えるんじゃないか?卵焼き、出汁巻き、スクランブルエッグ、炒り卵、プレーンオムレツ。これだって食べた事の無い人だったら全部「卵を焼いた料理」でひとくくりだろ?

話がだいぶそれてしまったが、デザイン、音楽、料理・・・材料が同じでも構成が違えば異なる。
似てて異なるもの。
一昔前に「違いのわかる男」ってCMのキャッチコピーがあったが、日本人って繊細な感覚で微妙な違いを楽しんでた。その違いがわからない人が最近増えた気がする。昆布、鰹節、炒り子、それぞれに出汁の味が違うのに、化学調味料でならされてしまった舌には違いがわからない。
真・行・草。
本来は日常生活の中で習得できるのに、画一的な教育と町中に溢れる大量生産品のせいで、わからなくなってる。

尾木ママ。あなたは業界の悪しき慣習って勘違いしてるが、何故あなたのコメントにデザイン業界が噛み付いたか、もう一度考えてみてはいかが?



画像は深津貴之さんのコラムのスリーンショットから引用しました。

 

 

以前、尾木ママについて書いた記事はこちらから↓

尾木ママが嫌いだ。外野はすっこんでろ。



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