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バーボングラス片手のロックな毎日

DIVER 福士蒼汰と菅田将暉の差

2020-10-08 21:45:10 | MUSIC/TV/MOVIE

くそおもしろくないドラマだ。

DIVERー特殊潜入捜査班ー。

兵庫県を舞台にした福士蒼汰主演のドラマだが、これがまた全然面白くないんだ。

「ひょっとしたら」なんて期待してたんだが、やっぱりダメだった。

 

原作は漫画だということだが、原作がダメなのか、脚本がダメなのか、それとも監督や演出のせいなのかはわからん。とにかく面白くない。

ストーリーがまず全然おもんない(面白くない)。

暗い。設定も話の展開もどこか二番煎じ、いや使い古されたものばかり。目新しさも驚きもなければ、かといって安心感もない。どう楽しんだらいいのかわからんドラマだ。

 

福士蒼汰が演じるのは、過去にいろんな悪事に手を染めていたが、今は兵庫県県警が秘密裏に設置した潜入捜査班(通称D班)のメンバー。

まぁ、普通に考えたら、この過去を持つダークヒーローが通常では検挙できない悪の組織に潜入捜査で入り込み、溶け込み、そして罪を公にする痛快ドラマって感じになるんだろう。

しかし、この福士蒼汰が全然ダメ。

セリフが棒読み、演技が下手、表現ができない・・・、過去に散々色々言われてきてたが、今回の役はいろんな人を演じ組織に入り込むクールな潜入捜査官。だからまだ何とかなるかなって思ってたがやっぱりの棒演技。

クールで目的のためには平気で嘘をつき、人を信じさせ、取り込み、そして裏切る。何が悪で、どこからが善なのか。

福士蒼汰が演じる潜入捜査官は本来こんな奴なんだろうけど、彼にはちょっと荷が重かったのか。

 

それとも、こんな難しい役を見事に演じた俳優を、つい最近目の当たりにしてしまってたせいかな。「MIU404」ってドラマで菅田将暉が演じた「クズミ」だ。

菅田将暉が演じたのは、人の弱い部分につけ込み、共感や同調し安心さえ、相手を信じさせ薬をばら撒き金を集める謎の男・クズミ。

金を与えて甘い言葉で懐柔し、困った時にすがってきたら「それ、俺に何の得があるん?」と平気で裏切り切り捨てる非常さ。「お前らみたいなクズをミステル(見捨てる)からクズミって言うねん」と平気で言うような奴だ。

名前を複数持ち、言ってることもどれが正しいかわからん、誰も正体を知らんしどこに住んでるのかどんな過去があるのかもわからない。人を操り、組織を操り、警察さえをも翻弄する、警察に追われても冷静沈着、手なずけた部下を平気で利用し裏切りクールに逃げとおす。

残念ながら、今回の福士蒼汰ではそんなダークヒーローが演じきれない。

同じ元仮面ライダー出身でも差は歴然だ。

 

しかも、物語の設定は兵庫県なのだが、登場人物のほとんどが標準語で話す。ドラマ(セリフ)を視聴者分かりやすくするため仕方がないのだろうが、これでは兵庫県を舞台にした意味がない。

まぁそれを言うなら『科捜研の女』は京都が舞台だが、ゲスト(犯人や参考人)以外沢口靖子も内藤剛志も主要人物誰一人京都弁喋らないけどさ。

『DIVER』で関西弁を話すのは兵庫県警の組織犯罪対策課の課長を演じる正名僕蔵さんだけ。同じ組織犯罪対策課の安藤政信もその兵庫県警本部長で特殊捜査班を極秘に結集させたりょうも使わない。

正名僕蔵さんはさすがにベテランだけあって、それなりの関西弁を使うのだがいかんせん関西以外の人には関西弁は難しいのだ。イントネーションも微妙に違うし。

っていうか関西弁だけでも、大阪弁、京都弁、そして兵庫弁では違う。大阪弁が和泉の泉州弁と一番荒い河内弁とまだマシな摂津弁に分かれるように、兵庫県も神戸(摂津)弁をはじめいろいろある。なんてったって元は播磨・丹波・但馬・淡路・摂津の五国だからね。ちなみにKinki-Kidsや明石家さんまの関西弁は奈良弁だ。

 

関西弁でも京都と大阪と兵庫では微妙に違う。

「誰々さんが来ない」という言葉でも大阪なら「けぇへん」、京都なら「きぃひん」、神戸なら「こぉへん」という風に違う。これを関西弁カ行三段活用と言う(嘘)。

「何々をしない」という言葉でも大阪なら「せぇへん」、京都なら「しぃひん」、神戸なら「やらへん」という風に違う。これを関西弁・・・嘘は止やめとこう・・・。

大阪京都神戸の使い分けは本当だが、さらに年代によっては「うちら使わない」とか「それは違うとこのやん」とか言われるだろう。

「帰りにマクドナルドへ行こうよ」も、本来の関西弁なら「帰りマクド寄らへん?」が正しいが、若い世代は「帰りにマック行かへん?」と使う人もいる。

LINEやSNSの普及によってか、関西弁はどんどん衰退している。関西弁(通常の話言葉)だと他の地方の人に通じないとか以前に、変換ちゃんとされへんかったり違ったりするし、そもそもうつのが面倒だったりするからな。

関西弁は話し言葉だと極力「へ」「と」「に」など接続詞を抜く。SNSなどでは文字数は減っていいのだが、読解力がない奴は勘違いしたりするし、わからんようになるから危険だ。

上記のマクドの件でも「行かへん」なら行くかい?と疑問文だが「行かへん」なら行かないよと否定語だ。だから語尾に上矢印「↑」入れたり絵文字を入れないといけない。友達同士ならいいが、会社とかの連絡では危険だ。

初期のダウンタウンに「ちゃうちゃうそれちゃうちゃうとちゃうねん」ていう、関西人以外は全くわからんであろう漫才ネタがあるが、句読点や変換を間違えるとナンノコッチャわからん様になってしまうのが関西弁だ。

だからドラマで使われる関西弁は、日本全国の人が分かりやすいようにアレンジされ、関西人からは「なんか変」とツッコまれる。『半沢直樹』の南野陽子とか『MIU404』の菅田将暉とかも、大阪出身なのにわざと変な関西弁を喋らされてたよね。

 

話がだいぶそれてしまったが、そんな関西弁だらけの神戸で潜入捜査して、標準語をかみ砕くように話す福士蒼汰。すぐバレるわ、怪しまれるわ。

多分メロンパンを間違えバレるだろうな。『MIU404』でも出てきたあのメロンパンは神戸ではサンライズと呼ばれるのだ。

神戸のメロンパンはラグビーボール(アーモンド?)を縦に半分に切った形だ。神戸に行ったらパン屋で買ってみてくれ。

 

カレーのライス(ご飯)もこんな形で型押しされて出てくる店がある。

 

第1話は福士蒼汰が杉本哲太率いる特殊詐欺集団に潜入し、さらに老人から巻き上げたお金をロンダリングする上の組織にも潜入する話だった。

杉本哲太の悪徳金融社長の悪ぶりは「さすが」って感じだったけど、やっぱり標準語。日本最大の組織暴力団のお膝元である兵庫県が舞台で、出てくる悪党みんな標準語。うーん。

 

組織や登場人物の紹介や相関など、説明的なセリフや描写が少ないのはいい。そんなものは想像力を書き立てればいいだけだ。

 

浜野謙太がハッカー役。

彼も一般からの潜入捜査班登用ということだから過去に悪事(多分ハッキング関係)をしてて捕まって、取引されてD班に参加した(させられた)って設定なんだろう。

しかし、彼がいるアジトの設備がちゃちいのよ。

そりゃ今時ノートパソコンひとつあればどこからでもネットに繋げるし、ハッキングもできる。でもさ、テレビ(ドラマ)なんだからもう少し大袈裟に(演出)してよ。でかいサーバーとか複数のPCや大画面モニター置くとかね。

『相棒』の青木(浅利陽介)や『科捜研の女』の亜美ちゃん(山本ひかる)の方がよっぽどできるPC使いだし、『ST 赤と白の捜査ファイル』の青山(志田未来)のように画面からヒシヒシと伝わってくる映像の解読や分析の緊張感もないし、『絶対零度』の南(柄本時生)や加賀美(柄本明)の方がよっぽど元ハッカーっぽい。

演出の人が全くPCやネットの世界を理解していないのだろうか、遠隔操作とかの描写もチャチイ。浜野謙太は悪くないのでちょっと残念だ。

 

片瀬那奈は闇医者ということらしいが、今のところ(第3話)まだ過去とかよくわからん。セクシー要員か?とも思ったが、もう結構な年齢だからそれも無いよね。

 

安藤政信。このドラマをダメにしてる原因の一人。

彼はD班で唯一の警察組織の人間だが、なんかうるさいだけ。やたらと福士蒼汰に突っ掛かり、怒鳴り、殴る。ワイルドさをアピールしてるのかどうかわからんが、空回り感が痛々しい。

原作がそうなのかもしれないが、好きになれないキャラ。さらにそれを安藤政信が『コードブルー』や『テセウスの船』と全く同じ演技でやってるのでちょっとツライ。

 

野村周平。このドラマをダメにしてる原因の一人。

安藤政信がどこからか連れてきたってことで2話目にいきなり登場。元自衛官でなんか目的があってD班に参加したそうだけど、これがまたやたらと福士蒼汰に突っ掛かり、張り合う。

自衛隊上がりのワイルドさとタフさをアピールしてるのかどうかわからんが、自衛隊上がりはすでに斎藤工が『B.G.』ってドラマで演じてる。それに比べて・・・痛々しい。

 

りょう。このドラマをダメにしてる原因の一人。

兵庫県警本部長で特殊捜査班を極秘に結集させた人ということで、一体何を考えてるのかわからないミステリアスな雰囲気を出してるところはOK。はまさに‘りょう’って感じでいい。

だが、この人の欠点は声が聞き取りにくいことだ。滑舌が悪いのか口を開かないのか声量がないのかわからないが、毎回どんな役でも聞きとりづらい。

今回は特にクールで感情を出さない役だからボソボソしゃべるので、全く聞き取れない。『コードブルー ドクターヘリ緊急救命』のドクター役は良かったんだどなぁ。産婦人科のドクターは大声出さないもんね。

『NIU404』のコスプレ好きの男装の弁護士ってぶっ飛んだ役も見事だったが、あれは果たして演技と言えるのかどうか・・・。

 

 

うーん、いろいろ突っ込みどころ満載でダラダラ書いてしまったが、『DIVER』、もう次週からは見ないかなぁ。

兵庫県らしい場所も、南京町(中華街)が使われてるくらいで、他あんまり出てこないし。

西宮の白鹿の看板も、ツートンの阪神電車も、JRの新快速もでてこない。芦屋の高級住宅地で事件もないし、メリケンパークや摩耶でヤクの取引もない。

 

あっ!あと、福士蒼汰の過去の記憶の場面がフラッシュバックでたまに挿入されるのだが、ガキの頃を演じてる子役が「何がどうして誰が選んだ?」ってくらい違和感ある子供。まぁつまんないことだけど。

 

(もう外されたのかな・・・)



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