GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

秋分の日 海王星の日

2019-09-23 22:56:38 | Talk is Cheap

1年365日、なんらかの日である。

やたら「なんとかの日」ってのが多すぎて覚える気さえないのだが、さすがに秋分の日くらいは知ってる。休日だしね。とは言ってもこの秋分の日は、日にちが決まっていない。春分の日と同じく毎年変わる。二十四節気の秋分の期間で、昼と夜の長さが一緒の日。だから毎年微妙に変わる。

 

9月23日は、海王星の日。秋分の日とは全く関係なく、ドイツの天文学者が1846年のこの日に海王星を発見した日にちなんだものらしい。ちゃんと由来があってよかった。どこぞの団体が申請していた安室奈美恵記念日みたいに、なんのこっちゃっていう申請内容での記念日とは違うね。まぁこの安室奈美恵記念日はバカスカ記念日の申請を通す記念日協会とやらももさすがに却下したらしいが。

 

海王星は地球から最も離れた太陽系の惑星。俺がガキの頃は冥王星が一番遠かった。「水金地火木土天海冥(一時期は土天冥海)」とリズムで覚えていたのだが、今は冥王星は「惑星じゃない」って外されちゃった。2003年に「エリス」って天体が見つかって、それが冥王星より太陽に近いらしい。さらにそれに伴ってかどうか知らないが、準惑星っていうカテゴリーができて、2006年に国際天文学連合(IAU)ってところが「冥王星は準惑星だ」ってことにしてしまった。一般人にとっては惑星か準惑星かってよくわからん。アパートとハイツ、マンションとコーポ、ヴィラとメゾンとかと同じくどうでもいいことなんだけどなぁ。

 

まぁ、おかげで今の小学生は「水金地火木土天海」って中途半端なリズムで覚えてるんだろうな。堤幸彦監督の「SPEC」シリーズで山口紗弥加率いる宗教団体が「水金地火木土天海海」と指んで印を結び唱える。「すいきんちかもくどってんかいかい〜」のラストの「かい〜」が、ワンオクターブ上げたキーなのが耳に残ってしまう。リズムとメロディで覚えたものって危険だ。未だに「富士山麓に鸚鵡鳴く」(ルート)とか「水兵リーベ僕の船」(元素記号)などは覚えてるもん。

したがって、「冥王星は惑星ではない」と今更言われても俺にとっては冥王星込みの太陽系惑星だ。これは「いい国作ろう鎌倉幕府」と覚えた人間が圧倒的に多いのに、今頃源頼朝が鎌倉幕府を開いたのは1192年ではないとか言われても浸透しないのと一緒。先日世界遺産に認定された「仁徳天皇陵」が、専門家がいくら「仁徳陵ではなく大山古墳だ」とか、「聖徳太子」は死後の呼び方で「厩戸皇子が正しい」と言っても無駄なのだ。そんな専門的なことは一般人はどうでもいいのだよ。「真田幸村」が本当は「真田信繁」だとしても、信繁ではイメージできにくいのだよ。

 

「揚子江」は「長江」、「ベニス」は「ヴェネチア」、「ビルマ」は「ミャンマー」、「中華民国」が「台湾」、「レニングラード」が「サンクトペテルブルグ」、「ウィーン」が「ヴィエナ」・・・俺が子供の頃の社会(地理)の教科書とだいぶ変わってる。お隣の国は「日本海」を「東海」に変えろと喚いてるが、これは浸透しないだろう。

フェルメールの名画「ターバンの少女」はいつの間にか「真珠の耳飾りの女」に変わってる。

ヴィクトル・ユーゴーの名作「ノートルダムの傴僂男」もいつの間にか「ノートルダムの鐘」とかになっている。

科学の進歩で証明されたとかならいざ知らず、専門的分野から「これが正しい」とか言われてともなぁ。「地理学的に」「歴史学的に」とか、挙句には「誤解を招きかねない表現だから」とかで名称とか変えないでほしい。すでに学校教育課程を終わっているものは、知らない間に置いてきぼりになってしまうのだからさ。円周率は3.14ではなく3になったままか?

 

海王星。地球から45億km離れた青の惑星。地球の4倍あるらしいとか、零下220℃だとか、肉眼でも天体望遠鏡でも見たことないけどさ、そのうち探索機がたどり着いたり、高精度の天文望遠鏡とかで証明されるんだろうな。宇宙のロマンって科学の進化によってどんどん味気ないものになってしまうな。今時「月ではウサギが餅つきしてる」なんて言っても笑われるだけだもんね。アポロ月面着陸を知ってる時代のものとしてはちょっと寂しい。

 

なんかつまんないの。なんて考えてしまう秋分の日。