ノロの日記

住んでる町の話 読んだ本の話 聴いた歌の話 などなど

今森光彦さん講演会@いかるがホール

2010-08-27 | 法隆寺・斑鳩町近辺
『おじいちゃんは水のにおいがした』という本を読み、その舞台となった針江にも行ったりして、この数年なにかとご縁のある方ですが、先日は斑鳩町まで講演に来てくださいました。

針江や琵琶湖の話を読んでいたために、ぼくは「川端の人」あるいは「琵琶湖の人」と思ってたのですが、むしろ「虫の人」なんだそうですね。今日は、虫の話がメインでした。会場には子どもがたくさん来ていました。


「世界のいろんなところを回ってきて、38カ国。自分では意外と少ないという印象なんですよね」

とおっしゃってましたが、ある島へ渡るのに、途中の村の村長にいちいち挨拶して、彼らといっしょに旅をして…などなど国の数では測れない濃い体験の数々です。インドネシアなんか、国としては「ひとつ」ですが、20カ国くらい巡ったのとおなじくらいじゃないかしらん。


どれもこれもとても面白い話だったのですが、特に印象的だったのがふたつありました。


ひとつは蝶を捕まえて川を渡ってきた少年。
今森さんが撮影したいと思う蝶が川向うにいたので、少年が取ってきてくれたそうですが、片手に蝶を持って川を泳いで渡ってきたって。で、蝶は生きてるって。どんな泳ぎ方なんだろう。


「日本人がいる」という話を聞いたが会いにいかなかった話。
まだ旧日本兵があちこちに残っているという時期のことらしいですが、そういうときに「日本人がいるから会いに行け」と言われたそうです。話を聞くと、その日本人(らしき人)、ひとりですがなかなか楽しそうにして暮らしている。今森さんは、せっかく穏やかに暮らしているのに自分が会いに行けば日本に帰ることになるかもしれなく、また日本はその人にとっていい場所とはかぎらないのではないか、と悩みに悩んで結局会いにいかなかったそうです。ぼくだったら好奇心でうっかり会いに行ってしまいそうですが、今森さんの自制心には感じ入りました。自分の軽い好奇心ごときで人の生活を左右してはいけない。


あ、虫の話も大変おもしろかったです。
書き出すときりがないですので。


上のような話は書く機会が今のところないそうですが、写真を撮りつつ巡ったところで出会った出来事には、きっと興味深いものがたくさんあるにちがいない。出版されるといいなあ。

最新の画像もっと見る