綾野剛が本誌でいよいよ連載開始!
野心的かつクリエイティブに活躍する人物との対談を通じて、綾野本人が
様々なものを吸収しようとする企画。 第1回目は映画監督の石井裕也さん。
(ACTORS magazine vol.5)
剛くんと石井監督との出会いは2009年。
「198Xの歌」という短編映画の主演に、石井監督が剛くんを起用した時だそうだ。
石井:(一人目の共犯者って)え、どういうこと?
綾野:とにかくくだらない話をしましょうという企画です!
綾野:石井監督っていったら、ぶっ飛んだ作品を作りまくってる監督だという印象でした。
石井:当時の綾野くん、今と全然印象が違いましたよね。
綾野:ただのロン毛野郎でしたね。
石井:おまけに、初めての打ち合わせの日に遅刻して来ましたよね?
綾野:(一緒に)ハンバーク食べても、たいした話も出来ずに解散してそのまま撮影当日を
迎えたから、俺、一体どんなことされるんだろうってビクビクしてたら・・。
石井:高円寺の汚いアパートに連れて行ったんだよね。
綾野:そこで押入に押し込まれて、青い布をかけられて「冷えピタ」貼られた(笑)。
石井:綾野くん、わりとイケイケでかっこいい感じの俳優だなと思ってました。
綾野:チャライ奴なんだ・・って?
石井:そう思ってたけど、実はそうじゃなかった。 撮影前に2回位会って、その印象で脚本を書いたんです。 綾野くんって、かわいらしいのに男気がある。クールなのに腕白。色っぽいのにエロくない。
綾野:へぇー、 嬉しい!
石井:それを全部あの短い尺で出してみたかったんです。年上なんだけど、弟みたいな感じ。だから
撮影の途中から、「綾野さん」から「綾野くん」に呼び方を変えたんです。一応確認を取って。
綾野:俺、この現場で、人がお金を払って観る作品で、ふざけたことをとにかく一生懸命やる美しさ
みたいなものを初めて知ったんです。石井さんに影響受けたんです。すっごいふざけてたじゃない
ですか、俺。でも、悪ふざけを本気でやるってことが、逆にカッコイイことなんだなって思えたことが
大きいです。あ、なんか俺知ったようなこと言っちゃったかな。
石井:綾野くんと出会って、同世代でこういう同じ意識を持ってる人と出会えて嬉しかった。
綾野:俺こそ、石井監督と意見が一緒で嬉しかったですよ。
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『198X年の歌』
12分/2009年 石井裕也監督 主演:綾野剛(男役)
(あらすじ)
アパートの一室。女が恋人の部屋を訪ねると、男は押し入れに入って懐中電灯で本を読んでいる。
おでこに冷えピタを貼り「本当の幸福とは」と語る男。すっかり変わってしまった男を驚愕の眼差しで
眺める女。男が語る「198X年の〜」の、「X」の箇所で必ずピー音が入る。時代への怒りを吐き出し、虚無感を歌う男。そして女も押し入れに入る。
余談:
今日ブルーリボン賞ノミネートが発表されましたが、「監督賞」に石井裕也さんの名前がありました。
「舟を編む」は話題をさらった作品なので、監督賞を取れる可能性も大きいですね。
剛くんとは飲み友達でもあるし、監督が賞を取ってくれたら剛くんも嬉しいだろうな。
他に剛くん関連では、「横道世之介」が作品賞にノミネートされてました。
主演男優賞に高良健吾くん、助演女優賞に吉高由里子ちゃんもノミネート。
剛くんの友人の松田龍平くんも主演男優賞にノミネートですね
おっ、阿部寛さん、今年も主演男優賞にノミネートされてる。すごいな~!
2年連続で主演男優(女優)賞を取った人は居るんだろうか?
剛くんが主演も助演もノミネートされなかったのは残念だけど、まだ先は長いから~