どうしても MS-Office 形式のファイルを取り扱わねばならぬとき、一番簡単なのは OpenOffice.org や LibreOffice を使って編集し、Microsoft の Word Viewer、Excel Viewer、PowerPoint Viewer で確認をすることだ。これら3つのビューアは、wine で集中的に動作できるように開発が進められており、大体、安定して動作する。
しかし、OOo や LibreOffice を使うと、どうしてもフォーマットが崩れてしまう場合がある。残念ながら、このような場合は MS-Office を使わざるを得ない。確実な方法は、別途 Windows パソコンや仮想PCを用意し、実際に Windows をインストールした上で MS-Office をインストールし、利用する方法である。
しかし、仮想PCは重いし、たかだか MS-Office を使うためだけに Windows 全体をフルでインストールする必要があるなど、とても不経済である。
というわけで、wine を使って MS-Office が動作するととても助かるわけである。MS-Office を wine で動作させるというのは古くからの課題でありながら、常に厳しい状況が続いている。ひょっとすると Microsoft も wine で emulate していないような API をわざつ使うなどして邪魔をしているのかもしれない。もちろん、常識的に考えれば、そんな邪魔するほど wine というか Linux のシェアが増えているわけでもないので、そんなに Microsoft も暇でもないだろう。とにかく、MS-Office を wine 上で使うというのは長く望まれながら決定的な解決策がないまま今日に至っている。
そんな難しい問題に、しばらく振りに挑戦してみることにした。使ったのは wine-1.2.1。ちょっと前のバージョンで、Microsoft Office は 2007 と 2003 の二つのバージョンを試みた。もちろん、両者とも高い金を払って購入した正規品である(普段使っていないのだからかなりの無駄である)。
まず、MS-Office 2007。リボンインターフェイスが導入されて話題になったやつである。
実はインストールは結構サクサク進む。しかし、インストール後に起動しようとすると fatal error が出て使えない。ネットでは「インストール可能」とか「MS-IMEをインストールしなければO.K.」とかいろいろと情報が出回っているのだが、私の実力では動作させられなかった。なお、winetricks を使い、いくつかのライブラリ等をインストールした上で挑戦している。
winetricks corefonts dotnet20 gdiplus msxml3 msxml4 msxml6 riched20 riched30
現在の安定版は wine-1.2.3 になっているので、これを使えばインストール可能になっている可能性はある。が、とりあえず、wine-1.2.1では挫折してしまった。
続いて、MS-Office 2003のインストール。これは何も問題ない。普通にインストール、普通にライセンス認証、普通に起動、普通に編集、普通に保存、普通に終了できた。特筆すべきことは何もない。
というわけで、有用な情報は何もないが、MS-Office 2003 なら、wine でとても簡単に使うことができたということが分かったのである。そのうち 2007 も簡単に使えるように wine が進化する日を待とう。
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