前回までで、disk の準備が終わった。mount も済んだ。続いて、インストールに関する設定をすればガンガンインストールできるはず。
というわけで、今回はインストール前の各種設定である。
まずは時計の確認。時刻がずれていると emerge --sync などでエラーの原因となったりする。
正しい JST で時刻を表示するように見せかけて、最後に UTC と付いている。要は9時間ずれだ。ここでは time zone は UTC のままとし、date で9時間ずらすことにする(9時間前にする)。
続いて stage3 をインストールする。が、arch linux の install CD には links (テキストブラウザ) が入っていなかった。面倒なので別の PC で stage3 の最新版をダウンロードしてきて、それを scp でコピーする。コピー先は /mnt/gentoo だ。
VAIO PRO 13 の IP アドレスを ifconfig で調べてから scp。ここでは VAIO PRO の IP アドレスが 192.168.0.2 であった。
これで stage3 の tar ball が入ったので展開する。
これで Gentoo の基礎システムが SSD 上にコピーされた。
続いて Gentoo のエンジンである emerge の設定に移る。
として make.conf を修正する。内容は以下のような感じ。
USE flag に下記を追記。
Gentoo の handbook では、ここで mirrorlist コマンドで repository を同期するサーバを設定することになる。しかし arch linux には mirrorlist コマンドがない。そこで、手動でサーバを make.conf に追記する。ここでは下記の内容を追記した。
さらに、grub 用の設定も追記する。なお、ここでは grub2 をインストールする方針である。
さて、stage3 も入ったので chroot し、arch linux の世界から gentoo linux の世界へと旅立つ。
まず、ネットワーク設定や /proc ファイルシステムなどを arch から gentoo にコピーする。
そして、chroot.
これでやっと Gentoo のシステムに入れた。まだ stage3 (binary 配布)だけど。
ここから emerge して、ローカルでコンパイルした gentoo に仕上げていく作業が始まる。
まず手始めに repository tree をアップデートする。
そして install するプロファイルを選ぶ。ここでは Gnome を選ぶ。最終的には XFCE を使うことになるのだが、XFCE を使う場合には Gnome デスクトップを選択しておけばよい。ただし、最近の Gnome の場合、init システムとして systemd を要求するのが面倒なところだが。
としてプロファイルのリストを見て、gnome/systemd のプロファイルを選択する。ここでは 5 番であった。
確認する。
さて、ここから emerge をするのだが、ここで時刻設定を再び。先程はインストールにだけ使う arch linux では適当に UTC にして手を抜いたが、今後は JST を使う。そこでGentooの時刻を JST に修正する。
/usr/share/zoneinfo を調べると Asia/Tokyo がある。
以上でOK。
これで普通のPCなら emerge を始めればいい。しかし、VAIO PRO 13 では注意点がある。VAIO PRO 13 のネットワークチップは Linux kernel 3.12 以降でないとサポートされないのだ。ところが、このインストールした時点で Gentoo の安定版カーネルは 3.10 である。要は安定版ではネットワークが使えないのだ。
そこでカーネルについては開発版を使うように、/etc/portage/package.accept_keywords に下記を追記する。
これで 3.13 までは開発版を使うようになる。なお、インストール時点での最新版は 3.12.6 だった。現状では 3.13.* になっている。
そしてせっせと kernel を設定する。
ポイントを挙げるとすれば、
といったところか。
続いて compile。
そして kernel の install。
これで Gentoo Linux のカーネルは無事にインストールできたはず。しかし、まだ systemd はインストールされていない。systemd は openrc より分かりにくい気がするが、時代の趨勢か利用せざるを得ない。インストールする。
しかし、dbus と競合する…。このあたりの辛さが gentoo の産みの辛さ。/etc/portage/package.use に
を追記してから、
を実行。これで systemd が入った。続いて /etc/portage/package.use から 上記のエントリを消去して、
を実行。これで無事 dbus も systemd と共存してインストールできた。systemd の場合、mtab は proc ファイルシステムからのシンボリックリンクを使うことになる。このあたりは gentoo の wiki に詳しい。
あとは boot 設定のみだ。
というわけで、今回はインストール前の各種設定である。
時刻設定
まずは時計の確認。時刻がずれていると emerge --sync などでエラーの原因となったりする。
$ date
正しい JST で時刻を表示するように見せかけて、最後に UTC と付いている。要は9時間ずれだ。ここでは time zone は UTC のままとし、date で9時間ずらすことにする(9時間前にする)。
stage3 のインストール
続いて stage3 をインストールする。が、arch linux の install CD には links (テキストブラウザ) が入っていなかった。面倒なので別の PC で stage3 の最新版をダウンロードしてきて、それを scp でコピーする。コピー先は /mnt/gentoo だ。
VAIO PRO 13 の IP アドレスを ifconfig で調べてから scp。ここでは VAIO PRO の IP アドレスが 192.168.0.2 であった。
scp stage3-amd64-20131226.tar.bz2 root@192.168.0.2:/mnt/gentoo
これで stage3 の tar ball が入ったので展開する。
cd /mnt/gentoo
tar xvjpf stage3-*.tar.bz2
これで Gentoo の基礎システムが SSD 上にコピーされた。
続いて Gentoo のエンジンである emerge の設定に移る。
make.confの作成
nano /mnt/gentoo/etc/portage/make.conf
として make.conf を修正する。内容は以下のような感じ。
CFLAGS="-O2 -pipe -march=native"
CXXFLAGS="${CFLAGS}"
MAKEOPTS="-j4"
CHOST="x86_64-pc-linux-gnu"
USE flag に下記を追記。
cjk iconv unicode m17n-lib skk
Gentoo の handbook では、ここで mirrorlist コマンドで repository を同期するサーバを設定することになる。しかし arch linux には mirrorlist コマンドがない。そこで、手動でサーバを make.conf に追記する。ここでは下記の内容を追記した。
GENTOO_MIRRORS="http://ftp.jaist.ac.jp/pub/Linux/Gentoo/"
SYNC="rsync://rsync3.jp.gentoo.org/gentoo-portage"
さらに、grub 用の設定も追記する。なお、ここでは grub2 をインストールする方針である。
GRUB_PLATFORMS="coreboot efi-64 efi-32"
chroot
さて、stage3 も入ったので chroot し、arch linux の世界から gentoo linux の世界へと旅立つ。
まず、ネットワーク設定や /proc ファイルシステムなどを arch から gentoo にコピーする。
cp -L /etc/resolv.conf /mnt/gentoo/etc/
mount -t proc proc /mnt/gentoo/proc
mount --rbind /sys /mnt/gentoo/sys
mount --rbind /dev /mnt/gentoo/dev
そして、chroot.
chroot /mnt/gentoo /bin/bash
source /etc/profile
export PS1="(chroot) $PS1"
これでやっと Gentoo のシステムに入れた。まだ stage3 (binary 配布)だけど。
ここから emerge して、ローカルでコンパイルした gentoo に仕上げていく作業が始まる。
emergeの準備
まず手始めに repository tree をアップデートする。
emerge-webrsync
そして install するプロファイルを選ぶ。ここでは Gnome を選ぶ。最終的には XFCE を使うことになるのだが、XFCE を使う場合には Gnome デスクトップを選択しておけばよい。ただし、最近の Gnome の場合、init システムとして systemd を要求するのが面倒なところだが。
eselect profile list
としてプロファイルのリストを見て、gnome/systemd のプロファイルを選択する。ここでは 5 番であった。
eselect profile set 5
確認する。
$ eselect profile list
Available profile symlink targets:
[1] default/linux/amd64/13.0
[2] default/linux/amd64/13.0/selinux
[3] default/linux/amd64/13.0/desktop
[4] default/linux/amd64/13.0/desktop/gnome
[5] default/linux/amd64/13.0/desktop/gnome/systemd *
[6] default/linux/amd64/13.0/desktop/kde
[7] default/linux/amd64/13.0/desktop/kde/systemd
[8] default/linux/amd64/13.0/developer
[9] default/linux/amd64/13.0/no-multilib
[10] default/linux/amd64/13.0/x32
[11] hardened/linux/amd64
[12] hardened/linux/amd64/selinux
[13] hardened/linux/amd64/no-multilib
[14] hardened/linux/amd64/no-multilib/selinux
[15] hardened/linux/amd64/x32
[16] hardened/linux/uclibc/amd64
さて、ここから emerge をするのだが、ここで時刻設定を再び。先程はインストールにだけ使う arch linux では適当に UTC にして手を抜いたが、今後は JST を使う。そこでGentooの時刻を JST に修正する。
/usr/share/zoneinfo を調べると Asia/Tokyo がある。
cp /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
echo "Asia/Tokyo" > /etc/timezone
以上でOK。
これで普通のPCなら emerge を始めればいい。しかし、VAIO PRO 13 では注意点がある。VAIO PRO 13 のネットワークチップは Linux kernel 3.12 以降でないとサポートされないのだ。ところが、このインストールした時点で Gentoo の安定版カーネルは 3.10 である。要は安定版ではネットワークが使えないのだ。
そこでカーネルについては開発版を使うように、/etc/portage/package.accept_keywords に下記を追記する。
<=sys-kernel/gentoo-sources-3.13.*
これで 3.13 までは開発版を使うようになる。なお、インストール時点での最新版は 3.12.6 だった。現状では 3.13.* になっている。
kernel の emerge
emerge gentoo-sources
cd /usr/src/linux
make menuconfig
そしてせっせと kernel を設定する。
ポイントを挙げるとすれば、
- 無線LANのドライバを入れること(iwlwifi と iwlmvm)。特に iwlmvm を忘れないように。
- bluetoothも設定する。ただし、ドライバは iwlwifi がやってくれるのでデバイスドライバは不要。
- USB3.0も on
- touchscreen も on に (evdev で使う)
- sony_laptop も必須。
といったところか。
続いて compile。
make -j 4
make install
make modules_install
そして kernel の install。
cd /boot
ln -s vmlinuz-3.12.6-gentoo-r1 vmlinuz
ln -s System.map-3.12.6-gentoo-r1 System.map
ln -s config-3.12.6-gentoo-r1 config
systemd
これで Gentoo Linux のカーネルは無事にインストールできたはず。しかし、まだ systemd はインストールされていない。systemd は openrc より分かりにくい気がするが、時代の趨勢か利用せざるを得ない。インストールする。
emerge -av systemd
しかし、dbus と競合する…。このあたりの辛さが gentoo の産みの辛さ。/etc/portage/package.use に
sys-apps/dbus -systemd
を追記してから、
emerge -av systemd
を実行。これで systemd が入った。続いて /etc/portage/package.use から 上記のエントリを消去して、
emerge -av dbus
を実行。これで無事 dbus も systemd と共存してインストールできた。systemd の場合、mtab は proc ファイルシステムからのシンボリックリンクを使うことになる。このあたりは gentoo の wiki に詳しい。
ln -sf /proc/self/mounts /etc/mtab
あとは boot 設定のみだ。
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