卒業式

第４８回　卒業証書授与式

晴れた天気の中で行われた。
登校すると、いつもと同じような空気でどこか違う、
そんな空気が流れていた。
いつものようにまず、朝学活。
もう、先生が１日の予定を淡々としゃべることもないんだな。
そしていよいよ入場だ。
意外とあっさり始まったこの卒業式になかなか慣れなかった。

『卒業証書授与』
先生が最後に１人１人の名前を呼ぶ。
そういえば、ある先生が最後の練習時、こう言っていた。
「卒業式には担任の先生は１人１人の名前しか呼ぶことができない。
　最後に大きな返事をして先生に恩返しをしてあげてください。」
この言葉が心に残っていた。
僕は大きな声で返事をした。今まで練習してきた中で一番すっきりとした声だった。
「おつかれさま」
校長先生からはこう言われた。
ジーンときた。思えば２年間、生徒会に所属し様々な活動をしてきた。
そのことに先生は「おつかれさま」といってくれたのだろう。
うれしかった。

『式歌』
大地讃頌。音はずすのが怖かったけど、何とか歌った。
あれでいいのだ。
最後の校歌。のびのびと大きな声で精いっぱい歌った。
３年間歌ってきた曲だ。自信はある。

校長先生や来賓の方々からの言葉、送辞や答辞。
中学校生活の様々なことを思い出させ、ありがたい言葉を頂いた。
そして、退場。

教室に戻ると、最後の学活。
先生が最後の言葉を送ってくれた。
「自分に負けない人間になれ。自分１人で悩みを抱えないで、
　いろんな人を頼れ。たまにはこの学校にも訪れてくれ。」
感動した。泣きそうになったが、泣き顔を見られるのもつらかったから、
激しく泣けなかったが、おそらく１人でいたら、かなり泣いていただろう。

そしてとうとうこの学校を離れる時がきた。
在校生はさまざまな記念品を卒業生へ贈る。
校門の前で最後にみんなで写真を取り合ったりボタンをもらったり。
そして校門を出た。

これでいよいよみんなとはお別れだ。
別々の道を歩み、進んでいく。
またどこかで会おう。
元気でね。今までありがとう。
中学生活は僕にとって、最高の思い出です。

さようなら。