ジョージのインドネシア体験記

パダン(Padang)という、インドネシア、西スマトラの地方都市での生活体験記。

No.34 生物浄化のすごい力①(10.01.01)

2010-01-01 22:33:23 | No.31~No.40
 あけましておめでとうございます。今年もぼちぼちペースで続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ここパダンでは、人口の大多数がイスラムで、毎年レバランを盛大にお祝いしますから、西暦の新年はカレンダー上祝日になってるだけで、大したお祝いもしないのだろうと思っていましたが、案外そうでもなくて、日付の変わる前後の数時間に花火が打ち上げられたり、子供がおもちゃのラッパを鳴らしたりと、お正月気分を楽しめました。

 私は自分ではあまり先入観などにとらわれないほうだと思っていたのですが、上記の正月のこと以外にも、2つ、今まで間違って思い込んでいたことがありました。思ってたほど賢くはなかったけど、少しだけ賢くなってから新年を迎えることができた訳です。どちらも水関係のことです。

 一つ目は、パダンでよく売られているガロンボトルの水について。これまで私は、逆浸透膜を使っているものとばかり思っていたのです。デキの姉のリカのところでも、ガロンボトルの水を売っていて、ずっとタダで配達までしてもらっていました。
 店に円筒状の装置があるのを見て、それを逆浸透膜だと思い込んでいたのです。飲み水を作っている、イコール、膜を使っているという思い込みです。膜を使っているにしては値段がちょっと安いな、とは思いましたが、ルーズROを使ってるのかもとか、メンテナンスをいい加減にしてるのかもなんて、費用はどこかで浮かせてるとして、膜を使っているということは疑いもしていませんでした。
 ところが、デキが「ガロンボトルの水の原水として、井戸水は使えない。いつも山の方から運んできている」と言うので、突っ込んで聞いてみると、山の湧水をタンク車で運んできてもらって、店ではフィルターでろ過して、オゾン殺菌しているのだそう。
 私が逆浸透膜だと思い込んでいたものは、実は、熱帯魚の水槽のフィルターの上等なものという感じで、膜ではなかったのです。デキは逆浸透膜を知らないというのです。ガロンボトルの店はパダン中にありますが、全て同じように、きれいな湧水を原水にしてフィルターを通しているだけだそう。
 フィルターや原水がどの程度のものかは、まだ見せてもらっていませんが、値段については、そう言われてみれば、それ相応という気がします。日本でも膜処理の水が売られていますけど、1リットル当たり100円近くしますね。こっちでは1リットル当たり2円そこそこなのです。ですが、水道水が飲めないパダンでは、これでも飲み水の値段としては高過ぎるという気はしますけどね。

 ガロンボトルの水はオゾンで殺菌しているそうですから、水道の水質基準の一般細菌が100個以下と、大腸菌が検出されないこと、というのはクリアしているでしょう。この基準は日本だけではなく、WHOの基準でも同じみたいです。
 私のような、水処理の門外漢でド素人にはわかりにくいことだったのですが、日本ではこの水質基準は、2004年に改定されたものだというのです。それ以前のものは、「大腸菌」ではなくて、「大腸菌群」が検出されないこと、となっていたようです。
 何が違うのかというと、言葉からもわかりますが、「大腸菌群」の方が「大腸菌」よりも大きなグループで、「大腸菌」は全て「大腸菌群」の中に含まれるのです。つまり、「大腸菌」は「大腸菌群」であるための、十分条件。
 大腸菌群は、もともと自然界の土壌の中などにも多数生息していて、糞便性でないものも多いので、安全性の基準として適当ではなかったということのようです。そのために、井戸水などで検出されることがあって、飲用不適とされていたものでも、2004年以降に再検査すれば、飲用に合格するのも多いだろうということです。
 私がこのことを知ったのは、ごく最近。こんな部分が変更されてたなんて、思ってもいませんでした。
 注意深く見ていれば、2004年以降に刊行された本などには「大腸菌」に変わっていたのだろうけれど、1文字の違いを見分けれるほど、私は注意深くありません。大腸菌群と大腸菌の違いだって知らなかったのです。
 
 私がパックテストを購入したのは2007年だったかな。その時に、大腸菌群の簡易検出紙も購入したのですが、これで検出されても、基準に不適とは言えないわけですね。使用期限は1年間みたいだから、とっくに切れてしまっているという問題もあります。

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