ジョージのインドネシア体験記

パダン(Padang)という、インドネシア、西スマトラの地方都市での生活体験記。

No.35 生物浄化のすごい力②(10.01.01)

2010-01-08 12:32:33 | No.31~No.40
 震災で壊れた我が家の生物ろ過の浄水装置は、新しく作り直してすでに稼働しています。
 地震で屋根が割れたのを機に、トタンの部分も1枚透明のプラスチックのに交換して、装置を置いている場所を明るくしました。こういう、屋根の修理なんかも、デキとチャンドラがやってくれたのです。
 写真を撮る人なんかはよくご存じでしょうけれど、屋内など、人間の目で見て明るく感じていても、実際の光量は少ないことがあります。おそらくそのせいでしょう、震災前は藻がほとんど繁殖しなかったのです。
 新しく作ったものは、糸状の藻類がよく繁殖するようになりました。ボウフラ対策に熱帯魚屋で小さな魚を買ってきたついでに、水草も買って入れていたのですが、藻類が繁殖しだしてからは、水草が押され気味のよう。
 茶色がかってくすんだ緑色のは珪藻類で、緑の濃いのは緑藻でしょうか。旺盛に繁殖しているということは、それだけ光合成して、酸素も出してくれているということでしょう。
 今回は粗ろ過を3段にしたのですが、初めは3段目まで鉄バクテリアの塊らしいのが増えていきましたが、藻類が繁殖し出してからは、2段目、3段目には少なくなってきているようです。

 パックテストの結果は、ガロンボトルの水と大差ありません。大腸菌群は通常の培養期間である1日では出てきませんでしたが、その後検出紙をほったらかしていたら、5日から1週間して3点反応が出ました。
 細菌数の測定方法は、大きく分けて顕微鏡法と平板法の2つがあるそうですね。粗っぽく言えば、顕微鏡法はその名の通り、顕微鏡で検体を調べて、細菌数を一つずつ数える方法で、平板法は細菌を培養して、出現したコロニー数を数えるという方法です。
 水質基準の、一般細菌100個以下、大腸菌0というのは、どういう方法で測定するんでしょうね。一般に、平板法では顕微鏡法での測定より、はるかに少ない数しか出てこないそうです。簡易検出紙は平板法の応用ですね。

 私が利用できるツールで、大腸菌だけを検出することはできません。日本だったら、保健所ですぐに検査してもらえますが、パダンではそうはいきません。以前に一度だけ水道会社で検査してもらったことがあるのですが、その結果は、検査項目が少なすぎるし、数値も信用できるものではありませんでした。タダでやってもらったので、あんまり文句も言えませんけれど。
 ということで、大腸菌群の中で大腸菌は限られるし、その中で、病原性のものはさらに少ないわけだから、思い切って人体実験することにしました。つまり、生で飲んでみたわけです。
 すでに10日以上飲み続けていますが、何ともありません。世界一貧弱な日本人が飲んで大丈夫だから、地元の人なら大丈夫だと考えることもできます。実際、1週間試した後で、チャンドラに飲ませてみましたが、平気です。
 でも、私が日本人の平均から外れているのも確かだから、私を日本人の代表とするわけにもいきません。子供なんかにも飲ませて大丈夫かどうか、やはり検査できない以上、確信が持てません。
 大腸菌群が検出されなくなれば、当然、大腸菌もいないと考えられますが、簡易検出紙の結果でそう考えていいのかどうか。結局、私には知る術がありません。

 大晦日の昨日から、一泊だけ、またパイナンへ行ってきたのですが、途中、パダンから2、30分のところにブングスというところがあります。
 レバランでパイナンへ行った時に、緩速ろ過(生物浄化法)の小さな浄水場らしいのが道から見えました。それで今回、途中で立ち寄ってみたのですが、すでに使われなくなって久しいよう。どういう経緯でできたのか、なぜ使われなくなったのかなど、気になることはあるけれど、付近に誰もいなかったので聞けませんでした。
 そこより下には港しかないので、船に積み込むための水を作っていたのでしょうか。目測で5m×10mほどのろ過池が2つ。毎日10mの速度でろ過すれば、1日1000トンの能力があることになります。うーん、もったいない!
 
 今のところ、パダン付近で他にも緩速ろ過の浄水場があるかどうか、わかりません。パダンでは生で飲める水道水や井戸水があるとは聞いたことがありません。
 ですから、今年は「我が家の水はパダンで一番きれいな水だ」と自慢することにします。

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