BLOWING WIND・風のふくまま

風の吹くまま気まぐれな日々     
  明日も良い日になりますように。

映画「さらば愛しきアウトロー 」

2019-08-06 07:24:27 | 映画
映画「さらば愛しきアウトロー 」 監督:デビッド・ロウリー。
長年にわたり活躍してきた名優ロバート・レッドフォードが俳優引退作と公言している最後の主演作。
1980年代初頭からアメリカ各地で銀行強盗を繰り広げ、それによる逮捕と脱獄を繰り返した実在の人物フォレスト・タッカーを描いた。強盗といいながらも、発砲もしなければ暴力も振るわないという紳士的で風変わりな犯行スタイルを貫いた主人公タッカーをレッドフォードが演じ、タッカーを追う刑事ジョン・ハント役をケイシー・アフレックが担当。

R・レッドフォードが演じる実在の銀行強盗フォレスト・タッカーは、十代から老境に至るまで16回もの強盗、逮捕、脱獄を繰り返した筋金入りのアウトローである。拳銃をチラ見させ、誰ひとり傷つけず、柔和な笑みを浮かべながら、冷静沈着に現ナマを奪う。被害者たる銀行員たちが異口同音に「紳士的だった」「とても幸せそうにみえた」と語るのが印象的だ。

追手の刑事ジョン・ハント(ケイシー・アフレック)もいつしかタッカーに友情にも似た奇妙な親近感を抱き始めるが、いっぽうで逮捕のきっかけとなるタッカーの娘の証言からは、この男の抱えるダークサイド、〝無慈悲な人でなし〟の側面も垣間見える。しかし、映画はタッカーの内面の闇にはあえて踏み込まない。「楽に生きたい」ではなく「楽しくなりたい」がためという独自の犯罪哲学を遵守し、嬉々としてアウトロー人生を全うしたこの破天荒な男の軌跡を軽妙洒脱なタッチで浮き彫りにするのだ。(映画.com 高崎俊夫)
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