弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

Law&Orderからみるアメリカ、八つ子騒動

2012年02月10日 | Law&Order

リアリティショーの出演料が動機の犯罪でした。

動機というと、被告人の方(借金)にもありますが、競争相手の八つ子を
含む10人の子供を持つ女性にもあるというわけで、
借金の事実が証明できない以上は陪審員は判断できないということで
審理無効になりました。

実は、八つ子の母は実際の話です。
未婚ですし、八つ子ということで、それ自体ニュース性がありますので、
あちこちのテレビで引っ張りダコでした。
少なくとも、こっちの方は事実が下敷きのはずです。
あーゆー雰囲気の女性でした。

面白かったのは、テレビの画面から情報が漏れたことでした。
これは新しい現象です。
実は、イギリスでは良く起こっています。
首相官邸の前には取材陣が張り付いています。
首相と会談を終えた閣僚は、資料をカバンに入れずに、そのまま
手に持っていることがままあります。
今度のコニーのように、映像を引き延ばすと、資料の中身がわかると
いうわけです。
何度も問題になっています。
技術の進歩のお陰で、秘密は難しくなったようです。

最後にアーサー・ブランチが審判役になると見通しがありました。
私の想像は、シーズン20の第2回目は、政府の捕虜虐待がテーマでした。
連邦政府の意向で、訴訟自体、壊されてしまいましたが、
アーサー・ブランチは、あのドラマのテーマの取り上げに批判的だったのです。
前にも紹介したように、彼自身共和党の政治家で大統領選出馬のために
このドラマを降板することにしたのですから・・・

また、あのエリオット・スピッツァー(高級コールガールが理由で辞任した
ニューヨーク州知事)は、そのあと、テレビのキャスターとして
返り咲きを果たしています。

きっとこういう背景があり、アメリカ人はそれぞれに想像を巡らしながら
楽しんでいるのだと思います。

何があってもおかしくないのは、これは本当のお話ですが、
カルフォルニアの連邦裁判所で、シャチ5頭が原告となって、
シーワールドで演技させられているのは、憲法13条の保障する
隷属状態にあたり、その意に反する苦役をしいられているとする
裁判があり、ヒアリングが行われ、後日、判事が判断を下すことに
なっているとのことです。
日本なら、訴えにもならないと思うのですが・・・

Law&Orderはそういう国のドラマです。
おもしろいですね。

 


Law&Orderからみるアメリカ、シリアの移民

2012年02月09日 | Law&Order

20-3はシリアの青年がメインです。

今、シリアでは昨年の1月から引き続く、暴動が進行中です。
チュニジアに始まったアラブの春は、他の国では、それなりの変化を起こして
います。
シリアはちっとも変わりません。
それどころか流血事件は激しくなっています。
アラブ連盟を始め、外国政府からのプレッシャーもありますが、
収束はみえていません。

この青年は、アメリカに自由を求めて移民してきたようです。
底抜けに明るいようにみえます。
シリアでは弾圧や身柄の拘束があるようです。
そういう自由のない国から、自由のアメリカへというわけです。
イランやイラクが問題になるときはジハードが目的で、
自由を求めてという感じはないようです。
そこに、シリアの特殊性を、私は見ました。

実は、題名は忘れたのですが、やはりシリアの若者が、自由を求めて
アメリカにきたものの、母親が手続きを怠っていたために
強制送還になりそうになったとき(9・11の後、政策が厳しくなった)、
その青年を助けようとする初老のアメリカ人のドラマをみたことがあります。
そのシリアの青年も、底抜けに明るく、ただただアメリカに自由と希望を
見ていました。

二つのドラマが描く、シリアの青年像、ほとんど同じです。
ということは、シリア人の、あるいはシリアの特殊性だと思います。

そういえば、アップルのジョブズのお父さんはシリア人ですね。
シリア人の血が半分入っていたのです。
底抜けに明るいようには見えませんでしたが、絶対にあきらめない
姿勢には、シリアの血が流れていたのかもしれないと思います。

シリアは気の遠くなるような長い歴史があります。
アサド大統領はイギリスに留学したこともあり、夫人はイギリス生まれ、イギリス
育ちです。
ほかのアラブの国とは違った雰囲気があるのだと思います。

中東をアラブの国と一括りして捉えるのは間違いかなと思いました。

今回は、この青年はどうやら、アメリカに留まれそうですね。
救いを感じました。
熱にうなされながら、頭痛と戦いながら、見たからでしょうか???


LAW&ORDERからみるアメリカ、シーズン20-1、戦争の影響

2012年02月05日 | Law&Order

アメリカは世界の警察と言われ、
世界の紛争地域に多くの兵士を送っています。
戦地は国外ですが、
こういうドラマをみていると、その被害は確実に国民に及んでいる
ことがわかります。
PTSDで苦しんでいる元軍人はたくさんいると聞いています。
また、予算の関係から、救済漏れも多いようです。

今回は、アルグレイブ刑務所の捕虜虐待事件で暴露された
人間の暗部について、もう一度考えさせるものでした。
ブッシュ政権からオバマ政権に変わり、アルブレイブやグアンタナモ基地
など旧政権から引き継いだ負の問題をどうするのかが
大きくクローズアップされていました。
そういう背景があってのものです。
このころ、またぞっとするような写真も公開されました。
アウシュビッツの悲劇は、大量虐殺という点で、例をみないほどの残虐性
があったのですが、行為という側面からみると、戦争には
いつも同じような残虐で非人間的なものがあるのですね。

政治家や政治の暗い部分にメスをいれたいというマッコイの執念は
再選後、ますます激しさを増してきたようです。
鬼気迫る雰囲気ですね。

カッターの最終弁論は力が入っていました。
戦争時の捕虜の扱いについての歴史を巧みに引用しながら、
指導者をいさめるのは国民の役割だとしめくくる論理は
心打たれるものがありました。

最高潮のしめくくり(おそらく評決は有罪だったと私は確信しますが)の
ところで連邦裁判所の停止命令でした。

アメリカの連邦裁判所と州の裁判所との関係はとても複雑です。
各地域に連邦の裁判所と州の裁判所があり、
それぞれが、地方裁判所、控訴審裁判所、最高裁判所があります。
連邦の最高裁判所はワシントンに一つしかないわけですが、
連邦の控訴審裁判所は各州に必ず一つはあるので、
州の控訴審の裁判所との関係はどうなっているのか、
単一国家の日本人には理解困難なところがあります。
今回の戦争や外交に関するものは連邦の専権事項です。
判例を調べるコニーにそんなものはないとマッコイがいうのは、
両裁判所の仕組みがそうなっているからです。

世界では戦争や内紛等で多くの人々が死んでいます。
国家間の紛争もなくなることはありません。

日本は平和ボケしているといわれますが、本当にそうだと思います。

とても重い、最後のシーズンの始まりでした。
国を敵に回して、マッコイ軍団は今後どのように進んでいくのでしょうか。

このシーズンも目を離せそうにありません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    

オフィスの受付のお花です。やわらかいピンク基調になっています。
癒されてください。


LAW&ORDERからみるアメリカ、#19-17家族の絆

2012年01月28日 | Law&Order

アメリカの現実をドラマにしたものとすると、毎回、まとまるという
わけにはいかないでしょうね。

17回は、バーナート・マドフの巨額投資詐欺事件を思い浮かべます。
この事件を中心に、実際にあったキャスターのスキャンダル事件、
殺人事件などが犯行方法として利用されていますから、
ごったまぜのアメリカであることは間違いないようです。

実際のマドフは、2009年6月、詐欺などの罪で150年の禁固刑になり
服役中ということです。被害額は数兆円規模のもので、
あのスティーブン・スピルバーグなどハリウッドのセレブも被害者だったのです。
また、いろいろな慈善団体も被害にあったようです。

そういえば、スティーブンとかスピルバーグの名前が出ていました(被害者の
名前としてではなく)が、アメリカ人にとっては、こういう趣向が
おもしろいんだと思います。

マドフには息子がいたようですが、逮捕から2年後に自宅アパートで首を吊って
自殺したということです。

ドラマでは娘となっていましたが、その娘が困って(父親のファンドに全部出資
してお金がない)検察に相談に来ていましたが、
実際の事件でも息子は忘れられていたのですね。

最後のカッターのセリフ
「They love each other. They do'nt love anyone else 」というのが、
心に残りました。
自分たちのことしか考えない親って日本でも良く見られます。
あるいは自分のことしか考えない親ということでしょうか。

そして、その直前のマッコイの言葉は
「Nice parents 」でしたね。英語にはこういう反語的というか皮肉っぽい
表現があるのですよね。
「なんていう(ひどい)親だ!」という意味ですよね。逆のいみですよね。
もちろん、日本語でもこういういい方はありますけどね。

原文で理解したいと思うのはこういう、反語的な言い回しのときですね。
翻訳ではわからない微妙な感情がでていますものね。

ちょっと外れますが、
マッコイが知事と喧嘩別れするキッカケとなるときの会話で、知事がマッコイに
「I wasn't born yesterday」と言っていました。
世間知らずじゃないとか、うぶじゃない、とかいう意味でしょうが、
知事と検事長との会話で
「昨日生まれたんじゃない」などという表現を選んだということは、
喧嘩ごしのように感じられ、知事がマッコイをどのように思っているかが
わかります。

その後、知事とは敵対関係になるわけです。
カッターは「enemy」という言葉を使っていました。
知事との対決、すなわち、マッコイの選挙の結果がどうなるのか楽しみで
待っているのですが・・・・

今日はまとまりのない感想になりました。


LAW&ORDERシーズン19にみるアメリカ、価値感の混乱

2012年01月26日 | Law&Order

最近のLaw&Orderの検事(AD)の活動には混乱がしばしばです。
15回も検察側敗訴に終わりました。

13はタイムズスクウエアーの爆弾事件、14はラプチャー・ドット・コム、
15はウォール街に発したグーローバル金融危機にそれぞれ刺激を受けて
製作されたということです(アメリカの放映は2009年1から3月)。

15回でもそうですが、実際に殺人事件が起こっている、どう考えても
被告人が犯人ですが、
普通の人たちにとっては、被害者(破たんした会社のCEOの恋人で、
全身ブランドを身にまとう)よりは加害者がより身近です。
若者の更生のために働いている人、語る夢は実現しないとはいっても
若者に夢を与えていることは事実です。
破綻した企業の幹部の慰安旅行1回で25万ドルも使いながら、若者の夢のために
20万ドルの寄付はできないというのは、
やはり庶民には納得できないことです。

陪審員が被告人に同情し、無罪の評決を出すのは、やむを得ないことなのかも
しれません。
客観的に何が事実で何が真実かなどどうでもいいのです。
自分たちにとって、何が納得でき、できないか、ということなんですね。
犯罪という場面でも。

検事たちの目指す正義と、日々の生活で虐げられていると思う庶民のみる正義
は違うということなのでしょう。

実際、世界の動きをみていると、置かれている立場で、良いとか悪いとか
いうことは違っているようです。

アメリカでは、富の偏在が甚だしいようです。
それでも、景気が良く、仕事があれば、不満を抑えることができるでしょうが、
一向に光はみえてきません。
さすがのカッターも椅子に倒れ込んでいきます。
きっと絶望のようなものを感じているのでしょうか。

今年の大統領選挙は共和党が挑戦者ですが、ミット・ロムーニーが
なかなか勝てないのは、彼自身、成功者であり、大金持ちだからと
言われています。
確かに、力のあるもの、金のあるものの腐敗は、目に当てられないものが
あります。
庶民がそれに激しい憤りを感じるのは当然です。

日本の現状をみても同じようなことが起こっているようです。
東電の無責任ぶりにはあきれ果ててしまいます。
それにも関らず、値上げをして、被害者である消費者に責任転嫁です。
損害賠償も結局は税金につけが回るだけでしょう。
公共事業だからつぶすわけにはいかないというわけです。

世の中は、どういう方向に向かっているのでしょうか。
考えさせられてしまいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

       

ビルの受付のお花です。グラジオラスがあるというのですが、
ちょっとわかりません。元気になりますかしら?