モペッドライフ

神奈川県の小さなバイク屋によるトモスやチャオなどのモペッド(自転車バイク)などの話とか。

当店の犠牲者

2010-02-04 14:20:18 | Weblog
二月に入っています。一昨日の大雪には参りました。何故なら、うちの築30年以上の店舗では流石に寒くて・・・ 
とり合えずタイヤ外しのタイムアタックなどをして体を動かしていました。(^^;)

最近ブログの更新をしていなかったのですが、「忙しすぎて!」というわけでもなく「話のネタが無かった」という次第です。
しかし、初めてうちの店に来られる方には「ネタが豊富な店」らしいです。(^^)

Kymco SUPER9というスクーターがあります。
台湾製の車輌で見た目も国産の同クラスに比べ、大きくてカッコよく知らなければ欧州車にしか見えません。
残念ながら生産終了になっていますが、世界中で人気が高くカスタムパーツもヨーロッパを中心に沢山あります。
ただし、ノーマル車輌(メーカー出荷時)は見た目に対してとても速度が遅く話にならないそうです。
私もお客さんの車輌に乗ったことは有りますが、始から非常に速くて一クラス上の「グランドアクシス」「や「アドレスV125」を引き離す状態だったので
ノーマルの状態(普通の状態)というのを詳しく知りませんでした。

さて、「幸か不幸か」昨年うちの店を知っていただいたお客さんがおられました。
私やうちの常連さんと話し込むうちに、過激な方向へ洗脳(?)が行われチューニングが行われました。

カスタムの定番であるボアアップで、日本で定番といえばイタリアのマロッシというメーカーの物です。
物の作りも定番でというだけあって悪くなく、内部のポート形状も「まあ普通」という代物です。
乗った感じも「悪くない」というぐらいで「可は有って不可は無い」といったところです。
ただし、これは「あくまで一般的なタイプ」の話で最上級グレードである「TEAM」というものは値段相応に内部も過激なシロモノです。

ヨーロッパは分野問わずに「最上級グレード」というものには「神懸った」という位に「通常グレードとはまったくの別物」を造る習慣があるようです。

で、過激というからには定番商品は「面白くない」という理由で使用はしません。だからと言って「出所不明の怪しい物」も使用しません。
使用したした物は「AIRSAL」というスペインメーカーの物です。
このメーカーは日本では「モペッドのトモス」では一部知られていますが、れっきとした「エンジン屋」です。会社創業以前から数えて50年位エンジン屋をしています。
「だから」なのか、全てが他メーカーには無い工夫が凝らされていて、通常グレードでも「マロッシのTEAMに匹敵する形状」で生産されています。
その辺りがラテンの本場であるスペインならではといえますか・・・。情熱を感じます。
実はスペインて「ヨーロッパ一レースが盛ん」と言われるぐらい、F1でもMOTO-GPでも一つの国で「ワンシーズンに3回」レースが行われる「唯一の国」なのです。
一レースにも「約20万人以上」動員するアツイ国です。
ですから、こういったものが造られることに何ら不思議は無いのかもしれません。

ここで、簡単なお話です。
エンジンには冷却装置が付いています。
空冷であれば「冷却ファンや冷却フィン」が、水冷であれば「ラジエターコアやウォータポンプなど」です。
エンジンは内部で燃料を爆発させて動力にしています。
ですから、それが繰り返されれば発熱量がどんどん増えて、やがてはそれらを受け止めているピストンやエンジン本体が「熱で変形するなり溶けていく」のです。
大雑把に言えば冷却装置は「そうさせない為の装置」なのです。
純正の冷却装置は「あくまで純正用」なのですが多少は安全を見て大目の容量を持っています。
ただ、カスタムもやりすぎるとそれを超えてしまいますので「対策」が必要です。

マロッシのボアアップキットも通常グレードで「通常の使い方」をしていればそんな事はしなくてもいいでしょう。
最上級グレードの「TEAM」に匹敵する形状のAIRSALでも「優しく使う分」にはそんな必要も無いかもしれません。

しかし、パワーバンド(エンジンで最も力が出る回転域)をそれに見合ったレッドゾーン(危険域、タコメーターの赤い表示域)を超えるトコロにするならば・・・
結果こうなるのです。(-_-)b

画像は「こうなった」SUPER9です。ラジエターコアが二つ付いています。
パワーバンドはレッドゾーン越えの「一万回転辺り」です・・・。
使用しているカスタムパーツって、ボアアップキットとチャンバー、バリエーター、エアクリーナーの他は調整パーツのみです。
実のトコロ、想像以上にお金は掛かっていないのです。でも、その割にはトテモ速いですよ(^^)b。
これは一応「町乗り用」です。