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箔屋町だより

-ギャラリーこちゅうきょオフィシャルブログ-

掲載のおしらせ

2017年12月20日 | アート・文化

皆様、いつもお世話になっております。

このたび宝島社『リンネル2月号』に弊社が掲載されましたのでお知らせいたします。

女優の蒼井優さんがきもの研究家・森田空美さんの選ばれたお着物を着て様々なふさわしいシーンにお出かけするという企画です。

第二回目となる今回は、壺中居とギャラリーこちゅうきょをお訪ねいただき美術品をゆったり鑑賞される様子をご掲載頂きました。

藍染による藍鼠(あいねず)色の紬の着物にジャワ更紗の帯を合わせられ、シックで落ち着いた装いが古美術や現代美術にも調和してとても素敵でした。

凛とされたお姿から時折見せられるチャーミングな笑顔に現場もすっかり魅了され、普段の見慣れた空間が柔らかな空気にほどけていく感じがしました。

『リンネル2月号』は12月20日本日発売です!

皆様、本屋さんへいらしたらぜひお手に取って下さいね。

(そして出来ましたらそのままレジへGO!)

O子

リンネル2月号(宝島社)

 

 

 

 

 

 

 


木野智史氏 第12回パラミタ陶芸大賞受賞!

2017年09月08日 | アート・文化

パラミタミュージアム(三重県)に於きまして第12回パラミタ陶芸大賞展が開催され、木野智史氏がみごと大賞を受賞されました。

パラミタ陶芸大賞は、美術関係者や有識者によって推薦作家6名が選考されたのち、美術館来館者の一般投票により大賞が決定されるというスタイルで、美術業界だけでなく市井一般の感覚も公正に反映され大変面白く思います。

今回の大賞展では70代ベテランから30代に至る年齢層の広い作家の選考となり、結果は1357票のうち396票を以って最年少の木野智史氏が受賞となりました。

会場は6等分に展示区域が分けられ、木野氏のスペースにはこれまでの作品に加え、この展覧会に向けて台湾の窯で制作された1mにも及ぶであろう過去最大級の新作が展示されました。

木野氏の作品はロクロ成形によるもので、成形から焼成までの工程も作品が大きくなるに伴い一段と難度が増していきます。

まだコントロールが不安定な窯での制作はなお一層の苦労があったと思いますが、高い志しとチャレンジ精神、そしてこの展覧会に対する意気込みが感じられました。

木野智史氏は弊社に於いて2015年より個展を開催していますが、作品に対する制作姿勢やその造形感覚に注目し、また将来性も期待される作家です。

海外ではすでに受賞を重ねてきた木野氏ではありますが、今回の国内受賞により更なる活躍と飛躍に期待を寄せたいと思います。

追記:9月12日よりNYのJoan B Mirviss LTDギャラリーにて展覧会が開催されます。

O子

2017年 個展風景/ 於 ギャラリーこちゅうきょ

2017年個展風景/於 ギャラリーこちゅうきょ


再訪の岡田美術館

2014年06月19日 | アート・文化

みなさま こんにちは。

とうとうワールドカップが始まりましたね。

先日の日曜は朝から初戦のコートジボワール戦に燃えた方も多いと思います。(そして撃沈した方も・・・)

そんな日本中がサムライブルーに沸く中、私は友人と連れだって箱根・岡田美術館に行って参りました。

今の季節、箱根登山鉄道の線路わきは紫陽花がにぎわいを添えていて、スイッチバックで徐々に緑深まる箱根山へと登っていく電車もまた観光のひとつとなりました。

 

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さて、いま岡田美術館では66年ぶりに再発見された幻の傑作、喜多川歌麿の大掛け軸「深川の雪」が公開されています(~6月30日)

テレビでも特集されて、GWは大変な混雑ぶりだったようです。

 

伺った時は前回よりもずいぶん来館者は増えていましたが、なんと言っても広大な展示エリアを誇る美術館なのでまだまだゆったり鑑賞できました。

 

 

「深川の雪」は肉筆画で、タテ2m×ヨコ3.5mほどもある大作です。

画面に存在する遊女や女中の表情やしぐさは優雅で、深川料亭の賑わいや、遊びに興じたり寛いだりする彼女たちの様子がいきいきと描かれているので、作品の前に立つとその場の臨場感も伝わってくるようです。

 

画中の20人を超える女性たちは配置のバランス、ボリュームともに絶妙で、背景の柱や回廊の縦・横・斜めに延びるラインなど構図の巧みさからも絵師としての優れた力量を感じずにはいられません。

 

わたし的には夜具を大風呂敷で担ぎ運ぶ女中の後ろ姿や料理の御膳を運ぶ女性の姿、また中にはあまり美人ではない女性も居たりして(私はチャーミングで好きなタイプでしたが)美人画の幅の広いところも興味深く感じます。

 

この掛軸は、栃木の豪商が歌麿に注文して制作されたもので、他に「品川の月」「吉原の花」の雪月花三部作となっています。

現在、他の二点はアメリカの美術館に所蔵されているので全三部が一堂に揃ったらどれほどのものだろうと思いを馳せつつ、そんなぜいたくな展覧会の開催を切望してしまうのです。

 

 

ところで話は変わりますが、美術館に到着するなり我々はお腹がペコペコ。

先ずは腹ごしらえという事で庭園内にある「開化亭」で特製お弁当を頂く事に。

前回よりも種類が増えていて、3つの選択肢から私は鯛弁当、連れは松花堂弁当をチョイスです。

 

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お座敷のテーブルに案内されると「景色が良いのでこちら側にどうぞ」と私達の卓だけ並列して座る事をお勧めされました。

確かに眼の前に床の間があって山水画の掛軸がきれいです・・・。

 

でも何かが違うような・・・?

 

「あー!!」

 

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この雄叫びの意味、お解りですか?

 

なんとこの掛軸、本紙部分とそれに合わせた床の間の壁が切り抜かれていて、向こう庭に流れ落ちる滝や草木がいかにもそこに描かれているように配置されているのです。

 

すごい! これぞ「ザ・借景」

 

よくお寺の書院などで円窓の障子を掛軸ほどに開けて庭の一部を切り取ったような美しさを楽しむ事はありますが、ホントの掛軸にしてしまうというのは初めて見ました。

 

このユニークで斬新な発想に驚くと同時にちょっとオモシロい楽しみ方も思い付いてしまいました。

 

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絵になっていますか?

 

うーん、やっぱりモデルの力量不足ですね。

歌麿の女性のような優雅さには全くもって程遠いです。。。(笑)

 

でもこの参加型掛け軸(?) とても楽しい思い出になりました。

この席に案内してくれたスタッフの方、ありがとうございました! 

 

O子


箱根の新名所

2013年12月05日 | アート・文化

11月最後の週末、店の仲良し後輩と錦秋の箱根に行ってきました。

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箱根湯本に着くと駅は紅葉と名湯を楽しむ人達でごった返していましたが、今回の我々の目的は箱根の新たな名所となる岡田美術館へいく事なのです。

10月にオープンしたばかりの私立美術館で、その建物の規模はもちろんの事、収蔵品も質量ともに大変充実したものです。

現在、開館記念「日本・東洋 美の遺産展」が開催されていて、なんとか会期中(~12/30)に足を運ぶことができました。

湯本駅から箱根町行きのバスに乗り、小涌園にて下車。

歩くこと約30歩で岡田美術館に到着です。

 

入館すると空港で見かけるような手荷物検査を受けます。

セキュリティの高さに感心しつつ、第一室に入ると先ずは中国・朝鮮の古陶磁や埴輪、青銅器などの名品が出迎えてくれました。 

展示は1Fから5Fまであって、1Fの中国・朝鮮陶磁に始まり、2Fは日本の陶磁や絵画といった様子で、さらには近代絵画、仏教美術などなど上階へと多岐にわたっていきます。

一点一点じっくり鑑賞するには十分な時間とそこそこの体力を持って臨んだ方が良いようです。

各フロアの展示室はとても広くゆったりと取られているので、他の人を気にせず鑑賞できる贅沢な展示空間でした。

照明もずいぶん配慮されているようで、青花の明快なブルーや唐三彩の鮮やかな色彩が美しく印象的でした。

 

5フロアに及ぶ充実の収蔵品を見終わる頃には我々も体力消耗の兆しが…。

しかし、そんな私達にもってこいの施設がこちらの美術館にはあります。

玄関脇に居心地の良い立派な足湯が併設されていて、疲れた足をホッコリ温める事が出来るのです。

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我々は到着早々と帰る間際の2回もお世話になりました。

目の前のガラス越しに見える超巨大な風神雷神を眺めながらの足湯は珈琲やビールも注文できるので、ついのんびり長湯をしてしまいがちです。

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美術館入館前にひとっ風呂やってしまった我々が言うのもなんですが、うっかりすると美術鑑賞の時間が足りなくなってしまいますのでご注意ください(笑) 

さいごに数量限定の美術館特製のお弁当も中身充実。

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とても美味しかったですよ。 O子

 

岡田美術館Website

www.okada-museum.com/

 


ミヤケマイ展にて

2013年06月20日 | アート・文化

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先日、ミヤケマイさんの展覧会 『白粉花』 に行ってきました。

ミヤケさんは日本の現代アートを牽引する作家のおひとりですが、古典や伝統文化、民族的風習などをモチーフにした作品も多く発表されていて、その独自の視点と作風から 国内外で注目の高い作家さんです。

ミュージアムの空間は今回のテーマである「白」の作品を中心に、新作・近作でまとめられていました。

 

 『必然』と題された 白い壁で仕切られた部屋があり、茶室のような躙り口からくぐり入ると 正面に二幅の軸が掛けられています。

その前には本・洗面器・ビン・鳥かごが無造作に配置されていました。

「これらはいったい何だろう?」

この部屋に入った人の多くは この複数のアイテムに目をやり、そして自然な成り行きでいずれかに歩み寄るのではないでしょうか。

ミヤケさん曰く  「人間は何に興味を持ち 行動を起こすのか、また起こさないのか」

自身が何を選ぶかで 違った画像が軸の本紙に現れます。

私の前に映し出されたのは 山月記 でした。

 

何に歩を進めたのかは伏せておきますが、

私がこの時、そのアイテムを選んだという現実には、自分も知らない必然性が含まれていたのでしょうか。

そして、明確な意識を持たない行動にこそ、その人の潜在的な意識が大きく現れるのかもしれません。

なんだか不思議な感覚にとらわれつつ、隔絶された空間で作品と対峙してきました。

                                                  O子