みなさま こんにちは。
とうとうワールドカップが始まりましたね。
先日の日曜は朝から初戦のコートジボワール戦に燃えた方も多いと思います。(そして撃沈した方も・・・)
そんな日本中がサムライブルーに沸く中、私は友人と連れだって箱根・岡田美術館に行って参りました。
今の季節、箱根登山鉄道の線路わきは紫陽花がにぎわいを添えていて、スイッチバックで徐々に緑深まる箱根山へと登っていく電車もまた観光のひとつとなりました。
さて、いま岡田美術館では66年ぶりに再発見された幻の傑作、喜多川歌麿の大掛け軸「深川の雪」が公開されています(~6月30日)
テレビでも特集されて、GWは大変な混雑ぶりだったようです。
伺った時は前回よりもずいぶん来館者は増えていましたが、なんと言っても広大な展示エリアを誇る美術館なのでまだまだゆったり鑑賞できました。
「深川の雪」は肉筆画で、タテ2m×ヨコ3.5mほどもある大作です。
画面に存在する遊女や女中の表情やしぐさは優雅で、深川料亭の賑わいや、遊びに興じたり寛いだりする彼女たちの様子がいきいきと描かれているので、作品の前に立つとその場の臨場感も伝わってくるようです。
画中の20人を超える女性たちは配置のバランス、ボリュームともに絶妙で、背景の柱や回廊の縦・横・斜めに延びるラインなど構図の巧みさからも絵師としての優れた力量を感じずにはいられません。
わたし的には夜具を大風呂敷で担ぎ運ぶ女中の後ろ姿や料理の御膳を運ぶ女性の姿、また中にはあまり美人ではない女性も居たりして(私はチャーミングで好きなタイプでしたが)美人画の幅の広いところも興味深く感じます。
この掛軸は、栃木の豪商が歌麿に注文して制作されたもので、他に「品川の月」「吉原の花」の雪月花三部作となっています。
現在、他の二点はアメリカの美術館に所蔵されているので全三部が一堂に揃ったらどれほどのものだろうと思いを馳せつつ、そんなぜいたくな展覧会の開催を切望してしまうのです。
ところで話は変わりますが、美術館に到着するなり我々はお腹がペコペコ。
先ずは腹ごしらえという事で庭園内にある「開化亭」で特製お弁当を頂く事に。
前回よりも種類が増えていて、3つの選択肢から私は鯛弁当、連れは松花堂弁当をチョイスです。
お座敷のテーブルに案内されると「景色が良いのでこちら側にどうぞ」と私達の卓だけ並列して座る事をお勧めされました。
確かに眼の前に床の間があって山水画の掛軸がきれいです・・・。
でも何かが違うような・・・?
「あー!!」
この雄叫びの意味、お解りですか?
なんとこの掛軸、本紙部分とそれに合わせた床の間の壁が切り抜かれていて、向こう庭に流れ落ちる滝や草木がいかにもそこに描かれているように配置されているのです。
すごい! これぞ「ザ・借景」
よくお寺の書院などで円窓の障子を掛軸ほどに開けて庭の一部を切り取ったような美しさを楽しむ事はありますが、ホントの掛軸にしてしまうというのは初めて見ました。
このユニークで斬新な発想に驚くと同時にちょっとオモシロい楽しみ方も思い付いてしまいました。
絵になっていますか?
うーん、やっぱりモデルの力量不足ですね。
歌麿の女性のような優雅さには全くもって程遠いです。。。(笑)
でもこの参加型掛け軸(?) とても楽しい思い出になりました。
この席に案内してくれたスタッフの方、ありがとうございました!
O子