仕事帰り、久しぶりに銀座をミチクサしてみると、クリスマスイルミネーションに彩られたお店があちらこちらで目に入ってきて、街はすっかり冬の華やいだ雰囲気で満ちていました。
まだ秋だと思いきや、街に流れる『White Christmas』の曲に焦りと気忙しさを急に感じてしまいました。
そろそろ冬支度をしなくては。
というわけで、冬に飾りたくなるガラスを出してみました。
石川で制作をされているガラス作家・扇田克也さんの作品です。
ガラスは夏の出番が多い素材ですが、扇田さんのガラスは何と言っても冬が似合います。
夏の強い陽射しを涼に変えるガラスではなく、冬の柔らかな光をやさしく受け止めるガラス。
鋳造により形作られた『CUBE』は、四方の面に独自の不透明加工が施されていて、冷涼な印象が抑えられるとともに柔らかな印象を与えています。
底部の光の反射は、まるで光自体がCUBEの内から現れたような錯覚を覚えます。
内包した光を穏やかに拡散する様子は、静謐な時間とともに冬の原風景や心象風景の中に存在しているかのよう。
人工の光ではなく、自然の光の中で住まわせてあげたい、そんな作品です。 O子
■ 扇田克也作/CUBE ■