方向音痴はつらいよ

14日。義母大変。

殿が義母が『臭う』のを発見。

「お義母さん　トイレに行きたくなっちゃったの？」

「そんなわけないでしょ！

トイレに行きたければ行きますよ！」

「じゃあ　お腹が痛くなっちゃったの？」

「お腹なんか痛くありません！」

「きっと下着やスカートを汚したのがショックで

汚れた衣服を汚物と一緒に

タンスの引き出しにしまったんだよ。」

「汚れた下着は捨てよう？」

「イヤ、汚すたびに捨ててたら、下着が無くなっちゃう。

オレ　もう洗ったから。」

「そうかぁ……」

「オレは手洗いしたり、汚れを取ったり、大変だよ。」

「殿は　本当にエライよ。

なかなか　出来る事じゃないもの。」

15日。一階のトイレも大変。

一階のトイレ掃除する。

昨日　義母の汚れた衣服を洗った

洗濯機も洗濯槽掃除する。

なぜか今日は洗濯機に　こだわる義母に

洗濯槽掃除の薬液を流されてしまった。

殿が「ホントにもう！」と怒るので、

「怒るな。怒るな。」となだめる。

「洗濯機は今、洗濯槽掃除をしてるから、

いじらないでねって、頼んであるんだよ？」

「そういうもんなんだよ、

ヤメテって言う事ほど　やるんだよ。」

「まったくもう、これで

まごうことなき糞垂れババアだよ。」

「ホントだ。ハハハハ」

18日。やっと義母

紙オムツを履いてくれた。良かった。

どんなに頼んでも、拒否していたのに、

どうした心境の変化だろう。

だけど　どうしてもトイレットペーパーを

折りたたんでパンツに挟むのは辞めてくれない。

もうトイレットペーパーが水で溶けるのが

わからいんだ。

私もこうなるんだな。

殿が「お母さんって　嫌な言い方するよね」って、

「そうなの、お義母さんの一言ひとことの

言葉の裏には『まったく！しょうがない！』が

含まれてるのよ。」

「そうそう、見下してる言い方。」

気の毒だよなぁ、自分の息子に

嫌な言い方って　言われちゃうんだもの。

19日。今日は嫌な気分。

心の中から「それで良いの？」

「それが正しいの？」と責められる。

21日。

義母の紙オムツはたった1日だけだった。

布パンツの間にトイレットペーパーを

あてている。

尊厳ってなに？

生きるって何なんだろう？

死ぬって何なんだろう？

人間の幸せって何なんだろう？

生きるのも　死ぬのも　病むのも

老いるのも　悲しい。って事は、

人間は悲しいものなんだろうか？

　

　　　　┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ