方向音痴はつらいよ

　「ケメコさん　ちょっと来て頂戴。」

「ハイ　お邪魔します。」

「チョット　ここに来てくれる？

床がブカブカしない？」

「あら　お義母さんの寝室？

足踏みすると　よく分かりますね。

　殿！チョット　来て　見て！

　ここ踏んでみて？」

「わぁ。これは、ブカブカだ。」

リホームしよう。」

「お義母さん、リホーム会社に

見積もりに　来てもらいますから。」

「なんですか？リホームって。」

「修理ですよ。」

「分かったわ。修理してもらって頂戴。」

「こんにちは～、　見積もりに来ました。」

「この部屋なんですけど。」

「こちらの　和室ですか？

あぁ、これは相当　来てますね。」

「実はこっちの　洗面所もベコベコなんです。」

「はいはい　あら、これは修理が必要ですね。

すぐに　見積もりをお出しします。」

「よろしくお願いします。」

「お義母さんも　よろしいですか？」

「良いですよ。」

「見積もりをお持ちしました。」

「ありがとうございます。」

「お母さん、この修理会社に決めて良い？」

「良いですよ。」

「ありがとう御座います。

では　◯月◯日修理を　始めさせて頂きます。

奥様よろしいですね？」

「はい　よろしくお願いします。」

「こちらこそ　どうぞよろしくお願いします。」

　「あれ？家の前に　立っているの

リホーム会社の営業の　人じゃない？」

「おはよう御座います。

早いですね、まだ朝９時前なのに。」

「おはよう御座います。

　今日から　工事に　来たのですが

奥様に叱られてしまいまして…」

「えっ？

　私達　朝食後に　近くを　

ウォーキングしているものですから、

　母には、工事の人が来るからネって　

言ってあるんですが…」

「奥様が　聞いてないとか　何とか　おっしゃるので

間違いがあっては　いけませんので　

職人達は　引き上げさせました。」

「これは　申し訳ありません。」

「お母さん。今日から修理して　もらうんでしょう？」

「いいえ！私は　何にも聞いていません！」

「すみません。今日のところは

引き取ってください。」

「ごめんなさいね。」

「いいえ。又　御連絡　お待ちしています。」

「本当にすみません。」

　　　　　　　　　┐(´д｀)┌ﾔﾚﾔﾚ