gacco社長 兼 放送部長の伊能です。
突然ですが、これが私がgaccoの社長として皆さんにお届けする
最後のブログ
になります。
実は、私、本日2017年6月30日でドコモgaccoの社長という役割を終えることになりました。
自分で彫ったgaccoのロゴの型紙
gaccoという名前も私が決めたので感慨深いです・・・。
ひときわ思い入れのあるサービス、会社が、日本型のMOOCとして、新たな展開を目指していた矢先でもあり、とても残念ですが、私の思いを引き継いだメンバーがgacco2.0を実現するためにきっと頑張ってくれると信じています。
例えば、現在NTTデータで提供している「全曲報告サービス」も、NTT研究所の「FingerPrint技術」を著作権処理に使おうと構想し、仲間を集め、音楽業界や放送業界のステークホルダーへの技術紹介から始めましたが、私がチームを離れた後、その志を引き継いだメンバーが、プラットフォームとして大きく育て、持続的なサービス提供を行って下さっています。サービスインしてから8年が経ったところで、大きな賞をいただいたことを連絡していただいたときに、本当に涙が出るほどうれしかったのを覚えています。(http://www.nttdata.com/jp/ja/news/information/2015/2015100901.html)
また、「光ブロードバンド」の利用用途拡大を目指して、屋外の広告や看板をディスプレイ化し、クラウド接続することで、より良い情報提供メディアを作り、市場創生をしていこうと目をつけたデジタルサイネージの世界でも、自社サービスの開発をする傍ら、業界関係者を広く集めてデジタルサイネージコンソーシアム(http://www.digital-signage.jp/)を2007年に設立し、おかげさまで今年で10周年を迎えました。
今、デジタルサイネージは、国を挙げて更なる活用が期待されています。その間、私の本業は移り変わって来ていますが、さまざまな方々がどんどんその輪を広げて下さっています。
そして、gacco。
2012年に教育分野での新サービスの開発がミッションとなった私が、新たな学びのスタイルを模索している中、出会った、MOOCと反転学習という新たな世界的潮流を、日本にいち早く取り入れたい、という思いが、2014年、いろいろな方のサポートで実現しました。
それから3年余り、36万人のユーザーに支えられる大きなサービスに成長しました。
これまでの新サービス開発に共通した私のテーマは、「リアルの価値を高めるICT、モバイル、クラウド」です。
・音楽を作る人、届ける人、楽しむ人のために、テクノロジーを活用して、その体験価値を高める。
・街行く人の利便性と街そのものの魅力をアップさせるために、そこに相応しい情報をタイムリーに伝える。
・知識付与はあらかじめオンラインで、その知識を元に多様性のある人々が実際に集まり共に学び、「集合知」を生み出し実践に結びつけることを可能にする。そして、生涯に渡ってそれを継続しやすい環境を準備する。
AIやIoTがどれだけ進展しても、私たち人間は、あくまでも「リアル」かつ「フィジカル」。
五感を持った人間が、より健康で快適にワクワクしながら生きていくためにこそ、テクノロジーは存在するべきです。
そのことを、昨日ご縁をいただいてお邪魔した、味の素グループさんの「Umami Sience Square」でもあらためて感じることができました。
「味覚」には、「甘味」、「塩味」、「苦味」、「酸味」のほかに、日本で発見された、第五の味覚「うま味」があることはご存知の方も多いと思います。私自身もその発見の経緯、その後の世界的な広がりなど、基本的なことを事前学習した上で、見学・体験ツアーに参加させていただいたのですが、実際の工場や展示スペースを目で見て耳で話を聞くだけでなく、歩き、手を動かし、匂いを嗅ぐ、という五感をフル活用することで得られる情報量は、圧倒的で、しかも楽しかった!
小さいアジパンダのボトルに異物混入がないか、確認して…
完成しました!
いずれ、gaccoで反転学習としての「大人の社会科見学」もやって欲しいと思っています。
わかったような気がするのと、腹に落ちる、実際にできる、ということの間には大きな乖離があります。
だからこそ、私は、gaccoの基本的な学習スタイルである「MOOC×反転学習」にこだわり続けてきたのだと思います。
「リアルとデジタルのブレンド」、というこだわりを、次の職場でも持ち続けて、新たなサービスの開発に取り組みたいと思っています。
そして、その時にも私に与えられた使命(だと私は思っています…)、
「新たな場を作り、自分は触媒となる!!」
このことだけは、必ず忘れないでいようと決意しています!
私がバトンを渡すgaccoのメンバーと、きっと一緒にまた何かを作り上げることができる、という予感も持ちながら・・・。
これまで、本当にありがとうございました!!