診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

新型コロナウィルス2

2020年02月05日 | 新型コロナウィルス

 その後、新型コロナウィルスは中国では更に拡大し、世界に飛び火しだしている。日本では中国から訪れた中国人と武漢から帰国した日本人、豪華客船内での感染者からの二次感染者で占められ、濃厚接触者であるバス運転手とガイドの二人のみが日本で生活している人の感染者である。125日から春節で大勢の中国人が日本を訪れ、各地の人気店や観光地で働く日本人と濃厚接触をしているわけであるが、この接触で感染したとなれば潜伏期を考えると、今週当たりにそろそろ日本在住の人の感染者が出てもおかしくない。特に大阪では戎橋筋、道頓堀、黒門市場が中国観光客の人気スポットであるので、ここから感染者が出るのが最も考えられる。逆に考えれば、今週、この地域から感染者が出なければ日本では拡散しない可能性が非常に大きいと考えられ、ほっとしたことになるであろう。いつものように、あまりにもマスコミが煽り過ぎているため、パニックになる人が多い。ましてや競ってマスクを購入している人々の多いことには驚きである。前回も述べたが、マスクは感染者がウィルスを拡散しないためには有効であるが、予防効果はない。仮にも、マスクでウィルスをブロックできたとしたところで、そのマスクを触ってしまった手をどうしているか、滑稽なのはそのマスクをポケットにしまい込んで再び装着する(ポケットの中はウィルスだらけ)など、小学生でも考えればわかることを平気でしていることを何とも思わないのだろうか。マスクにウィルスが着いたと考えるなら、頭や顔および洋服にも同様に着いているはずである。こんなことをどう考えてマスクで予防できると信じているのか。手洗い、うがい、洗顔の方が予防効果は大であり、特に口や鼻から侵入してしまったウィルスは吐き出すしかないのである。すなわち頻回のうがいである。尤も、ウィルスが体内に入った場合は、その人の免疫細胞の反応に頼るしかない。中国では死者も出ているが、恐らく生活環境の低さ、日ごろの栄養状態の悪さなどにより、免疫機序の悪さから最悪の状況になったのではと推測するが、我が国の場合、帰国された感染者やバスの運転手のその後の状況がどの程度であったかを知りたいところである。恐らく、1週間程度の隔離、安静で改善しているのではと推測する。今、我々が知りたいのは日本人の場合、重症化しないのではという事実である。この報道が一切されていない。繰り返すが、今週、日本のどこかで複数の日本人在住者の感染者が複数出るかどうかがこの先を左右するものと考える。