『春』 1868-1873年

稲妻が照らし出したかのような超自然的な光景で、細かなタッチで樹木や草花が描かれています。ミレー最晩年の作品で、描写はしっかりした写実だが、一瞬の外光の反映を描いている点で、間もなく登場する印象派の先駆けとなった作品とみることもできるでしょう。
『木陰に座る羊飼いの女』 1872年

木もれ陽が少女の前掛けや森の地面に斑文を作っており、光の強い効果によって形態を崩していった印象派の手法へとミレーが近づいていることが解る。
変化を持った丹念な筆致と一様な柔らかい描写が光の動きを暗示している。画室内での制作であり、ミレーは一度も戸外制作を行っていないが、しかし印象派の主張の重要性はよく理解していたのである。
・続きは次回に・・・・。