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不思議活性

自分史4  本山博先生と私 7

 

     7

 まとめとして。モノの文明から心の文明へとして、本山博先生は、人類共通の心の場をつくることをあげています。

「人類はいま、歴史上かつてなかった高度の文明社会をつくり上げ、物質的には非常に豊かな時代を謳歌しています。しかも、単に豊かになったというだけではなく、交通や通信手段の発達によって世界は一つに結ばれ、少なくともモノの面から言えば、人類は地球を一つにした社会を形成するにいたったと言えるかも知れません。
 しかし、モノの面でこのような一体化が進んでいく反面で、まだまだ遅れているのが心の面での一体化です。
 前にもみたように自然の風土の違いは人々の生活パターンの違いを生み、それは思考パターンの違いとなって宗教ですらまったく違ったものが生まれます。つまり、物質的には地球社会が出来上がりつつあるとはいっても、精神生活の面では依然として大きな違いを内包したままの共同生活で、それが争いの元となる例は数え上げればきりがありません。
 
 こうした現状を乗り越え、人類が本当の意味で一つになるためには、心の面で、自然環境の違いをベースにして形成された日常生活や精神生活の原理を超える何か。つまり、すべての人類が共通して持つことのできる何かが必要です。言葉を換えれば、すべての人類に共通する心の広場、モノの文明に対する心の文明を新しく築いていかなければなりません。

 では、新しい心の文明=人類共通の心の広場とは、どのような方向を目指すべきなのでしょうか。
 私は、それは人類のひとりひとりが自分の感情や欲望をコントロールできるようになること。そして、物事をありのままに見てすべてが成り立っていくように動くことができることだと考えています。つまり霊的成長、それ以外にありません。
 これまで見てきたように、すべての争いの原因は人間が身体を持っていること、そしてモノの原理にしたがって動いていることにあります。もちろん、生きていくためにはそれは不可欠なのですが、しかし人間は身体だけでなく心を持っています。そして、心のありよう如何で、争いのない、言ってみれば神の国をこの世に実現させることができるのです。
 もうずいぶん前のことになりますが、たまたま私が国際会議のためアメリカに渡ったとき、空港の近くで飛行機が着陸に失敗して墜落する事故が起こりました。この時凍った川に投げ出された乗客の男性の一人が、他人を救命ボートに押し上げた後、自分は力尽きて死んでしまうというエピソードがありました。この場面はたまたま現場に居合わせた人がビデオで撮影し、日本でもテレビで放送されましたからご覧になった人も多いと思います。
 だれもが、自分の生命を守るためには他人のことなど構ってはいられない極限状況のなかで、自分を犠牲にして他人を助けたこの男性は、いわば神の愛を実践したのだと言えるでしょう。すべての人間のひとりひとりがこの男性のように振る舞えること。言葉を換えれば、ひとりひとりが他人を媒介することなく神とつながり、神の愛を体得して同じように思い、振る舞うことができるようになれば人間の心がモノを根源からコントロールする力を持ち、本当の世界平和が実現するのです。
 そのためには、従来の宗教のように教義を守る信仰を持つのではなく、ひとりひとりが自分の心を成長させていくこと、つまり直接神とのつながりを経験して神の愛を体得することが必要です。前に説明したような深い人間存在への理解をベースに組み立てられたヨーガの瞑想が、もっとも安全な近道だと言えるでしょう。
 ヨーガは、宗教としては決して一流の域まで洗練されたものだと言えません。しかし、人間には心と身体があり、そのどちらにポイントが偏っても心の成長は果たせない、つまり悟りは得られないと説いています。その観点から行法が組み立てられていますから、精神面を強調した行法にありがちな危険が非常に少ないのです。その意味では、行法として他の宗教よりはるかに優れた一流のものだと言えるでしょう。」

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 今は、2023年。私が本山博先生と初めて出会ってからまもなく四十五年です。思えば、本山博先生の教え、「ひとりひとりが自分の心を成長させていくこと、つまり直接神とのつながりを経験して神の愛を体得することが必要です。」を、いつでも心に描いています。2003年に、IARP会員でなくなった自分ですが、本山博先生との出会いとその教えは、いつまでも、人生の師として自分の心にあります。
 私は結婚してから、生活に追われる日々で、日々の瞑想から遠ざかることもありましたが、今日まで無事過ごせて来れたことは、心のなかにいつでも本山博先生の超作等の教えがあったからだと思うのです。長いこと働いた仕事もリタイアとなり、二年目です。これからは、少しでも周りの人の役にたてたらなと。そして、自分自身、日々、小さな幸せを感じられたなと思うのです・・・・。
 自分史ですが、改めて自分史として書くのはこれで終わりにしようと思います。いつも通り、自分の思ったことなどを気楽に書いていけたらなと、よろしくお願いいたします。


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