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不思議活性

エル・グレコ  2



      2

  『聖マルティヌスと乞食』

 解説より。
 騎士が自分の外套を乞食にやっている情景ですが、乞食の姿は裸で、何かほのぼのとした親しみや人間味を感じさせる白馬も裸なら、照り映える広大な空も裸だ。
 この歌の主題はもちろん愛である。伝説上の男と伝説上の馬の一対の両足から視線が上に移動して、二人の若者の一対の眼へ至り、それからさらに空と頭の一対の美に眼をとめる。次に観照者の視線は一転して急下降し、グレコが熱情を燃やした画面右下の核心に移る。
 すなわち、地平線を低く下げたエメラルドグリーンの風景がそれだ。そしてその地表のどまんなかに、上げられた馬の前足の白がにゅっと突き出されている。この部分にも観照者は眼を釘付けにされるのだが、ただし馬の足のように侵入するのではなく、グレコの詩とヴィジョンが横溢しているこのえもいわれない地点にしばしの間、定住するような気持ちで眺め入るのである。

 白馬の目の清らかでさめるような美しさには驚きです。そして、解説として、騎士の顔が、やや高慢で孤高的なところがあるとはいえ、やさしさと憂愁の面影を宿した若者の顔であり、キリスト教の精神性をあますことなく象徴していると同時に具体化したものでもあると。

・続きは次回に・・・・。
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