不思議活性

『趣味の部屋・詩と私』 hukoさんの詩より



『趣味の部屋・詩と私』 紹介詩: huko さんの詩より

DATE: 12/20/2011 07:08:06 AM

『ツインソウルの記憶』

どこから来たの
不思議な風よ
突然に零(こぼ)れ出る
微かな記憶よ
どこへ行くの

前々世より さらに遥か
幸運の星が
私を誘う

懐かしい星よ
あなたは何を知っているの 

『不思議な一体感』

いつのころからか
よくわからないが   
彼と話しているとき
彼の声は 
いつも
わたしのすぐそばで聞こえる
わたしのすぐ近くにある

声が 近い
ほかの人とは違う

こんな経験は初めて

彼のそばにいると
彼の心にふんわりと
包み込まれて
まるで
彼の心の中に
入りこんでしまっているようで
そして 
あたたかい

どうしてか理由などわからない  

彼の声が
わたしの喉もとで聞こえる
そのことだけがわかっていた

彼の話す言葉は
わたしの
心と身体の奥にスーッと入っていき
そして
忘れられなくなった                     

DATE: 12/20/2011 07:09:21 AM

『風の花びら』

駅まで続く
通いなれた並木道
目が潤むのは
澄んだ空気のせいだろうか

木々の間を風が舞う
肩をかすめ
てのひらに
ほんのり赤く
こぼれおち
たどれば滲む
風の花びら

木々の間を風が舞う
あの日のあなたを
今日のあなたを
見ているよ
精霊たちが
そっと微笑む

目が潤むのは
あなたたちのせいなの?

懐かしく並木を歩く

ただ秘かに
そこに存在(あ)る
静かな愛を感じて

『挽歌』

細かな雲が小波(さざなみ)をたてて
水色の海原が広がる
空のかなた

おとうさん
あの家はなくなったけど
想い出は
愛と心で生きている

おとうさん
人はみな
死んでも死なない
生きている

生きとおしの
想い出と
愛と心で生きている

どこまでも透き通る
秋の空より
かぎりなく
高く
遠く

この家を壊すくらいなら
死んだほうがましだ
そういって父は反対した
時が過ぎ
大洪水で3度も水底に埋もれ
数々の風雨にも耐え抜いた
築90年の家は
新たに百年住宅へと姿を変えた

もっと早く
賛成してやっていればよかった
隠居した父が母にもらした

欄間や床の間が
書院造りの違い棚が
形を変えて
新築の家に使用された

祖父の心が息づき
懐かしさが香るその家で
父は10か月を暮らした

中庭に父が植えた
松の木の
枝の向こうに
小波(さざなみ)をたてて
雲がたなびく

おとうさん

かぎりなく
空が青いよ

DATE: 03/09/2012 08:25:03 PM

『泡沫の花』

雨に打たれた 梅の
花に劣らず
小枝にきらり
凍りかけた水滴の花

『心の友』

ありがとうは
まだ
いえない

生きているの
姿かたちがそのままに
生きている人なの

誰かがいった
魂がとぎすまされて純真ならば
離れていても通じ合えると

こころで会えて お話できる
見るものすべてが輝いて

生きている 
ただそれだけで
うれしくて 幸せなの

でも
ほんとうは
心の奥では
会えるほうがいいと思ってる

肉体が消えてなどいない
生きている人ですもの

元気溌剌
仕事に邁進している
生きている人ですもの
       
DATE: 03/10/2012 08:24:50 PM

ふーちゃんさま♪
紹介していただいてありがとうございます。
『挽歌』という詩のことなんですが、先日やっぱり削除しよう、そう思って読み返したのですが、何だか胸にジーンと来るものがありました。それで、これはこれでいいんじゃないか、そう思えてきて、削除するのを取りやめました。その直後、サークルの方から気持ち玉をいただいたのです!とっても嬉しかったです。
                            huko

DATE: 03/19/2012 08:55:58 PM

『春はいいね!』

春はいいね
理屈ぬきでやって来る
春は嬉しいね
泣いていても笑っていても
無条件でやって来る

死んじゃったと思っていたメダカが生きていたの
急激に数が減っていったから
冬眠だとは思えなかったの
冬の初めにはとうとう2匹だけになった
その2匹が姿を見せなくなって数か月が過ぎた
すっかりあきらめてた
春は嬉しいね
2匹が生きていたの
元気にごはんを食べてくれた
すごいね、メダカは
水面下で じっと
春を待っていたんだ

ふしぎだね 
春のエネルギー
わたしにだって
何か出来そう
そんな気がしてくるの

DATE: 04/19/2012 07:41:26 AM

『花の種ほどの』

ひまわりの種から
バラの花は咲かぬ
どの花も
よそ見をしないでまっしぐら

頑固でも
偏屈でも
風変りでも
一度は
ひと粒の花の種
心に植え付け
とことん貫き通してみたい

DATE: 04/20/2012 11:38:08 AM

素敵な詩ですね。
わたしたちは なるものにしかなれませんものね。
どんなふうに 生きても必ずなるものになります。
自分を大事に愛して生きたいと思います。
                         とおこ

DATE: 04/22/2012 10:33:42 AM

花の種の中に強い意志を感じます。互いに競い合いながらも、それぞれがそれぞれの花を咲かせることに邁進している。素敵だなって思います。
                           huko
DATE: 05/16/2012 06:44:32 PM

『ヘリコプター』

車から降りて空を見あげた
ヘリコプターが近づいてくる
手が届きそうなくらい低く

見て!
ヘリコプターよ!
いつも見ているだろ、どうしたの?
うん、こんなに大きく見えるのは
初めてだから

嬉しくなって空を見あげた
懐かしい人たちの顔が見える
あの顔この顔
みんなを乗せて
ヘリコプターが飛んでいく

懐かしい場所
戻らない日々
逝ってしまった人
みんな乗せて
ヘリコプターが飛んでいく

わたしの頭上で
大きく旋回し
小山の向こうへ飛んでいった

涙が出てきた

手の届かない空の果てにも
刻々と
時間(とき)は流れているのだ


DATE: 07/20/2012 06:23:52 AM

『風と私』

Wind Flower (アネモネ)

今日も見ることができるだろうか? 
通いなれたこの並木道で見かけた
あの風の花びら
ほんのり赤く色づいて
手のひらに零れ落ち 
滲んで消えていった

見えたのはほんの一瞬だったが、確かにこの手に掴めた気がした。

今日もまた、あの日と同じ。木々の間を風が舞う。
でも今日はどこか違うようだ。見慣れた風景がいつもとは違う、そんな気がした。
今日は見られないのだろうか?  

風子は心を澄まして並木を歩いた。
木立を通り抜け、しばらく行くと小高い丘に出た。

ここは初めてだわ…
アネモネの庭園と花畑が広がっている
こんな近くにアネモネが咲いているなんて…
以前からあったのかしら?
気がつかなかったわ

優しい風に花を咲かせ、再び風を受けると散るというアネモネ
美しく儚い花、アネモネ
もしかしたら、あの風の花びらは、このアネモネだったのかしら?
風子は懐かしいときめきを感じて花園に近づいていった。

ああ、アネモネ、あなたに会えるなんて! 
こんなところで会えるなんて! 
わたしはあなたに会いたかったの、会いたかったのよ。
わたしね、以前‘花の種ほどの’という詩を書いたの。
でも最近になって、その詩に言葉を付け足したくなった。
ひっそりと咲く花と、たくさん集まって賑やかに咲く花を
手短に表現したいなと思って。
そのとき一番最初に浮かんできたのが、
一輪花(いちりんばな)という言葉だったのよ。
素敵でしょ、一輪花。
最終的には、この言葉は使わなかったけど、でもね、

一輪花、一輪草…、なんて素敵な響きなんでしょう! 

すぐに気に入ったの。それから図鑑で調べたわ。

「一輪草」って、あなたのことだったのね。
「風の花」という意味があるのね。
それを知ったとき、わたし、これはもう偶然ではないと思った。
なぜなら、「風」はわたしの分身のようなものだからよ。
メールのタイトルには「風」を付けてるし、わたしの名は「風子」、
他にもいろいろなところに「風」を使っているの。
インスピレーションで、あなたの名まえが浮かんできて、ホントによかった…!
そして、今日、会えたのも!

風子はアネモネの花びらを優しく撫でた。
すると、花畑の中からひとりの青年が現れた。
美しい顔立ちで、まるで少女のよう。優しく微笑んで近づいてきた。

「お待ちしていましたよ」
「わたしを?」
「ええ、もう見えるころだと思っていました」
「まあ、わたしはここは初めてです」
「ええ、でもわたしはあなたを何度も見かけています」
花の中から現れた青年、まるで妖精みたいだ。
「わたしを知っているの? あなたはどなた?」
「アドニスです。こんにちは、風子さん。わたしはここで花の番をしているのです」

DATE: 05/05/2014 07:56:19 PM

『遊歩道にて』

家の近くに遊歩道を見つけた

犬のお散歩もバイクの乗り入れも禁止
ごみ一つ落ちていない土の道に
一歩 足を踏み入れると
両脇に植えこまれた クスノキ 桜 ツツジ 紫陽花など
季節の植物が歩調を合わせるかのように光りに揺れる
木々の間に置かれたアンティークなベンチが
日常を忘れさせてくれる

車をやめて8年になる今春
目的の無い道を歩く楽しさを初めて知った

自宅から徒歩3分のその場所は
17年もの間 気づかなかった

車で素通りして見過ごしたものは どんなにか多いことだろう
そんなたくさんの「取りこぼし」を 今 
10分間の小道で拾い集めている

DATE: 05/06/2016 10:04:08 AM

『ツインソウルの世界』

風が扉を開けて 
新たな風を呼ぶ

わたしに元気とエネルギーを
補給してくれる

常識の世界のことではない 
気の所為でもない
確かに存在するのだ
研ぎ澄まされた心の目に
真実の世界が広がる

本当に 見えたのだ
薄気味悪いと罵られても 
気にはしない

扉の向こう 
遥か彼方から届いた
懐かしい風

風は匂いとなり
匂いは気配に
気配は懐かしい人と現る

研ぎ澄まされた感性に
もう一つの現実の世界が見えてくる

・ブログ「小さな預言者」hukoさんの詩の紹介でしたが、読み返してみると、hukoさんの詩の何気ない純粋さに心洗われます。思えばhukoさんとは、詩と私の仲間で、現在もブログを更新していて元気をもらいます。十年ひと昔といいますが、ときどき、時間って何なんだろう、この世に生きていくって何なんだろうと思います。でも、こうして、詩の仲間たちの一篇の詩に出会えること、それは、確かに生きていることの証でもあるのです。



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コメント一覧

ふー
eriさん、コメントありがとうございます。思えば、詩と私の仲間として出会ってからだいぶたっているんですね。それぞれにいる場所はちがっても、こうして話が出来ることうれしいです。またそれぞれのブログ訪問で、いつも元気をもらいます。詩っていいですね。
eri
ふーちゃん、こんにちは。

最新の記事まで、ゆっくりと目を通させていただきました。
ご健筆、何よりです。こうして訪問させていただけること、
うれしく思います。

早いもので、前ブログ閉鎖まで、あと2ヶ月をきってしまいましたね。記事にあげられているhukoさんの作品群は、人の姿の中にある心から、もっと深く奥にある魂を見つめているような想いが伝わってきます。色眼鏡をかけることなく、雨上がりの草の上にころがる雫のように純粋で・・・。心洗われる思いになります。
特に「ヘリコプター」という作品には、ジーンとくるものがあって、印象深い作品になっています。

作品からあふれてくるように、hukoさんは、出会いを大切にされる方。サークルはなくなってしまっても、常に仲間に対する優しさは変わらず。hukoさんに出会えてよかったなと思います。

そして、主宰者のふーちゃん。たくさんのいい思い出をありがとうございます。それぞれにいる場所はちがいますが、これからもよろしくどうぞ。
ふー
hukoさん、コメントありがとうございます。詩の世界っていいですね。現実でありながら、その現実を超えた何かを感じることが出来るって。goo blog になって間もなく250日。goo blog の仲間も、それぞれ個性があって楽しいです。
hukoさん、これからも「小さな予言者」楽しみです。いつも、元気をありがとうございます。
huko
ふーちゃん こんばんは。
拙い詩を取り上げてくださりありがとうございます。
ブログを始めたばかり、詩のようなものを書くのも初めてでした。10年。やっと自分の世界を書けるようになった気がします。
サークルはなくなりましたが、ふーちゃんのおかげで、今もこうして「立ち寄る場所」があること、とても嬉しいです。

 eriさんがブログを再開され、ほっとしましたね。
 
 私のブログはコメント欄を閉じていて、訪問していただいているのに申し訳ないです。(しばらく様子を見ています)

 これからも更新を楽しみにしています!
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