6月22日(金)13時30分~東京地裁13階の民事11部において、弁論準備のためのラウンドテーブルが行われました。
記念会の出席者は前回と同様、弁護士2名と経営コンサルタント1名でした。記念会の理事者はどなたも出席されませんでした。原告側は弁護士2名のほか、原告および組合役員など5名が出席しました。以下、現在の裁判の進捗状況をご報告します。
1.婦選会館の耐震問題について―既存設計図などの添付書類一式を入手
被告は昨年の退職勧奨後の団体交渉において、耐震診断結果の報告書の写しの交付をかたくなに拒んできました。被告は裁判に入って、まず「婦選会館耐震診断報告書」(乙ー4号証)を提出しました。これには4つの添付書類がありますが、これらの書類については提出がなく、原告は専門家に意見書作成を依頼するにあたり任意提出を求めました。こうして原告は解雇から10ヶ月の後にやっと「既存設計図書」「現地建物調査資料」「耐震診断計算書」(現状)「耐震診断計算書」(補強案)がそろった「婦選会館耐震診断報告書」を見ることができました。
2.耐震補強工事について―準備書面(2)で求釈明
乙ー7号証(仁科建築士作成の2006年5月26日付「婦選会館 建物耐震診断結果のご報告」)に記述のある下記の各々の費用について、その根拠となる見積明細書かあるいは算出方法について原告側準備書面(2)を提出し求釈明を行いました。ラウンドテーブルではこれについて早急に検討するように被告側に求めました。
「D.耐震補強工事費及びそれに伴う内外装・設備更新工事費等の目安について」
1.耐震補強工事費・・・・・・・・1,000万円
2.内外装改修工事費・・・・・・7,500万円
3.設備機器更新工事費・・・・・8,000万円
4.エレベーター新設工事費・・・・800万円
5.IT化工事費・・・・・・・・・・・・・・・1,800万円
必要とする概算総額の目安(最低限)1億9100万円
3.証人申請
被告側は山口常務理事1名、原告側は原告2名の証拠申出書を提出。
4.次回期日
次回は7月24日15時30分~弁論準備です。原告側はこの日より前に、専門家に依頼した耐震と財務状況についての意見書を二つ提出します。
これまでの裁判の経緯は、「市川房枝記念会くみあいニュース」のURLもごらんください。http://www.mndds.com/fusen/
婦選会館(上記写真)は、今のところ無事です。でも何が起こるか油断できません。『女性展望5月号』の最後のページには、「婦選会館は、近隣周辺地域の開発問題が新たに浮上し、耐震補強・改修工事の資金調達問題もあり、当面は着工を予定していませんが、引き続き調査、検討を行ってまいります」と記述されています。
創設者が広く募金をあつめて建築し、長い間、たくさんの人たちの心の支えとなってきた会館を閉鎖し、職員を切り捨てて、被告財団は将来構想をどのように描いているのでしょうか。