市川房枝記念会の未来を語る会

婦選会館利用者、維持員、女性展望購読者、ボランティア、講師、職員、女性運動家、女性ユニオン組合員で語ろう未来を!

第2回 弁論準備(6月22日)の報告

2007-06-24 | Weblog

 6月22日(金)13時30分~東京地裁13階の民事11部において、弁論準備のためのラウンドテーブルが行われました。

 記念会の出席者は前回と同様、弁護士2名と経営コンサルタント1名でした。記念会の理事者はどなたも出席されませんでした。原告側は弁護士2名のほか、原告および組合役員など5名が出席しました。以下、現在の裁判の進捗状況をご報告します。

1.婦選会館の耐震問題について―既存設計図などの添付書類一式を入手

  被告は昨年の退職勧奨後の団体交渉において、耐震診断結果の報告書の写しの交付をかたくなに拒んできました。被告は裁判に入って、まず「婦選会館耐震診断報告書」(乙ー4号証)を提出しました。これには4つの添付書類がありますが、これらの書類については提出がなく、原告は専門家に意見書作成を依頼するにあたり任意提出を求めました。こうして原告は解雇から10ヶ月の後にやっと「既存設計図書」「現地建物調査資料」「耐震診断計算書」(現状)「耐震診断計算書」(補強案)がそろった「婦選会館耐震診断報告書」を見ることができました。

2.耐震補強工事について―準備書面(2)で求釈明

 乙ー7号証(仁科建築士作成の2006年5月26日付「婦選会館 建物耐震診断結果のご報告」)に記述のある下記の各々の費用について、その根拠となる見積明細書かあるいは算出方法について原告側準備書面(2)を提出し求釈明を行いました。ラウンドテーブルではこれについて早急に検討するように被告側に求めました。

「D.耐震補強工事費及びそれに伴う内外装・設備更新工事費等の目安について」

1.耐震補強工事費・・・・・・・・1,000万円

2.内外装改修工事費・・・・・・7,500万円

3.設備機器更新工事費・・・・・8,000万円

4.エレベーター新設工事費・・・・800万円

5.IT化工事費・・・・・・・・・・・・・・・1,800万円

必要とする概算総額の目安(最低限)1億9100万円

3.証人申請

 被告側は山口常務理事1名、原告側は原告2名の証拠申出書を提出。

4.次回期日

  次回は7月24日15時30分~弁論準備です。原告側はこの日より前に、専門家に依頼した耐震と財務状況についての意見書を二つ提出します。

 これまでの裁判の経緯は、「市川房枝記念会くみあいニュース」のURLもごらんください。http://www.mndds.com/fusen/

  婦選会館(上記写真)は、今のところ無事です。でも何が起こるか油断できません。『女性展望5月号』の最後のページには、「婦選会館は、近隣周辺地域の開発問題が新たに浮上し、耐震補強・改修工事の資金調達問題もあり、当面は着工を予定していませんが、引き続き調査、検討を行ってまいります」と記述されています。

 創設者が広く募金をあつめて建築し、長い間、たくさんの人たちの心の支えとなってきた会館を閉鎖し、職員を切り捨てて、被告財団は将来構想をどのように描いているのでしょうか。

 

  


4月27日 進行協議&地裁前ビラまき報告

2007-04-27 | Weblog

 本日13時30分より、東京地裁13階の民事11部において、立証計画(人証調べ)のための進行協議が行われました。これに先立ち、東京地裁前で12時45分~ビラまき街頭行動を行いました。ビラの受け取りが大変よく、あっという間にビラがはけました。ビラづくりを手伝ってくださった仲間たち、応援にかけつけてくださったみなさま、カンパを届けてくださった支援者のみなさま、本当にありがとうございました!

 さて、13時30分からの進行協議は、土田昭彦裁判官が3月末で異動になったために、新しく村越裁判官をはさんでの協議となりました(東京地裁のHPが更新されていないので、フルネームは分かりません)。原告側は弁護士3名と原告および組合役員、被告(記念会)は弁護士2名と経営顧問のT氏が出席しました。常務理事は欠席でした。

 原告側は4月20日付で立証計画を裁判所と被告側に送付しましたが、被告は立証計画を出していませんでした。その点を、原告側が質したところ、4月25日付「意見書」という書面が裁判所に出されていることがわかり、その場でコピーを受け取りました。原告側が求めた人証は、原告2名のほか被告財団の理事長です。これに対し被告側は「理事長の尋問は不要」として、常務理事のみの尋問を主張しています。

 今後の予定は、原告側が準備している財務分析と耐震診断報告についての意見書を想定し、人証の陳述書を6月22日までに用意することになりました。

   次回期日は6月22日(金)13時30分~ 弁論準備 

 

 


第3回公判(3月12日)の報告と次回日程

2007-03-26 | Weblog

 お忙しい中、第3回公判の傍聴に来ていただきありがとうございました。この日、原告側代理人より、双方の主張がおおよそ出されたので、立証計画(証人尋問の計画)に入るように裁判官に主張し、被告側はこれを了承しました。

 従って、次回公判は地裁13階で立証計画についての進行協議になります。

        第4回期日:4月27日13時30分 東京地裁13階

 どうぞ、ご支援ください!


第3回公判・報告集会は3月12日(月)です!

2007-03-10 | Weblog

      

   市川房枝記念会不当解雇撤回裁判 第3回公判

     3月12日(月)午後1時10分  

  東京地方裁判所 710号法廷

 

被告側(記念会)から準備書面(1)が出てきました。

詳細は、当日、裁判所で!

 

報告集会のお知らせ

市川房枝記念会で何が起こっているのか

なし崩しにさせない! 整理解雇の4要件

 

日時: 3月12日(月)18:30~21:00

場所:東京しごとセンター 5階 第2セミナー室

http://www.tokyoshigoto.jp/traffic.php

主催 市川房枝ルネッサンス

 

 

 


第2回公判(1月29日)傍聴ありがとうございます!

2007-02-03 | Weblog

  1月29日(月)は第2回公判の日でした。裁判資料などでずっしり重いかばんをかかえて、正午前に裁判所に到着。解雇にいたる経緯をお伝えしていなかった友人と昼食をともにしました。

  食堂でお昼を食べながら、ひとしきり話して710号法廷に向かう途中、傍聴に来てくれた叔母とすれ違いました。週刊朝日で私たちの解雇事件を知って傍聴に来てくれたのです。記念会の古い維持員でもある叔母の親友も一緒にきてくれました。「先に上がっているから」と伝えて710号法廷へ。

 さて、710号法廷は、1時15分の同じ時刻に三件の事件が並んでいました。最初の事件は誰もいない中で判決が読み上げられ、次の事件が私たちでした。弁護士さんが原告の席について、私たちは、その後ろに待機。記念会側は、弁護士2名と経営コンサルタント、そして常務理事、評議員のHさんで前回と同じメンバーです。

 ところで、叔母の姿が見えないので、どうしたのかと思ったら、なんと705法廷に入ってしまったとのこと。法廷の部屋番号は分かりにくいのです。最後の2分位は傍聴できたようですが。

 いずれにしても、書面の確認と次回の日程を入れることで、公判は5分で終わってしまいましたので、終わってから駆けつけてくださった方もおられました。30部用意した公判資料が足りなかったので、35人位は駆けつけてくださったようです。本当に、ありがとうございました。記念会評議員のHさんも、法廷を出る際に、「もっと、ちゃんとやってほしいよね」と声をかけてくれました。

 公判の後には、短い報告会を行いました。「いつからこんなことが起こったの?」「将来構想検討委員会のことは、発表されなかったの?」「他の方は納得してやめたの?」「間に入って話しをまとめてくれる人はいなかったの?」など、いろんな意見が出ました。こんな理不尽なこと、許せないという声が本当にうれしいです。

 この日は、2時から、従軍慰安婦の戦犯法廷を報じた番組が政治介入によって内容を改変された事件の高裁判決があり、一審敗訴から逆転勝訴するという画期的なことがありました。原告のMさんも法廷をはしごして、勝訴を喜んでいました。

 次回第3回公判は、3月12日午後1時10分、710号法廷です。3月5日までには、今回原告側が提出した準備書面(1)に対する反論が出ます。また、同日夜に、市川房枝ルネッサンス主催の報告&討論集会を開くことにしました。場所は、提訴記念集会と同じ、飯田橋のしごとセンターのセミナー室です。ぜひ、たくさんの方のご参加をお待ちしています。

                                 くみあいニュースWEB担当

 

 

 

 

 


婦選会館の建築(1962)について

2007-01-27 | Weblog

 このほど、準備書面(1)の作成に当たり、『女性展望』の前身である『婦人界展望』の巻末、『研究所だより』を読んで、いろいろと学ぶことがありました。

毎号、「婦選会館の改築について」が掲載されており、三千万円の募金を呼びかけているのです。「一口一万円、3千口募金」とあり、1960年当時の一万円とは、今の幾らぐらいになるでしょうか。

そして、5月号には会館建設委員会のメンバーが紹介されています。

委員長 市川房枝

副委員長 上代たの、平林たい子、藤田たき、宮城タマヨ、村岡花子

会計   竹内茂代、小池順子、渡辺松子

そして、実行委員は34名。

6月号には外観予想図が掲載されています。

重要なことは、2月号、3月号、11月号と、「婦選会館の使途」が明記されていることです。つまり、下記のような使途に会館を使いますから、一口一万円をお願いします、と募っているのです。

<婦選会館の使途>

1.一般婦人の政治教育のための、常設の講座の開設。

2.婦人の政治教育指導者養成のための、常設の講習会の開催。

3.婦人の政治教育についての各国婦人団体との連絡及び交流。

4.日本婦人参政権運動資料の保存、展示。

5.婦人関係の資料及び図書の書庫、閲覧室、研究室。

6.婦人問題研究所、日本婦人有権者同盟、理想選挙普及会、及び汎太平洋東南アジア婦人協会日本委員会の事務所。

7.前記団体及び主として婦人団体の集会室。

8.講習会及び関係団体会員上京の際の宿泊室。

  上記の「婦選会館の使途」を見ると、1,2が政治教育の講座関係であり、6には、日本婦人有権者同盟が入っています。新しい婦選会館の中には、同盟の事務所が入ることが前提であったことが分かります。にもかかわらず、記念会は何ゆえ、政治教育の講座をいとも簡単になくし、日本婦人有権者同盟に婦選会館からの退去を求めているのでしょう。理解できません。

しかも、3月号には、当時の婦人問題研究所の理事長は市川房枝、所長は藤田たき、同盟の会長は藤田たき、理想選挙普及会の代表幹事は市川房枝となっており、婦人問題研究所と同盟は一体であったことがうかがえます。

 婦選会館の使途を変えるのならば、会館の建設、全館増改築にかかわった方々の意向を裏切らないようにすることはもちろんですし、長年、会館を支えてきた方々の意見を聞くことは、重要であったはずです。

 新しい会館建築に燃えていた当時の『婦人界展望』の最後の頁は、新館建設の決意に満ち、女性たちに協力を求めており、大変力強いものです。職員2名の解雇を毎号の巻末で正当化している現在の『女性展望』と比べて、この天と地ほどの違いは何だろうと考え込んでしまうのです。

                                  くみあいニュースWEB担当

 

  


第2回公判は1月29日(月)

2007-01-27 | Weblog

 

    第2回公判 1月29日(月)午後1時15分

            東京地裁710号法廷

                         営団地下鉄霞ヶ関下車A1出口  

  いよいよ、第2回公判が目前に近づきました。ぜひ、応援にきてください。前回被告から出された答弁書に対して、こちらから準備書面(1)を提出しました。使用者側の一方的な都合で事業所を閉鎖し、事業をストップさせて、職員を解雇するようなことは、公益法人の公益性(市川房枝記念会の場合は、寄付行為の目的に掲げている「女性の政治的教養の向上と、公明選挙、理想選挙の普及徹底を図り、日本の民主主義政治の基礎を築くとともに、婦人問題、婦人運動の調査研究を行い、日本婦人の地位を向上せしめること」)に反するし、整理解雇の4要件を一つも満たしておらず、組合を無視していることを具体的に主張しました。

 裁判が終わった後、簡単な報告会をもちますので、こちらにもご参加ください。

                                  くみあいニュースWEB担当

  

 


小さな光・・・働く女性の全国センターの発足

2007-01-21 | Weblog

 昨日、水道橋の韓国YMCAで「働く女性の全国センター・ACW2」の発足記念イベントが開催されました。会場は全国から集まった約200名の参加者で溢れ、静かな決意が会場を満たしていました。

 ゲストトークは田中美津さん(鍼灸師)の「身体からみた現代労働事情」。大学時代に何度かお会いして以来、25年か26年ぶりでしょうか。でも、一目で「あっ、元気そう」とピンと通じるのが不思議です。

 美津さんは、治療を通して女性の身体がひどくなる一方であると実感していました。そして、免疫力とは、「ストレスと冷え」をどう防ぐかだそうです。不当な労働条件に対して立ち上がるためには、身体の力がなくてはたたかえないとも。心しましょう。

 冒頭に美津さんは、「今日は本当にうれしい。小さな光を感じます。人の痛みに対して差し出す手です。痛いといっている人に駆け寄るセンターができた。涙が出るほどうれしい。」と発言されました。

 この言葉を聞いて、記念会に決定的に足りなかったことに気がつきました。「人の痛みに対して手を差し出すこと」です。女性に対する支援機関が「人の痛みに対して手を差し出す」ことを率先して行うのは当然なのに、なぜ欠如してしまったのか。

 私は、3分間リレートークの10人のスピーカーの一人として、「整理解雇を許さない」というテーマで訴えました。発表前に、色画用紙を渡されて、訴えたいことを書いて話すようにといわれましたので、「人間不在とのたたかい」と書きました。耐震診断の発表からわずか2ヶ月の間に、職員の生活と労働基本権、500人の受講生の生きがい、維持員の信頼と希望などを奪って会館から人が消えたのです。このような「人間不在」を招いたものは何なのか、裁判で追及したいとアピールしました。

 集会のあとで、古い友人たちや、これまでお目かかることができなかった数多くの方が声をかけてくれました。ありがとうございました。大変元気にたたかっていますので、大丈夫です。時間があったら裁判にお出かけください!

 デトロイトからかけつけたハイディさんが、「女性の力で世界を変えることができる、女性の力で世界を変えよう「、と皆を励まし、田中かず子さんは、「今日の日を絶対に忘れません」と、ACW2の発足を賞賛しました。

本当に、働く女性の全国センター(ACW2)、発足おめでとう!http://acw2.org/

                                  くみあいニュースWEB担当


理想選挙はなぜ必要か

2007-01-16 | Weblog

今年は選挙の年。年明け早々、マスコミが宣伝しています。そこで市川房枝さんが生涯をかけて「理想選挙」を主張したのはなぜだろうと、昔もらったB4裏表の四つ折りパンフレット「理想選挙とは」(昭和54年2月 理想選挙推進市民の会発行)を見てみました。

 表紙に、「市川房枝さんにほれるセガレの成長は健全だと思うよ」の挿絵(毎日新聞昭和49年5月29日)があり、中を開くと、「選挙に際し有権者のみなさんへ」との市川房枝さんの言葉があります。統一地方選挙の前に、有権者に理想選挙を呼びかけたものです。

「理想選挙とは民主主義政治の下で、その根本である選挙の、理想的な考え方、あり方を申します。私は約60年前の大正8年から、婦人にも選挙権、被選挙権を与えてほしいという、いわゆる婦人参政権の要求運動をしてきました。それで男だけの当時の選挙で推薦応援をしたこともあり、また選挙粛正運動もしてきました。その間に私自身として選挙のあるべき姿が、かたちづくられました。当時の選挙は形だけで法は無視され、金のある人、野心家が議員となり、政治家となって勝手なことをしているといった状態でした。これは民主主義ではない。政治を一般民衆のものにしなければならないとの考え方、やり方を、具体的に現在の選挙にあてはめ理想選挙とよぶことにしました」

「(自治省の明るい選挙推進委員会の運動の)、その効果はほとんどあがらず、選挙違反は増加し、選挙費用はますます増大し、金のある人、金持ちや財界のスポンサーのある人が当選する。よい人物でも金のない人は立候補できないし、したがって当選しない。それで政治は一般国民のものでなく、政界、財界、官界のゆ着を生じ、ロッキードからグラマン・ダグラス事件の発生をみるにいたりました。私のいう理想選挙を実行するためには、まず有権者のみなさんが―数名でよい―自分達の代表を出したい、そのために努力しようと決意することが第一です。」(「①理想選挙の歴史と意義」より)

「理想選挙」の具体的方法については、『出たい人より出したい人を!市川房枝たちの理想選挙』(理想選挙推進市民の会編著)に詳しく書かれています。

 市川房枝さんが長年理総選挙を提唱してきた理由、それは「政治を一般の人々のものにしなければならない」との基本的な考え方があったからです。金持ちに牛耳られてはいけない、政界、財界、官界のゆ着があってはならないという信念は、金権腐敗をつぶさに見て来たからだと思います。

 今でも、政界、財界、官界のゆ着はなくなるどころか、政治は一般の人々の切実な要求から乖離するばかりで、なりふり構わずに、弱き者を苦しめる政策がまかり通っています。そんなときに、記念会は政治教育をやめてどうするというのでしょう。

                                  くみあいニュースWEB担当

 

 


2007年が来てしまった!

2007-01-16 | Weblog

 

 悪夢の2006年は過ぎ去り、2007年が来てしまいました!

 今年もどうぞよろしくお願いします!

 2006年は、私たちを支えていただきありがとうございました。

  年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。私は、お正月はほぼ毎年、北海道で過ごしています。私の実家ではなく、パートナーの実家に一緒に帰省するからです。今年は雪が少なくて驚きました。道路の雪がとけてびしゃびしゃなのです。こんなに雪が少なかったら夏に旱魃になるんじゃないか、農作物に被害がでるのではと心配する声がありました。ヨーロッパやアメリカでも暖冬のようで、今年も異常気象が猛威を振るうことになるのでしょうか。

  そんなわけで、年始のご挨拶が遅くなりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。年末年始の間、会館は無事かと大変心配でしたが、9日に行ってみてそのまま変化がなかったので大変安心しました。皆さんもどうかご安心ください。まさか、と思うことを記念会はこれまで堂々とやってのけていますので、油断は出来ません。これからも皆で見守りましょう。

                                             原告 0