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2022年2月の日記

通常2月は「逃げる」と言って
あっという間に過ぎ去ってしまうものだけれど、
今年の2月は濃いいい2月で
おおやっと3月が来る。という感じ。

1月の終わりに
1月の日記で載せた郷土玩具の絵が
Instagramで
私にしては凄く拡散されて
いわゆるバズった状態に。
普段のインプレッションが400とか500とかだったのが
15万とかになって
Instagramから
お仕事がチラホラ入るようになった。ありがたやありがたや。

とてもこのところ暇だったのが、
それとともに
以前からの仕事もちょこっとやってきて
昼は仕事の絵を描き、
夜はInstagram用の絵を描く日々。

セツ(という絵の学校)の時に
歌舞伎の絵を誰に見せるでもなく
夜な夜な描きまくってた頃に
匹敵するくらい描きまくっている。
結構楽しい。

Twitterでは全然反応がないので
不思議だなあ。

歌舞伎の絵は
その後イラストレーション誌の「チョイス」という
公募に入り、絵の仕事を始める
大きなきっかけになったのだけれど、
あの頃、もしSNSがあって
楽しく描きまくっていた
歌舞伎の絵を公開したとしたら、
多分なんの反応もなくて凹んで
その後イラストレーターになることも無かったかも
しれないなとも思ったり。

そうして心折れて
絵を描くことをやめてしまった人が沢山いるんだろうな
と思うと同時に、
SNSで本当に沢山のめちゃくちゃ絵の上手な人たちが発信している中で
イラストレーターとして
やっていくには
今までとは違う時代に入ったなとも
実感として感じる今日この頃です。


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今月読んだ本

「バター」柚木麻子

木嶋佳苗の事件をモデルに
すこしフィクション化した話。
主人公は週刊誌の記者。
事件を追う物語というより
とにかく、とにかく食べ物の話を
濃厚にバターをふんだんに使いながら
こってりとした料理をひたすら読むイメージ。
しっかりした話で
グイグイ読ませられるエンターテインメント小説。
すごかった。夢中になって読んだ。
でもエンターテインメント小説
やっぱりそんなに好きじゃないんだなとも思ってしまう。
その時は楽しいのだけれど
再読したいとか手元に置きたいとかは思わないんだなあ。

そういう意味では
やっぱり大好きな梨木香歩。
今月は
「沼地のある森を抜けて」と「ピスタチオ」を読んだ。

「沼地のある森を抜けて」
はぬか漬けから続々と人が現れてくるという
謎すぎる話。
話が突拍子もなさすぎるし
展開も強引すぎるんだけど、
命とは
生きてるとは
繁殖するとは
死ぬとは
なぜ細胞分裂のように続々と増えていく方法から
面倒くさい、繁殖、誕生、死という
段階を踏まなければならないのかということを主題に掲げていて
読んでいるうちに
この突拍子もなさに
この主題からよくたどり着いたな、
と感服してしまった。
しかしめちゃくちゃだ。

「ピスタチオ」は
アフリカの呪術医の話。
主人公は小説などは書かない
署名記事をすこし書くライター。
冒頭、飼っている犬が病気になる描写は
猫を飼っているのでとてもこたえた。
そんな悪くなる前に病院につれて行けばいいのに!
そして病院でちょっとひどい扱いをされるとか
無くてもいいのでは。。とか思ってしまった。
その犬の病気も
アフリカでの呪術医との
会話で色々前後が明らかになる。

最後にそのライターの書いた設定の
短い話がおもしろかった。


その後、他の小説家の方の本を
何冊か読んでいるものの
あまりしっくりこず読み進められずにいる。

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グランマ・モーゼスの展示に行った。
素晴らしかった。
彼女はおばあさんになってから絵を描き始めたから
有名になった人では
なく、どんなかたちであれ
絵を描いたのであればどこかで有名になったのではないか。

色の綺麗さ構図も練られていて
見ていて気持ちが落ち着くし
じんわりと温かくなる。
もともと大ファンだったが
もっとファンになった。
世界中に散らばった作品たちが
久しぶり!とひと所に集まっている感じもして
それもなんだか感動した。


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仁左衛門さん一世一代の
「知盛」を見に行く。
その日は仕事の締め切りで
朝、絵を届けてから
家に帰り、着物を着付けて
歌舞伎座に行くという
強行スケジュールだったけれど、
本当に本当に行ってよかった。
家人が急に行きたいと言い出して、
見に行く直前にチケットを見たら
一等の前から6列目の席のまん真ん中がポッカリ空いていて
奮発してしまった。

仁左衛門さんはもう登場からなにから
全然ちがう。
大きい、かっこいい。
演技の質がまるで違う。どや!すごいだろ!感がまるでない。
上っ面だけセリフを言っているのではなく、
芯で捉えて
こうするしかないからやっているという
凄みが最高だった。あらゆる動きもどれを切り取っても
素晴らしい。
そしてそれを支える息子の孝太郎さんの女房役も
こんなに素敵な役者さんだったのか!と思うほど素晴らしかった。
やー感動したなあ。
素晴らしかった。本当に素晴らしかった。
あれが本当に人間国宝というやつだ。
宝だ。

その前の幕でみた
孫の千之助くんが
とびきりの静御前でこれまたびっくり。
きれいで踊りも上手でとにかく色気がすごい。

片岡家の松嶋屋三代がとにかく素晴らしかった。

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雪の日にはフジファブリックのライブを
LINECUBE渋谷、旧渋谷公会堂に見に行った。
時々ものすごいライブをされて
脳天からどかーんとなるのだけれど、
今回はそんなライブだった。
雪でもコロナでも行ってよかった。本当によかった。

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そしてなんといってもロシアとウクライナの
戦争が始まってしまった。

家人がミャンマー旅行に誘われいたのを断った直後
クーデターが起きたり、
大好きで一人旅もした香港で
ひどいことが起きたり、
大好きな美味しい料理が沢山ある
ウイグルでの酷いことが起きている。
世界中の空気の流れがとうとう
ここまで来てしまった。

Instagramの絵も、のほほんと描いていられないような
何を描けばいいのか悶々とする。

とにかく戦争は反対です。



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