Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

Fuquaで学ぶビジネスと社会と地球環境の関係(サステナビリティ)

2009-10-27 13:00:00 | その他

すでにFall 1 Termが終わってしまいましたが、はじめまして! First Yearcozyです。

まずは自己紹介から。日系通信会社で主に営業職を約5年、外資系ITサービス会社で主に企画職を10年半務めた後、仕事を辞めて妻と6歳息子と3歳娘(いずれも渡米時)を連れての私費留学にやってきました。興味分野は企業のサステナビリティ、企業の社会的責任、社会的企業・起業。ということで私からの投稿は、30代後半からの私費留学、妻と子どもたちにとってのアメリカ生活、Fuquaで学ぶビジネスと社会と地球環境の関係(「サステナビリティ」でくくっちゃいます)といったあたりの切り口を中心にしていこうと思います。

さて、今日はサステナビリティの話を。私がFuquaを志した最大の理由はこの分野のリソースがとても充実していることにあるのですが、実際に来てみると本当にすごいです。その一例として、これまで話を聞く機会があったこの方面の関係者(紙面の都合上そのごく一部)を紹介します。

·         Burts BeesPresident & CEOJohn Replogle
日本でも売ってる体にやさしいリップクリームを製造する社会的企業のCEO。氏はHBSMBAでものすごい迫力なのですが、そんな氏も社会的企業の代表格パタゴニア社の創業者イヴォン・シュイナードを敬愛している模様。イヴォン・シュイナードの偉大さを再確認。

·         Ellen Weinreb Consulting and RecruitingExecutive RecruiterEllen Weinreb
CSR・サステナビリティに特化したコンサルタント兼リクルーター。氏いわく今もっともアツい企業はウォルマート、またこの分野のトレンドは当初の人権から現在の環境から今後は水へと移っていくんじゃないかとのこと。全体像がだいぶ整理できました。

·         Environmental Defense FundSenior Research FellowAlexander Golub
企業との協業に取り組む全米有数の環境NPOの上席研究員。環境スクールでの講演のためか、お題は「リアルオプションによる環境政策の評価」という私にはとても難しいもの。ただこんな講演を聞く機会があるのも、総合大学たるDukeならではでしょう。

·         Wal-Mart StoresSenior Vice President of SustainabilityMatt Kistler
今話題のウォルマートのサステナビリティの責任者。お隣のUNCに講演に来るというので行ってきました。時の人のオーラが出てましたねー。ところでUNCもこの分野ですばらしいプログラムを持っていて、我々もUNCのサステナビリティ系の授業を受講して単位を取得できたりします。

·         University of MichiganAssociate Director of the Erb Institute for Global Sustainable EnterpriseAndrew Hoffman
この分野の研究・教育で国内随一の歴史を誇るミシガン大学の著名教授。企業がサステナビリティに取り組むべき最大の理由は競争優位性を高めるためとの、戦略論の教授らしい主張。ただ個人的には、PRのためにやるんじゃないという節には共感も、企業には競争優位性とは別の普遍的な社会と環境に対する責任があるんじゃないかなぁ、と複雑な心境になり始めたところで途中退席せざるを得ず。残念。

·         Sustainability ConsortiumCo-DirectorJay Golden
ウォルマートを中心に設立された、消費財のサステナビリティ指標化に取り組む産学連帯機関の共同責任者。その心は、サステナビリティを本物にするには消費者の行動変革を促進する仕掛けが必要で、そのためにはサステナビリティを経営レベルから製品レベルまで落とし込んで、製品レベルの指標を可視化・標準化すべし、というもの。説得力ありました。

う~ん、やっぱすごい。ついでに今年の卒業式では、貧困分野で著名なあの社会的起業家が式辞を述べてくれる予定だとか。

今回紹介できなかった聴講の機会のほかにも、カリキュラムに社会・環境系のケースやプロジェクトが組み込まれていたり、Energy and EnvironmentSocial Entrepreneurshipといった専攻分野があったり、Net Impactというサステナビリティ系のクラブがとても活発だったり、学校を通して非営利団体を支援する寄付やボランティアの機会があったり、Dukeの環境スクールや公共政策スクールとのdual degreeや元Peace Corps(日本でいう青年海外協力隊?)や非営利団体出身の同級生が大勢いたり、この分野の仕事に就くためのワークショップが毎週あったりと、リソースは本当に枚挙にいとまがありません。これらも追々紹介していこうと思うので、この方面に興味がある方はお楽しみに~!

cozy