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ふくろうはうす昔話 第8話

2008年04月10日 | Weblog

  機屋の仕事が一段落した頃 

 続いて依頼されたのは 国鉄(現在のJR)桐生駅のホームにある 従業員の休憩室等の塗替え。

 そこでも青年は、ホームで待っている人々からの視線が気になり

 機屋に続き 『Yシャツにネクタイ』姿で通うこととなったのでありました。

 そして その時、作業中の青年の姿を 駅長さんが撮ってくれ、写真をプレゼントしてくれたのですが

 残念ながら タンスの奥~にしまい込んでしまっているらしく 行方不明に・・・

 (貴重な写真がもし見つかった時にはUPします) 

  駅舎内の作業が終わると、次に言われた場所が な・何と 「足尾駅の看板塗り

 当時 線路を走るのは、電車ではなく もちろん汽車

 看板を塗るには大した時間を要しませんが 

 当時、汽車で足尾駅までの往復には丸1日かかってしまうため 青年は考えました。

 “滅多にない 汽車に乗る機会なのだから・・・”

 ということで 家族を誘って『日帰り足尾プチ旅行』となったのであります

  青年家族一行は おにぎりと水筒・作業道具を持って 早朝6時に汽車に乗り

 足尾へと出発しました

 しかしながら 何せ昔のこと・・・ 山道にさしかかり急勾配になってくると一気にスピードダウン

 なんと人が歩く程度の速度しか出なくなってしまう程・・・

 もちろん、昔の汽車にトイレがある訳もなく 男性人は走っている汽車から飛び降りて 

 用足しをしてから追いかけても 楽に乗ることが出来たのでした。

 そして、足尾駅も間近になってくると 今では『国の天然記念物』に指定されている

 カモシカが あちらこちらに現れてきました・・・

 駅を降り タンポポの茎を折って近づけると、野生のカモシカが人を怖がることなく寄ってきて

 美味しそうに全部食べてくれ、まるで飼育されている動物のようでした。

  そして、汽車が折り返し運転をするまでの待機時間に 看板を仕上げ

 家族は自然と動物と触れ合い、足尾を後にしたのでした。

                                                つづく