関西電力が30日発表した令和6年3月期連結決算は、原子力発電所の稼働が進み、前期に高騰した原油などの燃料価格が低下したことなどから、経常損益が7659億円の黒字(前期は66億円の赤字)、最終利益が前期の約25倍の4418億円で、いずれも過去最高となった。最終利益が最高を更新するのは平成18年3月期以来18年ぶり。
廃炉を決めたものを除く7基の原発すべての再稼働を達成したことで、火力燃料費を節約。燃料価格が落ち着いた分を電気・ガス料金に反映する「燃料費調整」で、タイムラグが生じることによる差益がふくらんだ。
売上高は、法人向けを中心に契約を伸ばして販売電力量が増加し、2・7%増の4兆593億円だった。増収増益は平成30年3月期以来。
一方、令和7年3月期の連結業績予想は、最終利益を前期比41・2%減の2600億円とした。下がった燃料価格の料金への反映が進み、タイムラグ益が大幅に落ち込むとみている。
関電の森望(のぞむ)社長は記者会見で、「(6年3月期の)最高益はタイムラグ益という一過性の要因が大きく、決して実力ということではない」と述べ、原発の安定稼働や新規事業の成長などに注力する姿勢を示した。
また、同社の指名委員会と取締役会は同日、榊原定征(さだゆき)・元経団連会長を取締役に再任するなどの役員人事を内定した。6月下旬の定時株主総会で決定する。榊原氏は会長として再任の見込み。
産経新聞
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