韓国軍による虐殺が50年後も隠蔽されている ベトナム・ハミ村 吉村英輝

2018年05月26日 21時28分56秒 | Weblog

ベトナム中部クアンナム省ハミ村は、水田が広がるのどかな集落だ。路地を進むと、テニスコート2面分ほどの慰霊施設に着いた。石碑には、68年2月25日、ここで亡くなった村民135人の名前が刻まれている。南ベトナム政府に協力して参戦していた、韓国海兵隊の青龍部隊に殺害された住民たちだ、この虐殺は、現地を99年に訪れた韓国人研究者により広く知られるようになり、慰霊施設は、韓国の民間団体と同村が翌2000年に建てた。だが、施設のどこにも、虐殺の記述はおろか名称もない、案内してくれた生存者のド・コイさん(73)は石碑の裏面を指し、「実はここに虐殺について記してあるが、02年に石板で覆い隠した」と打ち明けた、コイさんによれば、00年の完成式典に参加した退役韓国軍人が、碑文の修正・削除を求めた。村は反発したが、韓国側は外交ルートで圧力をかけてきたという。共産党一党支配が続くベトナムで、「地方や農民に抵抗する力はない。仕方なく石板で歴史を“隠蔽”することにした」と振り返る、翌1968年2月25日早朝、韓国兵は急に態度を変え、村の住民を防空壕など5カ所に押し込んで、銃撃や手投げ弾で殺した。悲鳴が15分ほど続いた。コイさんは当時23歳。南ベトナム政府の徴兵を逃れるため、昼間は家から30メートル離れた防空壕に隠れていたため助かった。夜を待ち自宅を見に行くと、家は焼かれ、家の地下壕にいた13人中、死亡していた母や伯母らを埋葬した。重傷の弟は病院に運んだが、その後死亡した、当時村にいたのは165人で、ほとんどは老人に女性や子供。事件を生き残ったのはコイさんら15人だけ。仲が良かった韓国兵から別の防空壕に行くよう言われ助かった少年もいた。ベトコン掃討作戦の一環だったとの主張もあるが、コイさんは「村にベトコンなどいたわけがない。計画的な住民虐殺だった」と語る、“無名”の慰霊施設では今年3月11日、式典が開催され、民間団体など韓国からも約40人が参加したが、退役韓国軍人らの姿はなかったという。施設内の集団墓地には線香が手向けられたが、そこに遺体は埋葬されていない。虐殺の翌日、韓国兵が戻り、戦車などで遺体や虐殺の跡を隠してしまい、遺体の場所は今も分からない。碑文はそのことにも言及していたという、ハミ村から十数キロ離れた同省フォンニィ・フォンニャット村では1968年2月12日、住民74人が韓国軍により殺害された。近くを通る幹線道路でこの日早朝、韓国軍の戦車が地雷を踏んで爆発したため、近くにあった同村に攻撃を仕掛けたとされる 生存者のトラン・バン・タさん(59)は、こう証言する

 「家に弟と妹の3人でいたところ、午前10時ごろに韓国兵に踏み込まれ、家の防空壕に入るように言われた。中に手投げ弾を投げ込まれたが、奇跡的に爆発しなかった。空腹になり午後3時ごろ外にでると、米兵が南ベトナム兵と、殺された村人の写真を撮っていた」、地元記者によると、ベトナム政府は、外交問題に発展しないかぎり、地域レベルで虐殺の慰霊碑などを作ることなどは、不満の「ガス抜き」の意味もあり、自由にさせているという だが、韓国兵の襲撃を受けた1年前、やはり自宅近くで、他の十数人の村人とともに、母と妹2人を米兵に殺害され遺体を井戸に捨てられたというタさんは、「米兵も韓国兵も、残虐性において何の違いもない」と、当時の悲惨な状況を振り返った

韓国は1964~73年、米国以外の国家としては最大の延べ約32万人をベトナムに派兵。韓国軍による虐殺被害者は9千人以上とする推計もあるが、韓国外務省は「(犠牲者数を示す)発表は一切していない」として、事実関係は不明なままになっている

ベトナム中部ハミ村で、韓国軍虐殺事件の犠牲者慰霊碑を前にド・コイさんは、碑の裏面に刻まれた虐殺の記述が石板で覆い隠されたと証言した=今年3月(吉村英輝撮影)

ベトナム中部ハミ村で、韓国軍虐殺事件の犠牲者慰霊碑を前にド・コイさんは、碑の裏面に刻まれた虐殺の記述が石板で覆い隠されたと証言した

                  =今年3月(吉村英輝撮影)

ベトナム中部フォンニィ・フォンニャット村にある、韓国軍による虐殺事件の犠牲者の慰霊碑=今年3月(吉村英輝撮影) 

ベトナム中部フォンニィ・フォンニャット村にある、

  韓国軍による虐殺事件の犠牲者の慰霊碑 =今年3月(吉村英輝撮影)

 

 韓国軍撤退後の1973年にサイゴン(現ホーチミン)を訪れた司馬遼太郎は、韓国人を指す「ダイハン(大韓)」の言葉が住民に「憎悪と嫌悪をよびおこす」とし、米兵よりも「始末がわるい」との評判を記した(『人間の集団について』中公文庫)

 

                                                   産経新聞

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