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Performance Engineering

1ZZ 純正ピストン

2013-08-05 23:57:18 | エンジン ZZ系
さて、エンジン屋ならではのマニアックなネタいっときましょう。

現在進行中の1ZZオーバーホールの趣旨としては、純正エンジンの性能を評価するために”新品の当たりエンジンよりなんだか少し調子良い”エンジンの製作です。完全に純正OHじゃ開ける意味が無い。まあ、そんなわけで純正ピストンを使用するのですが


なんだか排気側にバルブリセスが。


出来てます。鍛造でw全気筒で同様なのでどうやら結構なオーバーレブをやらかしていたようです。近年のタイミングチェーンのエンジンはタイミングベルト時代と異なり、切れる可能性を考慮しないで済むので、バルブ-ピストン間のクリアランスのマージンが少なく、オーバーレブで容易く衝突します。

バルブもちょこっと曲がってた。フェースの振れで3/100mmくらい。シール性に影響が出ないくらいではあるけど場所なだけに換えときたい。折れるとエンジン全損だし。

手元にY様のエリーゼから取り外した同じエンジン、使用距離も同程度のピストンがあるので、使用条件によるスカートの当たり方を比較してみましょう。


スラスト側。燃焼サイクルで圧力をコンロッドに伝え、残りの側圧でシリンダーに押し付けられる側です。簡単に言うと燃焼圧力を受ける方。斜線部が磨耗が見られるところ。ELISEの方が強めに当たってる。平均使用回転数が高く、負荷も大きかったのでしょう。当たり方としてはどちらも綺麗に当たってる。


反スラスト側。圧縮サイクルで上昇しながら圧力を受ける方。こちらは当たり方が大きく異なりました。おとなしい街乗りメインだと低負荷で実作動圧力があまり高く無かったようで中心付近しか当たってないのに対し、ガンガン踏んでるエンジンはスラスト側に近い当たり方になっています。やっと綺麗に当たりが付いたかなという程度の減り方です。

減ってなければ良いという訳ではなく、まともに当たってもいないと格好悪いと思うけどな。ちゃんと全開で踏んでやれよと。その為にはきちんとしたメンテは必要ですが。

あと、オーバーレブ、特にミスダウンシフトによるものは危険です。レブリミットにちょっと当たる程度はあまり問題無い。純正リミットなら。

まあ、開けてみれば使い方が想像できるっつう事ですw

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