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Performance Engineering

2ZZエンジン チューニング開発状況

2016-03-20 23:00:37 | エンジン ZZ系
2ZZ-GEエンジンのチューニング、何処が弱点でどこまで行けるのか。結構な台数をこなし、ハードな仕様も数基組み、なんとなく限界点は見えてきた感じがしています。

弱点
シリンダーの磨耗、変形、鋳鉄ライナーと比較して大きなフリクション
高回転常用時のロッカーアームの磨耗、カムのかじり

セラミックコーティングのシリンダーは多くの人が苦しんでいるポイントだと思います。今のところ新品ブロックに交換するか、スリーブを入れる方法しかありません。スリーブを入れてもシリンダーの剛性の低下が原因となり更なる問題を引き起こしかねないので厄介です。
シリンダー回りの問題の発端は2ZZの生い立ちにあり、1ZZをベースに同じボアピッチで高性能エンジンに仕上げる為にボアを広げ、ストロークを短くした事でボア間が僅か5.5mmになり、鋳鉄の鋳込みライナーを入れられないような寸法にしてしまっている事が根源のようです。セラミック層を剥離し特殊なメッキ処理を行うことで再生&耐久性向上を行える目処が立ったので近々テストしてみたいと思います。

ロッカーアームはノーマルカムでもトラブルが出るのでタペット音が大きくなったら点検をお勧めします。何とか対策方法が無い物か考えていたところ、昨年についに強化ロッカーアームがMWR社より発売されております。更に、ローカムを使用しないという激しい製品も登場してるのですが…詳しくは後述。

開発状況


スライド式のEX用スプロケット。試作段階。チェーンが特殊な規格らしく、試作分は特殊な製法で製作。


動弁系部品のスペシャリストFerrea社のローラーロッカーアーム。組んで分かったが完全にプロ向けの製品です。かじり対策としては面白いアプローチなのですが、広くお勧めは出来ません。ローラーの回りが悪い物が幾つかあり、徹底的に洗浄したら金属片がゴロゴロと出てくるあたり何ともアメリカン。純正ロッカーのハイカム用のパッドとローラーの半径差はやはり大きく、リフトカーブが大きく変わる、この意味が分からない人は使っちゃダメ。
通常はMWRの強化ロッカーアームをお勧めします。

チューニングの方向としてはなるべく高回転化は行わない方が推奨でして、そうなるとピストンを交換してのハイコンプ化やストロークアップを併用するハイコンプ化等しかありません。ハイコンプ+ECUで210ps程度、ストロークアップ(93.5mm)で230ps程度、さらにやるなら4連スロットル、ハイカム&フルコンで250ps前後を狙えるかと思います。

ハードにいじるなら、早い段階でホンダのK20Aをスワップする、という手も有りだと思います。

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