Entrance for Studies in Finance

mercury poisoning 水銀中毒


 金の採掘の話をしらべていたら、サンフランシスコ湾の水銀汚染の話がでてきた。その原因の一つが、ゴールドラッシュの時代にアマルガム法を用いた金の選別が行われていたことにあり、今日でも新興国ではこのアマルガム法による水銀汚染が深刻であるという話。まず水銀と鉱物をまぜると、金が水銀に溶け込むという。そのアマルガムから水銀を気化させれば金が残るというのが、アマルガム法である。
 そうした記事をたどった末に平城京の大仏に金箔を塗ったときにアマルガム法で行ったことで水銀汚染が発生したに違いないという話ーに行き着いた。十分な換気が行われずにアマルガム法(金と水銀が混ざった状態で塗布した後、水銀を蒸発させるもの。気化した水銀は極めて有毒。)による金メッキが行われていた時代は長いはずなので、このお話は興味深い。
 なおサンフランシスコ湾の水銀汚染については金採掘のほか古い水銀鉱山の影響を指摘する記事もある。また最近は石炭火力発電所を水銀の発生源として注目する議論があり、水産物への水銀の蓄積の原因になるとして問題視する意見がある。石炭や石油には微量に水銀をはじめとする重金属が含まれていて、発電所などで燃やすことで大気に放出され、最終的には海水を汚染するというのだ。ただ資料を読んでいて、木材にも同様に微量の重金属が存在するというところからこれはつまり、自然界のあらゆるところに、微量の重金属は存在するのだと気が付いた。問題は人間の営みが、どの程度、水銀汚染を高めているかだ。火力発電所から出ている排気に微量の水銀が含まれることはその通りだが、アマルガム法に比べると、そのことで水銀汚染のリスクを高めているといえるかは今一つ納得できなかった。
 アマルガム法など、使用することに伴うリスクはこの点で明確だ。日本で歯科治療でかつては広く行われていた水銀アマルガムを充填する治療法の危険性も指摘されている(なお保険適用治療の銀歯も、金属アレルギーを起こしやすいとされている)。
 なお魚から水銀を摂取するリスクも指摘されており、その意味でマグロや鯨肉は良くないとの指摘がある。マグロや鯨はその大きさから分かるように、食物連鎖の頂点にいる。また寿命も長い。結果として、食物連鎖による濃縮の影響をうけやすい。これは、納得できる議論である。偏食は避けた方がよいだろう。

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