家の近所で、非常にお世話になっているショットバーがあります。
そこのマスターはアウトドアも釣りも大好き。
よくキャンプやアウトドアグッズについて話をし、店の前で一緒に薪割りしたりしています。
そんなマスターのお店も、もう10年以上営業。
先日、ついに愛用していた包丁が折れてしまったそうです。
幸い、同じ型の包丁がもう一本あり、営業には支障をきたしていないのですが、なにせ10年以上使い続けた愛着のある包丁で、なかなか処分できずにいました。
そこで、他の常連さんと一緒に、この包丁をアウトドア用のナイフとしてリメイクする事に!
ハンドル材をどうするか考えていたら、マスターが勢いで買ったは良いが、大きすぎて使いどころに困っていた鹿角キーホルダーを発見したので、これを改造することにしました。
まずは現物を見ながら、皆であーでもないこーでもない、とMTG。
どんな形にするか?コンセプトは?主に何を切るのか?グリップはどんな角度か?と色々と話し合いを重ねました。
刃の部分の加工は刃物研ぎが得意な常連さんが加工する事となり、自分はグリップ作成と刃と柄の接着を担当。
まずは万力で鹿角本体を固定し、ディスクサンダーで切り込み。
もともとのキーホルダー用の穴が見た目的に余り良くありませんので、ここもエポキシパテ、エポキシ接着剤で補修します。
常連さんから加工した刃が上がってきました。
この実物を元に鹿角に開ける穴の角度を決め、ドリルで穴開け。
あとは微調整しつつ、ぴったりハマるように細かい加工をして行きます。
強力で耐熱性も高い「JBオートウエルド」というエポキシ系接着剤を使い、ブレードを固定します。
長さも短く、ブレードも薄いので、そこまでハードな使い方は出来ない(しない)、と想定しピンなどでの固定はせず仕上げました。
鹿角のカーブに合わせたブレード形状で、思っていた以上に良い仕上がりになりました。
さて、このまま完成ではつまらないので、シース(鞘)でも作ろうか?と手ごろな木の枝を加工。
このようにナイフを刺して置くことができます。
・・・しかし、写真撮影後、鹿角の断面の角度と鞘の角度をもっとピッタリ合わせようとアレコレ加工していたら、真っ二つに・・・
別アイデアとして、今度はもっと太い枝の部分をアレコレとくり貫いてテーブルトップに固定できるスタンドを作成。
全体的に乾燥での割れが入っていますが、ある事情によりこれをヨシとしています。
これもナイフの差し込み角度には気を使い、鹿角とホルダー部分がぴったりと合うようにしてあります。
完成したナイフとスタンドをマスターのお店に持っていき、納品。
刃の長さは約3~4センチ程度です。
釣り上げた川魚のワタを取ったり、ちょっとしたカッター代わりのナイフとしては丁度良いサイズになりました。
それにしても、スタンドの中央のくぼみ、気になりますよね。
実はこれ、オイルランタンのホルダーにもなるんです。
マスターに作ってあげた自作のオイルランタンの油壷がちょうど入るようにしてあります。
写真ではランタンのホヤが付いていませんが、これで手元を明るくしつつ、刃物がいつでも使えるようになります。
木の割れを放置していたのは、ランタンの熱膨張対策です。
長年使い馴染んだ包丁をリメイクして出来たミニナイフ。
グリップは使い道の見つからなかった鹿角キーホルダー。
さらにスタンドはランタンとミニナイフの両方を立てて置ける。
我ながらなかなか使い勝手の良い物が出来たと思っています。
すでに何度かマスターがソロキャンプで使っていますが、非常に好評でした。
次は是非、オール自作でナイフが作りたい!と思いはしますが・・・
一般家庭で鋳造鍛造はなかなか出来ないですし、ストック&リムーバル法でもいろいろと設備が必要で予算が・・・
ナイフ作りはいつかマスターしたい技能ですね!
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