香港のいたるところにある茶餐廳とは、日本の食堂と喫茶店を合体させて、20年ぐらい前にタイムスリップさせたような飲食店のことだ。先頃行われた香港人への「最も香港らしいものは何か。」というアンケートで、トラム、スターフェリーをさしおいて第一位に輝いたのがこの茶餐廳で、外食の機会の多い香港人にとっては非常に馴染み深い飲食施設である。
日本でも書店にラーメンや蕎麦などの美味しい店を指南するガイドブックがたくさん並んでいるから、香港の茶餐廳のガイドブックがあっても不思議ではないかもしれないが、残念ながらこの本は茶餐廳のグルメガイドではない。茶餐廳の入り方から始まって、メニューの読み方、メニューの説明、相席の方法、お釣りの貰いかたなどを本筋に、足跡の付いた洋式便座、ティッシュの買い方と使用方法、食事の残し方、レモンティーのレモンの枚数、出前一丁の焼きそば、三文治、芝士などの外来語の読み方などの小ネタを織り交ぜ、香港の生活文化を語ってしまうという壮大な試みを行っている。そしてそれは、たぶん香港人もまとめようとしなかった(思いもしなっかった)快挙であり、結果見事に成功している。
これから香港行きを計画されている方、何度か香港へ行ったがいわゆる有名店へ行くのに飽きられた方、ぜひこの本を読んで行間からあふれる香港の濃密な湿度と八角の臭いを感じ取って欲しい。そして香港へ行かれたら、どこでもいいから茶餐廳へ入って、「香港食の真実」を味わって欲しい。
なお、都内の中型店をいくつか見てみたがこの本が見あたらないところもあった。もし見あたらなかったら、以下のところでも購入できる。うれしいことに価格が1,500円を越えるので送料は無料である。
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『香港無印美食 庶民の味ワンダーランド 茶餐廳へようこそ』 龍 陽一 著 株式会社角川書店 \1,575