Even 言い分

風の向くまま、気の向くままに、今日は何を書こうかな~。

矛盾の世界

2009年11月10日 | 
生き抜くための選択。。。

今週も最近読んだ本を紹介したいと思います。
今回の作品は僕が好きな作家・東野圭吾の「パラドックス13」でございます。

まずは簡単にストーリーをご紹介♪

総理大臣の大月は宇宙航空研究開発機構の研究員から緊急の報告を聞かされた。
報告の内容は「P-13現象」
国民を混乱させないため、この現象に関する情報は徹底管理されることとなる。
P-13現象が起きる3月13日、久我兄弟は強盗殺人犯の張り込みを行っていた。
逮捕に向けての緊迫が増す中、運命の時刻13時13分13秒が訪れ。。。

今回の作品、今までの東野作品とはかなり違ったテイストでした。
SFパニックの要素が強く、映像化されることを意識して書かれたような印象を受けましたね。
P-13現象により変わり果ててしまった東京が舞台になっていたり、その中を逃げ惑い、生き抜こうとする人々が描かれている所はディザスタームービーっぽいですし。

といっても、ただのパニックエンターテイメントで終わらないのが東野作品。
現代社会が抱える命に関する問題が織り交ぜられているので、倫理観・道徳観をいろいろ考えさせられました。
また、過酷な状況下に置かれたら自分はどういう選択を取るのだろうか?と読みながら何度も自問しましたよ。

例えば。。。

3人で雪山登山をしている中、落石により1人が大怪我を負ってしまう。
止血を試みるが怪我人の出血は止まらず、助かる可能性は極めて低い。
そんな中、山の天候は悪化し、吹雪が強くなる。
助かるためには近くにある山小屋へ非難するしかないが、この吹雪では怪我人を背負って移動することは難しく、このままでは3人全員が命を落とす可能性が高い。

さて、この状況下で怪我人を放置し、2人だけで山小屋へ避難することは悪でしょうか?
それとも許されることでしょうか?

すごく嫌な問題ですよね。(>_< )
これに似たエピソードが今回の作品の中にあり、登場人物達は様々な思いを巡らすことになるんですけどね。。。

結末については賛否両論あるようで、僕も引っかかりを覚える部分があったのですが、先週紹介した「乱反射」よりは後味は良かったです。
諦めないこと・助け合うことから生まれる力の大きさ・素晴らしさも随所に散りばめられていましたし。
「乱反射」は自分勝手な登場人物ばかりで、腹立たしさが強く残りましたからね。orz

僕的にはオススメの1冊ですので、興味を持たれた方は読んでみて下さい!

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