橋の下の物語

なぜ橋の下なのか。。。

今週の水曜日（１９日）、東京まで行ってきました。
どうして平日に上京したかといいますと、中島みゆきの「夜会 ＶＯＬ．１８　橋の下のアルカディア」を観るためだったんですけどね。
今回の夜会は３年ぶりの公演で６年ぶりの新作、更に東京のみの公演ということでチケットの競争倍率が高いこと、高いこと。
様々な先行抽選にエントリーしたのですが、全て落選。orz
ダメ元でチャレンジした一般発売で何とか平日の夜のチケットを取れたんですよ。


夜会の開演時間は２０時、小学生以下は入場不可、チケット代はＳ席：２０，０００円、Ａ席：１８，０００円と大人向けの公演となっております。
この不況下で２０，０００円のチケットが飛ぶように売れるのですから、中島みゆきって凄いアーティストですよね～。


夜会にもコンサート同様、グッズ販売があるんですよ。
僕が購入したのは、公演プログラム＆キーホルダー。
この２点で５，０００円を超えます！！ビックリでしょ？w


さて、ここから先はネタバレを含みますので、これから夜会を観る予定の方はご注意ください。
ネタバレは読みたくないけど、公演の感想は気になる！という方もみえるかもしれませんので、ネタバレゾーンの前に僕の感想を簡単に綴っておきます。

・２幕の後半で？？？状態になりましたが、全体的にストーリーは難解ではないと思います。
・クライマックスは「ＶＯＬ．１７　２／２」と比べるとちょっと物足りなかったです。
・３，２００円と高いですが、公演プログラムが手元にあると作品をより良く理解し、堪能できるように思います。
・声の質・歌い方は好き嫌いがかなり分かれると思いますが、中村中と石田匠の熱演・熱唱はすごく良かったです。
・オーケストラピットの後ろにあるモノは、舞台装置やストーリーと関係しているので休憩時間にチェックすることをオススメします。

では、ネタバレを含むコーナーへ移りますね。





















今回の夜会のテーマは「捨てる、捨てられる」
舞台となる橋の下にある地下道は今はシャッター街と化しており、近いうちに封鎖されることが決まっている。
ガードマンである高橋九曜（たかはしくよう）は立ち退きを命じているのだが、占い師・橋元人見（はしもとひとみ）とバーの代理ママ・豊洲天音（とよすあまね）はそこに居続けている。
失ってしまった何かを見つけるために。

あなたの問題集は 私にはたやすく見える　私の問題集は あなたにはたやすく見える　取り替えてみたい気がする　「問題集」より

その昔、この橋の下を流れる川の氾濫に村人達は悩まされていた。
そこで村長は生贄の人柱として一人の女（人身）を指名する。
夫（公羊）と可愛がっていた飼い猫（すあま）と引き離された女は橋の下に沈められ、夫もその後を追い、川に身を投げるのだった。

荒れ狂う流れは 水じゃなくて人です　止めることのできない嵐は 人です　「人柱」より

町は毎時２００ミリの大雨に見舞われ、人見、天音、九曜は地下街から地上に出ようとするが、もう誰もいないと判断され出口は塞がれていた。
かつて集団によって捨てられた者たちが迎える結末とは。。。

皆さん、子供の頃、親の言うことを聞かなかったり、何か悪さをした際、「あんたはうちの子じゃなく、橋の下で拾ってきた子だよ。」って言われたことないですか？
橋の下＝捨てられる場所というのが、今回の夜会のキーポイントになっています。
そして、集団から捨てられた者（集団の犠牲にされた者）や集団を捨てた者の姿を通して、様々な問題提起がなされていました。
生きていく中で集団（職場、学校、地域など）と個（自分自身）のバランスや関係で悩むことって、大小の差はあれど誰もが経験することですよね。

この世の恥とは何ですか　御国の恥とは何ですか　身内の恥とは何ですか　心の恥とはなんですか　「国捨て」より

ストーリーは重みのあるものでしたが、非常に見ごたえある作品でした☆
夜会の傾向として翌年に再演されることが多いので、今作も少し手直しされて１年後に上演されるのかな～。