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原石の見つけ方 フランス編

2010-02-02 | 海外情報

原石の見つけ方 フランス編

き才能はいかに発掘され、育てられるのか――。
前回のイングランド(アーセナル)編に続き、
今回は欧州でもトップクラスの育成システムを誇る
フランスの事情を探る。
国内外から高い評価を得ているル・マンと
レンヌのスカウティングチームにスポットを当て、
独自の取り組み、クラブの哲学を紹介しよう。

■将来有望な若手発掘は生命線
スペイン、イングランド、イタリアといった
ビッグクラブに比べて運営資金に乏しいフランスでは、
スカウティングの重要性はことさら大きい。
 
いかに将来性有望な若手を発掘するかは生命線。
金の卵を手に入れれば、何年か先には黄金の鳥となり、
やがて違約金(移籍金)という
大金を置き土産に巣立ってくれるからだ。
週末、地域の少年サッカートーナメントをのぞきに行けば、
鋭い眼光で子どもたちを観察する男たちの姿を必ず目にする。
それがスカウトマンたちであることは、
彼らの行動を見れば明らかだ。
ピンとくる子どもがいると、その子をじっと目で追い続け、
彼の父兄がどこにいるか確認する。
そして、機を見計らってさりげなく彼らに接触するのだ。
その手には、片時たりとも手放すことなく携帯電話が握られている。
獲物をモノにできるかどうかは、一刻を争うからだ。

各クラブの、人的、金銭的なパワーによってその規模はまちまちだが、
フランスのスカウティングの基本的なシステムは、
だいたい共通している。
スポーツ・ディレクター、あるいは、ゼネラル・マネジャー(GM)、
会長付コンサルタントなど、名称は異なるが、
リクルートを管轄する責任者を頂点に置き、その下に、
クラブ専属のスカウトマンを配置。
さらにその下にはフリーで活動するスカウトを数人抱えて
国内の津々浦々に目を光らせ、
さらに余裕のあるクラブは海外にも専属スカウトを送り込む。
アルゼンチンに専属のリクルーターを置くのは、マルセイユだ。
「実力が確かな選手が多い割に、
まだそれほど価格がつり上がっていない」という理由で、
現スポーティング・マネジャーの
ジョゼ・アニゴが現職就任後に手をつけた。
 
また、元選手が重要な情報提供者として立ち回る場合も多い。
例えば、PSG(パリ・サンジェルマン)は、
かつてライーやレオナルドらが在籍していた経緯から、
ブラジルに強いコネクションを持つ。

■アフリカでの人材発掘に優れるル・マン
フランス国内で、そのリクルートのうまさにかけて
複数の同業者から名前が挙がるのが、
松井大輔がかつて所属していたル・マンだ。
特にアフリカ方面での人材発掘に優れていることで知られ、
チーフスカウトのアラン・パスカルー氏は、
フランスサッカー界では「ミスター・アフリカ」と呼ばれている。
今季はやや低迷気味のル・マンだが、
予算がビッグクラブの4分の1ほどの小クラブでありながら、
未完の若手を発掘する手腕に優れ、
ディディエ・ドログバ(現チェルシー)、
セビージャへ移籍したロマリック、
今やPSGの中心選手となったベナン代表
ステファン・セセニョンらを無名時代にスカウトし、
ビッグクラブへと送り出した。
「アフリカに強力なリンクを持つことになったのは偶然でした」
とパスカルー氏は語る。始まりはドログバ。
パリ近郊ルバロワでプレーしていたドログバのうわさを聞きつけ、
PSGとル・マンが興味を示したが、ドログバは、
PSGに比べて規模でもステータスでも劣るル・マンを選んだ。
それはル・マンが家族的なチームであるという
好評判を聞きつけた父親からのアドバイスによるものだった。


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