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俺の琴線

心に響いたもの、それがどんなものであっても...

酒のCM規制しろよ(長文)

2006-11-16 18:56:04 | メディア

これだけアルコール絡みの事故が取り上げられてるのだから、酒類のCMは規制するべきだろう。まだ日の高いうちから健康的なイメージでビールのCM流してるんじゃねえよ。タバコと一緒で、段階的にCMは規制して、最終的にはTVCMは無くした方が良い。まず、11時以降とか、深夜のみにすべきだ。

ちょっと今回は長文を書かせていただく。

俺は、2年ほど前、酒におぼれていた時期があったから、その危険性がよくわかる。アルコール依存症がすぐそばにあるものだと言うことに、一般的な人は誰も気付いていない。実際、日本に200万人潜在しているというアルコール依存症。ほとんどが、周りから見ればいわゆる「酒に目がない」人、という好意的なとらえ方をされる。TVなどで一般人が出てくる旅番組を見てもそうだ。どうみても、アル中なのに、おかしな音楽を流して、酔っぱらい=面白い=人間くさい というイメージを植え付けてる。

配送を仕事にしてる知人と喋ったことがあるが、彼は350ml缶でビール4本/dayで飲むという。休肝日は無し。暑い日は、駐車場に止めてから、自宅に入るまで歩いている間もまちきれずに、歩きながら飲んでしまうと言う。これなど、完全なアル中だ。アル中=手がぶるぶる震えてろれつが回らない状態、とか思っている人が未だいるが、それは末期の状態だ。彼に、休肝日ぐらい設けろよ、といっても「いやー、難しいなあ、ははは」という感じで危機感も全くない。それは、知識がないからだ。

アルコールとタバコの問題は似ている。西欧ではタバコの次にアルコールが標的となっているが、当然の話だ。政府が認可していると言うだけで、実際は強烈なドラッグだからだ。大麻なんかよりよっぽどたちが悪いと言える。百害あって一利なしというのも、タバコと一緒。酒による血流の促進など、利点に入らない。実際、アルコールは簡単に脳血液関門を通過する(だから酔うのだが)。このとき、脳の神経細胞は脱水を起こし、死滅する。一説にはマティーニ一杯で100万個近い脳細胞が死滅すると言われる。だから、毎晩晩酌などしている人を、CTやMRIなど断層撮影すると脳の萎縮が見られる。こういったアルコールのもたらす脳への害が、緩慢なところではアルコール性痴呆を引き起こす。まあ、だんだんアホになっていくというわけだ。もとより、脳細胞は加齢で死滅していくのだが、アルコールによってよりアクセラレートするわけだ。10年も飲んでいると30ー40歳代で、記憶力がかなり落ちる。酒飲みながらDSでトレーニングとかあほくさい話だw。

オタク的話をすれば、フルメタルパニックのビデオ版、「わりとヒマな戦隊長の一日」というのがあるが、この中でテッサが酒を勧められたときに、「この仕事を長く続けたいからアルコールは飲まない」と言うシーンがある、がまさにそういうことだ。酒飲みはアホになる。思考する仕事を続ける人間のやることではない。軽い酒好き、特にこういう文字数の多いBlogを読む思考系の仕事をする人間なら、一番気にしなければならないところだ。つきあいで酒を飲むことも多い、しかし、飲む度に「これで俺の脳細胞100万個死んだな……」と思えば、深酒をすることも控えるし、付き合う回数もほどほどになるだろう。

習慣というものは怖い。俺が、一時期酒浸っていた時も、何とはなしに飲み始めたら、それが習慣になって切れなくなっていった。それまでは、酒が美味いなんて思わなかったのだが、さすが習慣性薬物、見事にはまっていった。仕事から帰ると、まず缶ビールを3本、その後シングルモルトをストレートで寝るまでちびちび続けた。習慣になると、先程の彼ではないが、止められない。酒のない夜が寂しくなるのだ。だから、飲み続ける。
そうすると、酒を飲む量が増えてくる。これは、酒が強くなって良かったとか、そういう馬鹿な話ではない。薬物というものは生体に耐性を作る。鎮痛剤でもステロイドでも飲み続けていれば、その量では効かなくなってくる、そういうことだ。
酒の量が増えてくると、朝になっても酒が残っていたりする。仕事に支障が出だす。さいわい、俺の場合は、仕事がダメになる前に周囲から酒を止められた。まだ、俺自身も身体依存まで達していなかったのだろう。そこで、ネットで調べて、アルコールであまりに苦しんでいる人間が多いのに驚き、酒を控えるようになった。特に多いパターンが20代で飲み始めて、15-20年と続けているうちに依存症になっているパターン。ここから依存症という線引きが無いので、次第に浸食しているのがたちが悪い。それに、依存症の症状の一つが依存症の否定「自分はアルコール依存症なんかじゃない」というのだから……。

現代の社会生活を行う上で、アルコールは必要悪的な部分がある。周囲とのつきあい、商談などの席で使われることも多い。それを完全にシャットアウトするのは、出世などの面からもよろしくない。だから、周りの人間と適度に飲むくらいは、致し方ないだろう。だが、家で一人で飲むのは止めることだ。それが、出来ないというなら、あなたは既にアルコール依存症だと言える。

アルコール依存症は古代からある病気だが、未だに治療法がない。依存症になった人間は酒を遠ざけておくことしか出来ない。依存症に陥って断酒し、20年酒を止めていたのに、仕事を退職して暇になり一杯飲んだだけで連続飲酒状態が復活し、1年で死んだ人もいる。依存症になったら終わり、楽しく酒を飲むことは2度とできない。

先日、漫画家のはらたいら氏が亡くなった。報道を聞くと、どう見てもアルコール性の肝硬変・肝癌による死亡だ。にもかかわらず、マスコミは酒好きだったとか、いつもこの席に座って酒を飲んでいたとか、美談のように酒を取り上げている。
全然感動するところじゃないんですけど!マスコミ連中は頭おかしいのか?
はら氏の話からわかるのは、酒が強いから酒の障害を受けないわけじゃないと言うことだけだ。

こう考えるといいと思う。人が一生に適度な状態を保って飲める酒の量は、たとえばそれぞれ大きさは違えどバケツ一杯と決まっている。その人の人生が終わるまで、そのバケツをあふれさせないように飲んでいれば、それでよし、しかしそれ以上飲むと人生に影響を与えると。体が先にやられれば、肝硬変、肝癌、舌癌、喉頭癌で死ぬ。精神が先にやられれば鬱(あれだけハッピーにしてくれるアルコールが、その落差で鬱を引き起こすのは皮肉だが事実だ)によって自殺。そこまで行かなくても、社会生活が送れなくなるくらいのアルコール依存症患者は腐るほどいる。ベストセラーになった「失踪日記」(吾妻ひでお著)を読んでみるとよい。

とにかく、今の日本はアルコールに甘すぎる。今年もコンビニ等での酒類の販売が緩くなったばかりだ。圧力団体や政治家の駆け引きがあったのだろうが、CMは即規制を開始し、販売を制限すべきだ。酒類の売上げによる税収と、国民の健康・精神・社会被害、これを考えると全く釣り合わないのだが、今の政治家にそれを求めるのは……。

自分たちの身は自分たちで守るしかない。CMに流されず、周りに流されず、自分が正しいと思ったことをするしかないのかもしれない。多くの人には余計なお世話の話だったろうが、少しでも引っかかるものがあったら、ネット上でちょっとググって見て欲しい。どれだけの人間が泣いているか……。

補足1
明日交通事故で死ぬかもしれないから、好きなことをするという人間もいる。そういう刹那的な思考をすれば先のことなど何も考えなくて良いから、楽だろう。まあ、先のことが心配になりすぎる鬱傾向の人はそれくらいの方がいいのかもしれないが、あさってのことも考えられないほどの快楽主義はどうかと思う。
俺がべた褒めした、「うたわれるもの」だが、こと酒のシーンに関しては勧められない。特にカルラなどは、刹那主義のアル中だから、この生き方を格好いいなどと思ってはいけない。現実であんな思考でいれば、即ホームレスで凍死だな。

補足2
色々否定的面を書いたが、アルコールが文化的に面白いのも事実だ。特に俺がはまっていたシングルモルトの世界は面白い(もう2年以上飲んでいないが今でもアイラ系は好きだ)。俺自身も断酒しているわけではないので、前述のようにバケツをあふれさせないように、死ぬまでにチョビチョビと楽しめればいいか、と思っている。




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