先月のことになるが、パラグアイで フェルナンド・ルゴ(Fernando Armindo LUGO MÉNDEZ)(前)大統領が議会で弾劾→罷免され、フェデリコ・フランコ(Federico FRANCO)副大統領が一応大統領の座を引き継いだ。
この件について、ラテンアメリカ諸国がパラグアイ議会による弾劾を認めない(FRANCO大統領(仮)の就任を認めない)方針を打ち出していた。
そんなパラグアイでは、米軍基地を設置したいなんて考えてる議員がチラホラいるようで・・・。
・パラグアイ大統領「追放」 背景に米基地計画:メキシコ紙暴露:保守政党 下院議員ら交渉(2012年7月5日 jcp.or.jp)
自分で書くのもアレだが、これが陰謀論だったらどんだけ良かったかと頭を抱えたくなるこの話。
まずは、2012年7月5日分 jcp.or.jp『パラグアイ大統領「追放」~』から前半部分を(略
ただし、[] 内は俺が追加した補足。
---- 以下引用 ----
南米パラグアイで、国会がルゴ大統領に対する弾劾決議を可決する「国会クーデター」から10日余り。
大統領反対派が多数を占める国会がまともな反論機会も与えず、大統領「追放」を強行した背景に、米軍基地設置をめぐる策動があったことが明らかになってきました。
(菅原 啓)
メキシコの有力紙ホルナダ[La JORNADA]1日付は、「ルゴ氏の罷免、米国の政治策動」の見出しで、ステラ・カロニ[Stella CALLONI]記者(ブエノスアイレス駐在)の記事[後述]を掲載しました。
記事は、パラグアイ上院で手続き開始から採決まで24時間足らずという、ルゴ大統領への「スピード」弾劾審議が行われていた6月22日、保守政党の下院議員らが米軍高官と会見し、国内に米軍基地を設置する交渉を行っていたことを暴露しました。
パラグアイのABCコロル紙によると、会見に出席した1人は、保守政党の倫理市民連合党(UNACE)幹部で、下院防衛委員長を務めるホセ・ロペス[José LÓPEZ CHÁVEZ]議員。
同氏は、ボリビアと国境を接する北西部チャコ地方に米軍が基地を設置することに「期待」を表明したと報じられています。
ロペス氏は、地元ラジオ[789 AM]とのインタビューで、ボリビアは軍拡を進めているから、「パラグアイにとって脅威となっている」と主張。
これを理由に米軍基地設置が「必要だ」と述べていました。
(以下略)
---- 引用以上 ----
幸か不幸か、天下の Pravda が JORNADA に掲載された記事の英訳を紹介していた。
・Destitución de Lugo, maniobra política de Estados Unidos(2012年7月1日 jornada.unam.mx;スペイン語)
・Removal of Lugo, U.S. political maneuvering(2012年7月4日 english.pravda.ru)
JORNADA の記事では、親切にも(?)パラグアイでの騒動の背景についてもう少し細かく説明していた。
以下、2012年7月4日分 english.pravda.ru『Removal of Lugo~』からその部分を(略
ただし、[]は俺が追加した補足。
---- 以下引用 ----
(中略)
In Paraguay, detailed reports of military analysts warned of a powerful U.S. infrastructure in a country of geostrategic importance because it is bordered by Bolivia, Brazil and Argentina and is relatively close to others where there are American military bases.
The military of the Southern Command have marked the territory that is on the extensive Guarani Aquifer, one of the largest sources of drinking water in the world located in the triple border that Paraguay has with Argentina and Brazil[厳密にはウルグアイもこの水源を領土内に持ってる].
According to military reports, all the Paraguayan barracks near the borders are prepared as an infrastructure for U.S. troops, which have even dug artesian wells for drinking water, supposedly for farmers and peasants, which in reality they cannot use.
Thus, the Mariscal Estigarribia headquarters, located only 250 kilometers from Bolivia, has a runway of almost 3,000,800 meters long in a country that has scarce air forces.
This was built by U.S. troops, who modernized it in recent years.
It is designed to receive Galaxy aircraft, B-52s and other aircraft carrying equipment and large-scale weapons.
Also prepared is the runway for the Palmerola base[元首都の Comayagua 市にある] in Honduras.
Similarly, thousands of soldiers can be located if it is required at any time.
It is ranked as one of the most powerful infrastructure bases of the U.S. in Latin America.
However, it is clear that before the offensive launched against the governments of South America that allowed the staging of coups in Bolivia and Paraguay in June this year, and destabilizing attempts in Argentina, of course, it is necessary to locate more troops in this strategic place.
(以下略)
---- 引用以上 ----
以前からラテンアメリカ諸国には、結構な数の米軍基地があるんだよな。
しかも、最近になって米国政府はチリに新たに米軍基地を設置する計画を出してるし・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・What's behind Obama's new military base in Chile?(2012年5月2日 aljazeera.com)
ラテンアメリカ諸国における歴史(特に20世紀後半)を踏まえると、米軍基地の存在自体危険なブツに思えるのだが。
それでも、米軍基地設置を求めるのは、それぞれの国の利害関係も影響してるのかもしれん。
特に、パラグアイの場合、ブラジル+アルゼンチン+ウルグアイとの「遺恨」(パラグアイ vs. ブラジル+アルゼンチン+ウルグアイ によるパラグアイ戦争(la Guerra del Paraguay)または三国同盟戦争(1864~1870、Guerra de la Triple Alianza:Guerra da Tríplice Aliança)で敗北した)もあるからな~。
米軍基地設置の目的がボリビア(とベネズエラ)を牽制するだけと言い切れないだけに、色々長引きそうな騒動になる悪寒・・・。
なお、LÓPEZ 氏は、昨日もラジオで「パラグアイに米軍基地を設置して欲しい」なんて述べてた。
・Diputado José López Chávez:"Me manifestaron diputados nacionales su interés sobre una base militar estadounidense"(2012年7月10日 cardinal.com.py;スペイン語)
・Soberanía no se pierde con base estadounidense, según diputado(2012年7月10日 paraguay.com;スペイン語)
もっとも、José Félix FERNÁNDEZ パラグアイ外相は、パラグアイ政府が米軍基地設置を米国政府に求めたという話を否定したのだが。
・Canciller desmiente que Paraguay haya pedido base militar a EEUU(2012年7月10日 abc.com.py;スペイン語)
果たして、真相はイカに・・・。
この件について、ラテンアメリカ諸国がパラグアイ議会による弾劾を認めない(FRANCO大統領(仮)の就任を認めない)方針を打ち出していた。
そんなパラグアイでは、米軍基地を設置したいなんて考えてる議員がチラホラいるようで・・・。
・パラグアイ大統領「追放」 背景に米基地計画:メキシコ紙暴露:保守政党 下院議員ら交渉(2012年7月5日 jcp.or.jp)
自分で書くのもアレだが、これが陰謀論だったらどんだけ良かったかと頭を抱えたくなるこの話。
まずは、2012年7月5日分 jcp.or.jp『パラグアイ大統領「追放」~』から前半部分を(略
ただし、[] 内は俺が追加した補足。
---- 以下引用 ----
南米パラグアイで、国会がルゴ大統領に対する弾劾決議を可決する「国会クーデター」から10日余り。
大統領反対派が多数を占める国会がまともな反論機会も与えず、大統領「追放」を強行した背景に、米軍基地設置をめぐる策動があったことが明らかになってきました。
(菅原 啓)
メキシコの有力紙ホルナダ[La JORNADA]1日付は、「ルゴ氏の罷免、米国の政治策動」の見出しで、ステラ・カロニ[Stella CALLONI]記者(ブエノスアイレス駐在)の記事[後述]を掲載しました。
記事は、パラグアイ上院で手続き開始から採決まで24時間足らずという、ルゴ大統領への「スピード」弾劾審議が行われていた6月22日、保守政党の下院議員らが米軍高官と会見し、国内に米軍基地を設置する交渉を行っていたことを暴露しました。
パラグアイのABCコロル紙によると、会見に出席した1人は、保守政党の倫理市民連合党(UNACE)幹部で、下院防衛委員長を務めるホセ・ロペス[José LÓPEZ CHÁVEZ]議員。
同氏は、ボリビアと国境を接する北西部チャコ地方に米軍が基地を設置することに「期待」を表明したと報じられています。
ロペス氏は、地元ラジオ[789 AM]とのインタビューで、ボリビアは軍拡を進めているから、「パラグアイにとって脅威となっている」と主張。
これを理由に米軍基地設置が「必要だ」と述べていました。
(以下略)
---- 引用以上 ----
幸か不幸か、天下の Pravda が JORNADA に掲載された記事の英訳を紹介していた。
・Destitución de Lugo, maniobra política de Estados Unidos(2012年7月1日 jornada.unam.mx;スペイン語)
・Removal of Lugo, U.S. political maneuvering(2012年7月4日 english.pravda.ru)
JORNADA の記事では、親切にも(?)パラグアイでの騒動の背景についてもう少し細かく説明していた。
以下、2012年7月4日分 english.pravda.ru『Removal of Lugo~』からその部分を(略
ただし、[]は俺が追加した補足。
---- 以下引用 ----
(中略)
In Paraguay, detailed reports of military analysts warned of a powerful U.S. infrastructure in a country of geostrategic importance because it is bordered by Bolivia, Brazil and Argentina and is relatively close to others where there are American military bases.
The military of the Southern Command have marked the territory that is on the extensive Guarani Aquifer, one of the largest sources of drinking water in the world located in the triple border that Paraguay has with Argentina and Brazil[厳密にはウルグアイもこの水源を領土内に持ってる].
According to military reports, all the Paraguayan barracks near the borders are prepared as an infrastructure for U.S. troops, which have even dug artesian wells for drinking water, supposedly for farmers and peasants, which in reality they cannot use.
Thus, the Mariscal Estigarribia headquarters, located only 250 kilometers from Bolivia, has a runway of almost 3,000,800 meters long in a country that has scarce air forces.
This was built by U.S. troops, who modernized it in recent years.
It is designed to receive Galaxy aircraft, B-52s and other aircraft carrying equipment and large-scale weapons.
Also prepared is the runway for the Palmerola base[元首都の Comayagua 市にある] in Honduras.
Similarly, thousands of soldiers can be located if it is required at any time.
It is ranked as one of the most powerful infrastructure bases of the U.S. in Latin America.
However, it is clear that before the offensive launched against the governments of South America that allowed the staging of coups in Bolivia and Paraguay in June this year, and destabilizing attempts in Argentina, of course, it is necessary to locate more troops in this strategic place.
(以下略)
---- 引用以上 ----
以前からラテンアメリカ諸国には、結構な数の米軍基地があるんだよな。
しかも、最近になって米国政府はチリに新たに米軍基地を設置する計画を出してるし・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・What's behind Obama's new military base in Chile?(2012年5月2日 aljazeera.com)
ラテンアメリカ諸国における歴史(特に20世紀後半)を踏まえると、米軍基地の存在自体危険なブツに思えるのだが。
それでも、米軍基地設置を求めるのは、それぞれの国の利害関係も影響してるのかもしれん。
特に、パラグアイの場合、ブラジル+アルゼンチン+ウルグアイとの「遺恨」(パラグアイ vs. ブラジル+アルゼンチン+ウルグアイ によるパラグアイ戦争(la Guerra del Paraguay)または三国同盟戦争(1864~1870、Guerra de la Triple Alianza:Guerra da Tríplice Aliança)で敗北した)もあるからな~。
米軍基地設置の目的がボリビア(とベネズエラ)を牽制するだけと言い切れないだけに、色々長引きそうな騒動になる悪寒・・・。
なお、LÓPEZ 氏は、昨日もラジオで「パラグアイに米軍基地を設置して欲しい」なんて述べてた。
・Diputado José López Chávez:"Me manifestaron diputados nacionales su interés sobre una base militar estadounidense"(2012年7月10日 cardinal.com.py;スペイン語)
・Soberanía no se pierde con base estadounidense, según diputado(2012年7月10日 paraguay.com;スペイン語)
もっとも、José Félix FERNÁNDEZ パラグアイ外相は、パラグアイ政府が米軍基地設置を米国政府に求めたという話を否定したのだが。
・Canciller desmiente que Paraguay haya pedido base militar a EEUU(2012年7月10日 abc.com.py;スペイン語)
果たして、真相はイカに・・・。