ごく一部の好事家達(笑)から熱狂的な支持を受けている山際 大志郎氏の著作『闘え!クジラ人 -- 捕鯨問題でわかる国際社会 --』を読んでみた。
以下、感想。
と言いたい所だが、この本に関して的確な突っ込みを入れてる記事をkknekoさんが書いてたのでそっちを参照(手抜き)。
・陰謀論をふりかざして「闘うお笑いくじら人!」たち(2009年1月14日 クジラ・クリッピング)
なんで、ここでは↑の記事で kknekoさんが触れなかった所に突っ込んでおく。
この本の序章「IWCは国際社会の現実を映す鏡」の終盤で、山際氏は政治家になった後で抱いた世界観を開陳している。
簡単に書くと、世界は白人至上主義と西洋文明による支配が今も続いているというものだ。
その上で、日本と非西洋諸国の状況についてなんとも不思議な見解を述べていたのだが・・・。
以下、『闘え!~』のP.15-P.16を一部引用しておく。
ただし、俺の判断で強調を加えておいた。
---- 以下引用 ----
(中略)
では日本はどうだろうか。
わが国は植民地支配を受けたことは無いが、物質的な面から精神的な面まで含めた時には西洋文明に大きな影響を受けている。
ただし私は日本人として、西洋文明から色濃く影響は受けたとしても、それを消化し自らのものにしていく力が日本にはあると信じるし、実際に消化しているだろう。
しかし、残念ながら日本は例外中の例外と言わざるを得ない。
世界の多くの国はその力をまだ持たずに圧倒的な西洋文明の力に完全に消化不良を起こしている。
そして消化不良を起こしていることにすら気付かない。
(以下略)
---- 引用以上 ----
これはどう解釈すればいいのだろうか?
日本だけが特別、ということを述べるためなのか?
はたまた、日本+西洋諸国以外を三等国とみなしているのか?
いずれにしろ、俺が引用した部分からは、山際氏がとんだエスノセントリストでレイシストであることが窺える。
山際氏にしてみれば、これが揺るがぬ世界観ってことだろうが・・・。
評価:2/10点
俺としては、この本を読む前に遺書を書いて頭痛薬を脇に置いておくことを勧める。
それともう1つ。
この本の P.39 には、1997年の IWC総会会場近くで日本の姿勢を批判するために日本の国旗を燃やす人を写した写真(多分:梅崎 義人氏提供)が使われていた。
そこのキャプションには、こんな注意書きが・・・。
以下、『闘え!~』より(略)
---- 以下引用 ----
国旗を燃やすということはその国の存在を認めないということ。
許されざる蛮行だ。
---- 引用以上 ----
許されざる蛮行、ね。
だったら、『flagburner』を名前に持つ俺は毎日毎時間毎分毎秒蛮行を働いてるってことになるのか?。
いや、こりわびっくり。
って待てや。
確かにさ、国旗を燃やしたり侮辱する等の行為に罰則規定を設けてる国(サウジアラビアとか)もあるけどさ・・・。
「国旗=国家」という図式そのものを疑う視点が必要じゃね~のか?
とりわけ、例の写真が撮られた(と思われる)1997年の IWC総会会場近くの場合、日本政府への抗議という意味合いがずっと強いんじゃね~か?
多分、山際氏の場合「国旗=国家」という信念が強いから国旗を燃やすことを「蛮行」と呼ぶんだろうな。
でもさ、時と場合によっては国旗を燃やすことは立派な抗議活動になりうることを忘れてほしくないのだ。
とりわけ、どうにもならないくらい暴走した政府への抗議としては・・・。
おまけ:
色んな国や団体の国旗を燃やすプログラム(?)を提供してるサイト。
・BurntFlag.com - Flag-burning made safe and easy
使い方は各自で考えるように(笑)。
おまけ2:
一応米国では、国旗を燃やすなどの行為は合法となっている。
ただし、それなりの理由が無ければ社会的な支持を得られないらしい・・・。
この辺は↓参照。
・The Flag-Burning Page(esquilax.com)
2009年7月5日追記:
以下の記事に trackback を送信。
・国旗、国歌、国家意識(「愛国心」)を考えるリンク集(2009年7月4日? 村野瀬玲奈の秘書課広報室)
以下、感想。
と言いたい所だが、この本に関して的確な突っ込みを入れてる記事をkknekoさんが書いてたのでそっちを参照(手抜き)。
・陰謀論をふりかざして「闘うお笑いくじら人!」たち(2009年1月14日 クジラ・クリッピング)
なんで、ここでは↑の記事で kknekoさんが触れなかった所に突っ込んでおく。
この本の序章「IWCは国際社会の現実を映す鏡」の終盤で、山際氏は政治家になった後で抱いた世界観を開陳している。
簡単に書くと、世界は白人至上主義と西洋文明による支配が今も続いているというものだ。
その上で、日本と非西洋諸国の状況についてなんとも不思議な見解を述べていたのだが・・・。
以下、『闘え!~』のP.15-P.16を一部引用しておく。
ただし、俺の判断で強調を加えておいた。
---- 以下引用 ----
(中略)
では日本はどうだろうか。
わが国は植民地支配を受けたことは無いが、物質的な面から精神的な面まで含めた時には西洋文明に大きな影響を受けている。
ただし私は日本人として、西洋文明から色濃く影響は受けたとしても、それを消化し自らのものにしていく力が日本にはあると信じるし、実際に消化しているだろう。
しかし、残念ながら日本は例外中の例外と言わざるを得ない。
世界の多くの国はその力をまだ持たずに圧倒的な西洋文明の力に完全に消化不良を起こしている。
そして消化不良を起こしていることにすら気付かない。
(以下略)
---- 引用以上 ----
これはどう解釈すればいいのだろうか?
日本だけが特別、ということを述べるためなのか?
はたまた、日本+西洋諸国以外を三等国とみなしているのか?
いずれにしろ、俺が引用した部分からは、山際氏がとんだエスノセントリストでレイシストであることが窺える。
山際氏にしてみれば、これが揺るがぬ世界観ってことだろうが・・・。
評価:2/10点
俺としては、この本を読む前に遺書を書いて頭痛薬を脇に置いておくことを勧める。
それともう1つ。
この本の P.39 には、1997年の IWC総会会場近くで日本の姿勢を批判するために日本の国旗を燃やす人を写した写真(多分:梅崎 義人氏提供)が使われていた。
そこのキャプションには、こんな注意書きが・・・。
以下、『闘え!~』より(略)
---- 以下引用 ----
国旗を燃やすということはその国の存在を認めないということ。
許されざる蛮行だ。
---- 引用以上 ----
許されざる蛮行、ね。
だったら、『flagburner』を名前に持つ俺は毎日毎時間毎分毎秒蛮行を働いてるってことになるのか?。
いや、こりわびっくり。
って待てや。
確かにさ、国旗を燃やしたり侮辱する等の行為に罰則規定を設けてる国(サウジアラビアとか)もあるけどさ・・・。
「国旗=国家」という図式そのものを疑う視点が必要じゃね~のか?
とりわけ、例の写真が撮られた(と思われる)1997年の IWC総会会場近くの場合、日本政府への抗議という意味合いがずっと強いんじゃね~か?
多分、山際氏の場合「国旗=国家」という信念が強いから国旗を燃やすことを「蛮行」と呼ぶんだろうな。
でもさ、時と場合によっては国旗を燃やすことは立派な抗議活動になりうることを忘れてほしくないのだ。
とりわけ、どうにもならないくらい暴走した政府への抗議としては・・・。
おまけ:
色んな国や団体の国旗を燃やすプログラム(?)を提供してるサイト。
・BurntFlag.com - Flag-burning made safe and easy
使い方は各自で考えるように(笑)。
おまけ2:
一応米国では、国旗を燃やすなどの行為は合法となっている。
ただし、それなりの理由が無ければ社会的な支持を得られないらしい・・・。
この辺は↓参照。
・The Flag-Burning Page(esquilax.com)
2009年7月5日追記:
以下の記事に trackback を送信。
・国旗、国歌、国家意識(「愛国心」)を考えるリンク集(2009年7月4日? 村野瀬玲奈の秘書課広報室)
面白いネタですし、以下の村野瀬さんとこのリンク集にぜひ登録してください。上田埼玉県知事発言についての皆さんのブログとこのflagburnerさんの記事も、セットで読むととてもしっくりきます。
「国旗、国歌、国家意識(「愛国心」)を考えるリンク集」
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-687.html
>以下の村野瀬さんとこのリンク集~
せっかくなので TB を送信してみました(笑)。
村野瀬さんの所に掲載されてる他の記事とは毛色が少し異なるので、どのような反応が来るか心配ですが・・・。
貴方は日本が世界の一等国であるべきではないという確固たる信念をお持ちのようですが、私はたとえ現在の日本が現実に二等国どころか独立国であるかどうかすら覚束ない属領まがいの状態であるにせよ、このままではいけないと思っております。
でありますから、国旗を燃やすなどという野蛮な行為は厳に謹むべきであろうと考えます。
日本では昔から礼儀が重んじられてきました。
子孫である私たちもその良き伝統を守るべきではないでしょうか?
レスが遅れて申し訳ありません・・・。
>~国旗を燃やすなどという野蛮な行為は厳に謹むべきであろうと考えます。
どうなんでしょう~?
むしろ危険なのは、ここで取り上げた国旗を神聖視する論理なんですよね。
国旗を焼くというのは、そうした論理への異議申し立てという意味もあるので厳に慎まないほうがいいと思います。
>日本では昔から礼儀が重んじられてきました。
これもどうなんでしょうか?
礼儀を重んじてた人達は、日本の中でも権力に近い場所に多かったというだけじゃないのでしょうか?
これを言い出すとキリがないのですが・・・。