ジャズとボサノヴァの日々

Days of Jazz and Bossa Nova

モニカ・ゼタールンド、ボサノヴァを唄う

2015-03-13 22:00:00 | Corcovado
Corcovado performed by Monica Zetterlund

スウェーデンを代表するジャズボーカリストのモニカ・ゼタールンド/Monica Zetterlundは、1937年、Varmland地方にあるHagforsという小さな町で生まれた。両親が楽器奏者だった関係からか、幼い頃からビリー・ホリディ、エラ・フィッツジェラルド、そして特にサラ・ヴォーンを聴いて育つ。ラジオやレコードからジャズを学び始めるが、最初は英語が分からないまま、メロディ、リズムやフィーリングを真似ていたという。

社会に出てシングルマザーとなったモニカは、歌手になることを夢見ながら昼は電話交換手の仕事に従事、夜は父の反対を押し切ってストックホルムのナイトクラブでジャズシンガーとして唄う日々を送っていた。一度はアメリカで歌うチャンスを得たのだがあえなく失敗、本国に戻っても夢を諦めきれないモニカはジャズにスウェーデン語の歌詞をつけて歌い始める。著名な詩人ベッペ・ソルゲルに書いて貰った詩にモニカが曲を付けた「歩いて帰ろう」が大ヒット。一躍スターダムにのし上がる。


やがてモニカの名前はアメリカのジャズ関係者にも知れ渡ることとなり、1964年、モニカが27歳のときヨーロッパ・ツアーでストックホルムに立ち寄ったビル・エヴァンスと"Waltz for Debby/ワルツ・フォー・デビィ"を録音、このアルバムが彼女の代表作としてジャズの歴史に残ることになった。

彼女が挫折を繰り返しながらもジャズ界のピークに上り詰めるまでの半生は映画「ストックホルムでワルツを」をご覧頂きたい。モニカ役のエッダ・マグナソンの演技と歌唱力が素晴らしく、これからジャズを聴いてみようという方にも楽しめる映画だと思う。以下の写真は映画のワンシーンから。


"Waltz for Debby"以降も時代の流れに合わせ幾多のアルバムを発売するが、酷い脊柱側彎症のため1999年に引退。晩年は車椅子の生活を余儀なくされた。2005年、ストックホルムの自宅マンションにて発生した火災で、悲劇的な死を遂げる。

彼女のCorcovadoを聴くたびに、その壮絶な人生を思い出さずにはいられない。




モニカ・ゼタールンドの代表作と言えばこれ。


ワルツ・フォー・デビー+6


映画のサウンドトラックも素晴らしい。


ストックホルムでワルツを オリジナル・サウンドトラック



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