潔さ

　あのぅ、「そう言えば」と「総入れ歯」ってなんか似てませんか？　…まぁ、別にどうでもいいんですけどね。ある日庵主がふと思ったことなので皆さんがそう気にする必要はありませんが…　というかいつもこんなです、庵主って。

　それはともかく…
先日、外出ついでに適当な弁当でも買っていこうと思い、近隣自治体のとある繁華街に立ち寄ったのですが、これまで未開拓の地域でもあったのでいろいろと探すうち、一軒の惣菜店兼弁当屋さんに出会いました。
　初めて行った店だったので美味しいのかどうか皆目見当も付きませんでしたが、なぜか妙に気になりいざ店頭に近づいてみたら、店の広告看板を見つけ一瞬目が釘付けになりました。

　それがログの頭にある写真であります。
どうでしょう皆さん？　一見すると何の変哲も無い弁当屋のメニューなんですが、よく注意してみるとあることに気がつきます。
数個の弁当名の中で一つだけ「あらら～」っていうのがあるのが分かると思います。明らかに手書きとは思えないクオリティ高めの字体を使った看板なので、それが商売屋さん制作のものだと推測できます。
　
　しかし、はっきり言ってこれ（オレンジのやつ）って脱字じゃないかと…　
もし看板屋さんが書き損じたのでなければ、この店の発注者がその原稿のままに書いてくれと言ったのを向こうが忠実に尊重した結果ではないかと…
　どちらにせよ、リテイクさせずにそのまま立ててあるのが店側の潔さを感じさせます。まぁこういうのって世の中けっこうあるものですけど、見つけると後からじんわり来るような面白さがありますね。

　ちなみに、一笑いした後で店主らしい初老の男性に
「ここ初めてなんですけど、この店で特にお薦めの弁当って言ったら何ですか？」
と質問してみたら…

「うんとね、やはりカツ類かなぁ。他もかなり自信あるけどね。ははは…」と満面の笑みでお答えしてくれました。
（注：その店には弁当の見本や実際の写真はない）

せっかくなので、庵主が
「んじゃ、なんか美味しそうなので看板にあるハンバグ特大弁当ひとつ！」
とあえて注文してみたら、
「あいよ！　ハンバーグ特大一丁ね！」
と見事に脳内修正してくれたのはご愛嬌だったのかもしれません。

　なお、出来たのを後でゆっくり食べてみたらその名が物語るように、力士の握りこぶしくらいのサイズのハンバーグがとてもボリュームがあり（※ご飯も軽く茶碗３杯分程度盛ってありました）、とてもワンコイン（500円）程度で食べられるとは信じがたいお得なものでありました。
　
追記：後日、その店を前から知っているという友人に聞いたら、そこの店はどの弁当もボリュームがあって美味しいんだとか。
なにぶん遠隔地ゆえに滅多に行けない店ですが、それなら些細な看板のエラーなんぞ見逃してもいいんじゃないかと思えてきました。


いよいよ師走です。どなた様もお忙しいとは思いますが、一年の締めくくりを健康に過ごせるようより一層のご自愛を…