ファミリー メンタル クリニック

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自閉症に対するオキシトシンによる臨床試験を担当して考えた事 の講義で考えた事

2014年08月23日 | 児童精神医学
昨日(2014/08/22金)勉強会に参加。

自閉症に対するオキシトシンによる臨床試験を担当して考えた事
金沢大学 子どものこころの発達研究センター 特任教授 棟居(むねすえ)俊夫先生

あわてんぼうの俺はオキシトシンで自閉症の症状が改善されたという話しだと勝手に考えていた。
淡々とした話しぶりの棟居先生は、これはまだ公開されてないのでと、東大、福井大の研究結果も話しをせず、
金沢大学での研究結果を述べていた.

哲学的な問いに近いが
自閉症は対人交流が定型発達の人と違う。
その違う様式を定型発達の様式で改善したかどうかを判定するという方法論に問題があるのではないか、そんなコメントだった。

講義終了後は意味がよく分からないままだった。
が、今(1日経って)考えると、臨床試験を担当して考えた事 を率直に結論としていたのだ。

自分が相手に対して意識しているのと同じように、相手も意識しているのだろうという哲学的に自明と思えるような意識の構造。
もしも、この自我意識の在り方が違っていたら、{恐らく違っているから心の理論という研究が成り立つのだろうけど)
オキシトシンを使用して、他の薬剤を使用しても、自閉症の彼らの自己意識は変化しないかも知れない。
と言うか、彼らの自意識を定型発達の研究者は、どのように変化を見ていけば良いのだろうか?

仮にオキシトシンもしくは他の薬剤で治療効果があったという判定は、どのようにすれば良いのだろうか?
その方法論を探すことが研究者としての使命である.
そんな話しだったようだ。

奥が深い・・・
新たな自閉症の精神病理学を構築する必要があるのかな・・・

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