ファミリー メンタル クリニック

児童精神医学,サッカー,時にテレビや映画、Macのネタ。
要するにひとりごと・・・

児童精神科の診療報酬が上がることは・・・

2007年11月01日 | 児童精神医学
日本では児童精神科と標榜することも認められていない。しかし,診療報酬では20歳未満で通院精神療法を施すと成人よりも200点=2000円(窓口ではその3割負担)多く算定される。
それも,誰がどう決めたか分からないが6ヶ月。
確かに,子ども,親,場合によっては教師にも病状の説明をする。
特例的には学校で勉強会まで開いて,うつ病の高校生もいることを説明することさえある。(これは当然診療報酬では算定されない。ボランティアとなることもある。)

・・・ふぁみめは子どもの新患を基本に診るようにしているので,儲からないクリニックにも少しはプラスになるかと思う方もいるだろう。
でも,実際は逆ではないかと疑問に思うことがある
治療費が高いと敬遠する家庭は皆無と言い切れるだろうか?
ただ話を聞くだけで何でこんな高い治療費を取るのだ!? と思って外来を中断する親もいるだろう。

いつも,言うのは,どうせこんな風に診療報酬で料金を支払う社会主義的な中途半端な政策なら,児童の通院精神療法は15歳までは窓口の支払いは国や地方自治体が支払う。
医療機関には全額レセプト通り支払うなどの措置が必要だ。
地方の厳しい経済的に家庭は子どもの治療を受けさせることが出来なくなって逆効果となってしまいかねない。

更に学校の中で起きた反応性の症状・・・PTSDと診断することもある。
いじめから出現してきた適応障害・・・etc

そういう症状は労災と同じように文部科学省が治療費を出すか、学校内で授業中怪我したらおりる保険を適応するか、児童生徒と保護者の負担を減らす形をとるとか点数を上げればすむ話ではないと思う。


補足)ボクの目標は子どもの治療をしていくことだった。でも最初はそれでは,「食っていけない」ので成人も普通に診察していた。
今は新患は子ども中心に診ている。近隣のクリニックからは子どもは「ふぁみめ」で診てもらってくださいとルートは出来ている。
逆に言うと診療報酬を増やしても子どもを診る医師が増えるわけではない。
子どもを診ている医師の負担が増えるだけではないだろうか・・・と少し疲れたときにはそう思う。

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