ファミリー メンタル クリニック

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心の課題 白石潔 読み返している講義前 その3

2015年10月25日 | 児童精神医学
高機能自閉症やアスペルガー症候群の子ども達が呈する日常生活での特徴は、
当然、子ども達が体験する社会的な集団生活に大きな問題を引き起こしてしまいます。
中には、体育や運動以外のことに関しては、学業面でびっくりするような結果が出せるのに、
他者との交流や集団適応がまったく出来ず、激しい不穏、興奮状態を示したり、パニック状態に陥ったりすることがあります。
 身近でいつも生活を共にしている親や兄弟姉妹でさえ、つい強い指導をしてしまい、家族生活が混乱してしまうことがあり、
家族全体が抑うつ的で被害的な状況になることも稀ではありません。
彼らの感受性は、実はかなり繊細で、もろく、敏感です。
周囲の人達が苦しんでいることに感応して、苦悩していることが多いようです。
しかしながら、彼らは、自分の気持ちを上手に相手に伝えることが苦手なので、誤解されやすいのです。

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白石潔先生 心の課題 から抜粋
自閉症関連児童について記載されている.

云う事を聴かない,癇癪持ちで,教師の通常指導に乗らない連中と誤解される.
場合によっては,一番身近な父親(母親)からも、巨人の星まがいの熱血指導がなされることがある。

いじめの問題もあり、彼ら・彼女らの想像的不安は,いつの間にか激しい憎悪となる.
それは、妄想レベル・精神病レベルにまでエネルギーが持ち上がってくることすらある。
それだけ、本人からすると想像を絶する過酷な仕打ちを受けたという事なのだろう。

明かな3歳までに自閉症と診断され、療育の対象となり,小学校前後から養護学校(特別支援学校)に入学するような子と
小学生,中学生まで自閉症的な側面が、症状と認識されずに過ごす子の違いがあり,発達障害の臨床を難しいものとしている。
必ずしも治療が必要と言う訳でない場合もある.

時々講義で話す例としては ノーベル賞受賞者の◎◎氏はどう見てもASDだと話す事はある。
が、その説明が,目の前の彼ら・彼女らの救いになるかはアヤシイのだ.
環境の中で人は生きていくしかないから.

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