Blog FakeTK

某ヘタレ社会学者のブログです。本と音楽に映画の情報、日々のニュースや日常生活のできごとについてお伝えします。

ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち

2018年05月13日 17時37分39秒 | 
ジョン・ロンソン(夏目大訳),2017,『ルポ ネットリンチで人生を壊された人たち』光文社.(5.13.2018)

 アメリカ合衆国で実際にあった、ネット上での「炎上」や、憎悪の対象となった人々へのネット上での公開羞恥刑の事例を、周到な取材により細部にわたるまで再現した一冊。
 匿名性を剥奪された憎悪の対象者への、匿名の人々による暴露、情報拡散、攻撃の執拗さには、すさまじいものがある。情報ネットワーク社会における人間の醜悪で、残酷・冷酷な、愚かな熱狂を冷静に記述、分析した好著である。

目次
ツイッターのなりすまし
誰も気づかなかった捏造
ネットリンチ―公開羞恥刑
世界最大のツイッター炎上
原因は群衆心理にあるのか?
善意の行動
恥のない夢の世界への旅
徹底的な正直さ
売春婦の顧客リスト
独白劇の捏造
グーグルの検索結果を操作する男
法廷での羞恥
恥なき世界
猫とアイスクリームと音楽と
あなたの現在の速度

ツイッターやフェイスブックなどのSNSを舞台に、現代によみがえった「公開羞恥刑」=ネットリンチの実態と深層に迫る!
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私とは何か

2018年05月13日 17時36分35秒 | 
平野啓一郎,2012,『私とは何か――「個人」から「分人」へ』講談社.(5.13.2018)

 かつて一世を風靡した浜口恵俊等による「間人」という概念でも、本書と同様の指摘は可能だろうが、「日本人論」、比較文化論の枠組みを超え、「分人」という概念枠組みから、アイデンティティが拡散した状況をノーマルなものとして定位しなおし、新たな他者との関係性を模索したのは、賢明といえるだろう。
 親友、恋人、家族等との過剰に相互依存した関係性に悩む者には、掛け値なしに役に立つ一冊だ。

目次
第1章 「本当の自分」はどこにあるか
第2章 分人とは何か
第3章 自分と他者を見つめ直す
第4章 愛すること・死ぬこと
第5章 分断を超えて

小説と格闘する中で生まれたまったく新しい人間観!嫌いな自分を肯定するには?自分らしさはどう生まれるのか?他者と自分の距離の取り方―。恋愛・職場・家族…人間関係に悩むすべての人へ。
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シェアしたがる心理

2018年05月13日 17時35分14秒 | 
天野彬,2017,『シェアしたがる心理──SNSの情報環境を読み解く7つの視点』宣伝会議.(5.13.2018)

 情報社会の詐欺集団・電通のマーケティングの俎上にのせれば、SNSに積極的に参加する人たちの心理はこのように分析できますよ、という一冊。
 良くいえば「表現する人間」の時代、はっきり言えば「自己愛過剰人間」の時代に適合したテクノロジーが、SNSなのであった。リアルな自己を直視しつつ適度にSNSを利用するのはかまわないが、SNSで自己を盛って陶酔する連中は本当に気持ち悪い。そうした連中を生真面目に分析するマーケッターも同様だ。

目次
はじめに 本書の構成、そして「7つの視点」について
第1章 スマホの普及とビジュアルコミュニケーション時代の到来
第2章 ビジュアルコミュニケーションを牽引する代表的なスマホアプリ
第3章 新しいトレンドとしての「消える」「盛る」「ライブ」
第4章 情報との出会いは「ググる」から「タグる」へ
第5章 シェアしたがる心理と情報拡散の構造
第6章 SNSを活用したケーススタディ(キャンペーン事例の分析)
第7章 結論に代えて:SNSの情報環境のこれまでとこれから
あとがき
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SNS地獄を生き抜く オトナ女子の文章作法

2018年05月13日 17時34分10秒 | 
石原壮一郎,2017,『SNS地獄を生き抜く オトナ女子の文章作法』方丈社.(5.13.2018)

 SNSで、自意識過剰にして、自意識を制御できない御仁はほんとうに痛々しい。
 ネット上に構築したパーソナリティーを傷つけられるとなにも残らないほど、リアルな自己が空っぽなのだろうか。
 本書で紹介されている事例を読んで、いたくげんなりした。自分が知っているイタい人たちのネット上の振る舞いが次々に思い当たる。
 SNSは、リアルな自己を生きていくための、情報蓄積やコミュニケーションの手段にしかすぎない。手段でしかないものに振り回されるのは、不毛というほかない。
 地雷を踏まないよう、気の弱い人にはこのようなマニュアル本が必要なのかもしれない。

目次
01 LINE地獄
“ツッコめない”距離感」―大人のつき合い編
予告もなく、いきなりグイグイ迫ってこられる地獄
ポエムのような投稿への毎度の返信がしんどい地獄 ほか
「“近すぎる”距離感」―身内・友だち編
やりとりを終わりたいのに、延々と終わらない地獄
自分が返信するとトークがピタリと止まる地獄 ほか
「“あらがえない”距離感」―お仕事編
とりとめもないネタに返事を考えすぎて置き去り地獄
共通の同僚への悪口を言わせようとしてくる地獄 ほか
02 フェイスブック地獄
ハッピー気分が吹き飛ぶ、めんどくさい自虐コメント地獄
わかっている人だけが謎の隠語で盛り上がる地獄 ほか
03 ツイッター地獄
「ゆる募」に返事したら上からダメ出し連発地獄
あの快感が忘れられなくてバズりたい欲肥大地獄 ほか

SNS地獄を本当の地獄にするか、それなりに居心地のいい場所にするか、それを左右するのが「文章作法」。LINE、Facebook、Twitterで直面しがちな35の地獄について、果敢に立ち向かい、最小限のダメージで逃げ出すための「文章作法」を指南。
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つながりを煽られる子どもたち

2018年05月13日 17時32分50秒 | 
土井隆義,2014,『つながりを煽られる子どもたち――ネット依存といじめ問題を考える』岩波書店.(5.13.2018)

 人間関係の病理を分析する者で、筆者の右に出る者はいないだろう。
 学校現場での生徒・学生への対応策にも役立つ内容だ。

目次
第1章 メビウスの輪の翳り
つながり過剰症候群
多様化する価値観 ほか
第2章 つながりの格差化
豊かさから美味しさへ
新自由主義とリスク化 ほか
第3章 「いいね!」の承認願望
暴走するつながり意識
SNSでの自己承認 ほか
第4章 常時接続を超えて
肥大する承認願望
イツメンという世間 ほか

LINE疲れ、快楽でなく不安からのスマホ依存、友だち関係を維持するためのいじめ、親友を作りづらいイツメン(いつも一緒のメンバー)同士のしがらみ…。子どもたちが「つながり過剰症候群」に陥る社会背景と心理メカニズムとは?「いいね!」を求めあう承認願望の肥大化と、それはどう関わっているのか?また、その隘路からの出口はどこにあるのか?大好評ロングセラー『「個性」を煽られる子どもたち』『キャラ化する/される子どもたち』に続く待望の第三弾!
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「つながり」を突き止めろ

2018年05月13日 17時31分35秒 | 
安田雪,2010,『「つながり」を突き止めろ──入門!ネットワーク・サイエンス』光文社.(5.13.2018)

 ネットワーク分析の入門書としては、悪くはないのだろうが、ときおり出てくる筆者の自慢話が鬱陶しい。いやな人間だ。立教でカッターナイフ投げつけられて、加害者ともども辞職したのも、この意地汚さに起因するのだろうか。正直、ネットワークの薀蓄話より、筆者の脳内ニューロンのネットワーク特性の方が興味深い。

目次
はじめに―ネットワークの怖さと魅力
第1章 対ゲリラ戦略と米軍マニュアル
第2章 電子メールから浮かび上がる業務遂行ネットワーク
第3章 SNSの人脈連鎖
第4章 広告作品「カレシの元カノの元カレを、知っていますか。」
第5章 知人の連鎖と新型インフルエンザつながり
第6章 弱い絆の強さと弱さ
終章 “入る”を制する
あとがき―橋を燃やす
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ウェブに夢見るバカ

2018年05月04日 10時41分53秒 | 
Carr,Nicholas,2016,Utopia Is Creepy: And Other Provocations,W. W. Norton & Company.(=2016,増子久美・菅野楽章訳『ウェブに夢見るバカ ──ネットで頭がいっぱいの人のための96章』青土社.)(5.4.2018)

 グーグル、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム等は、情報収集をするうえでたしかに便利だし、ちょっとした楽しみにはなるものの、たかがそれだけにすぎない。また、人間と社会に害毒を撒き散らす情報公害の元凶でもある。
 ニクラス・カーの「ウェブ2.0」への辛辣な皮肉はたしかに的を得ている。思わずニヤリとする洒落た表現もよく効いている。
 検索サイトやSNSで儲けている連中はあまりに下賤だし、ほとんどの経験をウェブ上で済ませようとする者はあまりに愚かしい。見せかけだけの双方向コミュニケーションの時代の虚妄を粉砕してくれる好著である。

目次
シリコンヴァレーに生きる
第1部 ベスト・オブ・ラフ・タイプ
倫理のないウェブ2.0
マイスペースの空虚さ
セレンディピティを生み出す機械
カリフォルニアの王者たち
ウィキペディアンの分裂 ほか
第2部 ツイートによる50のテーゼ
第3部 エッセイと批評
炎とフィラメント
グーグルでバカになる?
静寂を求めて叫ぶ
読者の夢
生命、自由及びプライバシーの追求 ほか

Facebook、Googleなどが描くバラ色の未来に異を唱え、ネット時代に失われつつある人間性を取り戻すために何ができるかを問う。
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スマホ廃人

2018年05月04日 10時40分55秒 | 

石川結貴,2017,『スマホ廃人』文藝春秋.(5.4.2018)

 スマホは、超小型オンライン電子機器として、さまざまなアプリを活用して、退屈な日常をやり過ごし、ときには幼子の退屈をスマホのゲームや動画でまぎらわせ子育ての負担を軽減することもできる。
 しかし、スマホへの過度の依存は、対面コミュニケーションの積み重ねによる社会性の獲得に支障をきたし、「廃人」のレベルになると、生活破綻に至ることになる。
 スマホのアプリにできることなど、たかがしれている。他者との対面コミュニケーション、読書、ボランティア活動やスポーツ活動等のほうが、より高い身体的心理的充足感を獲得することができる。人生をとことん楽しむためにも、5インチ程度の小さな画面を覗き込む時間は減らしていくにこしたことはない。

目次
第1章 子育ての異変
第2章 スクールカーストとつながり地獄
第3章 すきま時間を埋めたくなる心理
第4章 エンドレスに飲み込まれる人々
第5章 「廃」への道
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ネット依存症

2018年05月04日 10時38分33秒 | 
樋口進,2013,『ネット依存症』PHP研究所.(5.4.2018)

 あたり前のことだが、わたしたちの生活は、将来のための手段的行為(勉学や仕事)と、現在を楽しむ、あるいはやり過ごすためのコンサマトリー(即時充足的)な行為との連鎖により成立している。なんらかの物質、行為、関係性に取り憑かれ、後者のみに終始するようになると、いずれ、生活は破綻する。
 依存症あるいは嗜癖(addiction)とは、強迫的に特定のコンサマトリーな行為に耽溺する病であるといえるが、各種デバイスを常時電子ネットワークに接続し、SNS、ソーシャルゲーム、ブログ、掲示板、動画サイトを簡単に利用できる環境が成立したことで、それに耽溺し、勉学や仕事に支障をきたす問題が広がっていった。
 何かを楽しむためには、主に賃金労働による生計の獲得、維持が必要だが、それが不可能になるほど、電子ネットワークでのコンサマトリーな価値の充足に耽溺し、生活を破綻させる者のための「治療」と社会復帰のためのリハビリテーションの方法が、本書では豊富な臨床例に即して解説されている。

目次
序章 ネット依存治療専門外来
第1章 「ネット依存」とは何か
第2章 「ネット依存」による心と身体への悪影響
第3章 「ネット依存」は治療できるのか
第4章 家族・身近な人はいかに対処すべきか
あとがきに代えて―スマホが手放せないあなたも危ない

1990年代半ばから「インターネット依存症」という言葉が聞かれるようになった。ただその頃は、まだほんの一部の特殊な人たちのことで、自分には関係ないと考える人が多かった。ところが、いまではもっと身近なものになっている。最初は誰でも「自分は単に人より少しネットにつながっている時間が長いだけ」と思うにすぎず危機感は持たない。それがやがて、生活に支障を来たすことがあるという。本書では、ネット依存に苦しむ患者さんやその家族のことについて、専門外来をもつ久里浜医療センター院長がわかりやすく解説。最新情報や家族に伝えたいことをまとめた 。
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つながりっぱなしの日常を生きる

2018年04月28日 14時11分55秒 | 
ダナ・ボイド(野中モモ訳),2014,『つながりっぱなしの日常を生きる──ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの』草思社.(4.28.2018)

 ソーシャルメディアについての米国における諸論争が俯瞰できて、その点では役に立つ本。また、ソーシャルメディアのユーザーである若者たちへのインタビュー記録が議論の起点におかれており、堅実な主張が展開されている。ただし、期待するほどの知見は得られないだろう、凡庸な内容。

目次
1 アイデンティティ
なぜ、若者はネットでよからぬことをしているように見えるのか?
2 プライバシー
なぜ、若者はネットであけっぴろげにしてしまうのか?
3 中毒
何が若者をソーシャルメディアにはまらせてしまうのか?
4 危険
性犯罪者は、そこらじゅうをうろついているのか?
5 いじめ
ソーシャルメディアは、意地悪や残忍な行為を増幅するのか?
6 不平等
ソーシャルメディアは、ますます社会の分断や格差を広げるのか?
7 リテラシー
デジタルネイティヴは、幻想だ。
8 パブリック
若者にとっての公はどこに?

ネット中毒、リテラシー、プライバシー…ネットにまつわる定説は、次々に覆された!米国SNS研究の第一人者が解き明かした10代の“複雑”な生活から少し先の日本が見えてくる。
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SNSは権力に忠実なバカだらけ

2018年04月28日 14時09分40秒 | 
ロマン優光,2017,『SNSは権力に忠実なバカだらけ』コアマガジン.(4.28.2018)

 SNSに君臨するおバカな人たちの、噺のネタ集としては、楽しく読めた。
 しかし、内容が、最後の方になると、タイトルとはまるで無関係のサブカル談義となり、なんじゃこりゃという虚しい読後感が残る。饒舌な雑談の書きなぐり。

目次
第一章 SNSは気持ち悪い
地獄のTwitter空間
ネトウヨにバカ負け
左やリベラルの変な人
ネトウヨは普通の人
水原希子叩きのバカバカしさ
ゲイ・キャラクターを巡るあれこれ
第二章 ゆかいな愛国者たち
百田尚樹先生のバカがとまらない
百田尚樹先生の不毛な戦い
それは『殉愛』から始まる
ケント・ギルバートの本がバカすぎる
右曲がりのお坊ちゃん・高須院長
西原理恵子はリアリスト
第三章 新興宗教との付き合い方
僕とオウム真理教
笑えるワールドメイトと幸福の科学/清水富美加は悪くない!
景山民夫の悲しい最期
創価学会の人間
第四章 松本人志という権威
つまらなくなったと評判の松本人志
あの筋肉のせいなのか
『ワイドナショー』での微妙なしゃべり
ウーマンラッシュアワー・村本大輔はなんなのか
第五章 オザケン人気が謎すぎる
僕とフリッパーズ・ギター
フリッパーズ・ギターってそこまですごいか?
渋谷系ってなんだ!?/君は「燃え殻」さんを知ってるか
オザケンは超ポジティブ
第六章 ミスiDと暴力
ミスiDという治外法権
日野皓正のビンタ

誰よりも正しいミュージシャンの新書シリーズ第3弾!今、ロマン優光が今最も気にかかる存在は、権力に忠実な人たち。長いものに巻かれているだけなのに、どうしてあそこまで偉そうになれるのでしょう。不思議でなりませんよね~。そんなヤバいやつらから絶大なる信頼を置かれている権力側の人々もなかなか興味深いものがあります。「あはは~!おもしれ~!」と一笑に付しておけばいいのですが、バカを野放しにしたら、近い将来、大変な事態になりかねません。日本国民を正しい道に導くために、僕らのロマンが筆をとった次第です。読むしかないでしょう!
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ソーシャルメディア論

2018年04月21日 14時22分35秒 | 
藤代裕之 編著,2014,『ソーシャルメディア論──つながりを再設計する』青弓社.(4.21.2018)

 本書を読むだけで、ソーシャルメディアの歴史、社会のサブシステムにおけるソーシャルメディアの問題点が網羅的に理解できる。新時代のメディア論のテキストとして、大学のメディア論関連科目の副読本として役に立つ内容である。

目次
第1部 歴史を知る
歴史―ソーシャルメディア社会の誕生
技術―技術的に可能なオープンプライバシー社会とその功罪
法―ソーシャルメディア時代の制度はどうあるべきか
第2部 現在を知る
ニュースメディア―「ネットニュース」は公共性を保てるか
広告―「ルール間の摩擦」が生む問題
政治―すれ違う政治と有権者、理想なきインターネット選挙の解禁
キャンペーン―ソーシャルメディア社会の透明な動員
都市―都市の自由を我々が維持するために
権利―つながりが生み出す侵害の連鎖
モノ―「あらゆるモノがつながる社会」のメリットとデメリット
第3部 未来を考える
メディア―都市と地方をつなぎ直す
共同規制―ルールは誰が作るのか
システム―システムで新たなつながりを作る
教育―「発信者」としての大学生はどうあるべきか
人―「別の顔」を制度化する

ありそうでなかった「ソーシャルメディア論」の教科書。「ネットは恐ろしい」で終わらせず、無責任な未来像を描くのでもなく、ソーシャルメディアを使いこなし、よりよい社会をつくっていくための15章。
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ソーシャルメディア中毒

2018年04月21日 14時20分28秒 | 
高橋暁子,2014,『ソーシャルメディア中毒──つながりに溺れる人たち』幻冬舎.(4.21.2018)

 名前を売ることが即利益につながる有名人ならわかるが、四六時中、ツイートしたり、Facebookやインスタグラムに投稿する人たちの承認欲求、自己顕示欲求には痛々しいものがある。外部からは見えないLineでのやりとりに精神的に消耗している人も多いだろう。
 表情、声音、身振りしぐさ等、発話内容だけではわからないメッセージをやり取りするのが、対面コミュニケーションである。それが面倒くさくなったわたしたちは、電話でことを済ませるようになり、そして現在はメール、さらにはLineやメッセンジャーでメッセージをやり取りするようになった。
 だからといって、学校や職場で対面コミュニケーションが必要でなくなるわけではない。口頭での問いかけへの反応が鈍い学生が増えているように感じるのは、わたしだけではないと思う。他者から承認され自己肯定感がもてるのは、対面コミュニケーションの積み重ねをおいてほかにはないことを、わたしたちは自覚すべきだろう。書き言葉やスタンプ等による無意味なメッセージのとめどなき連鎖からはなにも生まれはしないのである。

目次
第1章 今、若者のあいだで何が起きているのか?
第2章 止まらない承認欲求の連鎖
第3章 進化するネットいじめ
第4章 あらゆる人に迫るネット依存
第5章 大人社会に蔓延するSNSの闇と罠
第6章 「ソーシャル疲れ」が呼び込むうつと孤独
第7章 SNSがもたらす違和感
第8章 ソーシャルメディア中毒への処方箋

全国でネット依存の可能性がある人は421万人、中高生は51万8千人といわれている。ミクシィの誕生から10年。SNSはコミュニケーションインフラと化した一方で、若者を中心に問題が後を絶たない。なぜ事件は頻発するのか、なぜ依存してしまうのか。その危険性と不自由さを暴くと共に、SNSを避けて通れない現状とどう付き合っていくべきか、元教員のITジャーナリストが独自の観点で解き明かす。
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SNSって面白いの?

2018年04月21日 14時06分04秒 | 
草野真一,2015,『SNSって面白いの? ──何が便利で、何が怖いのか』講談社.(4.21.2018)

 SNSを使いこなすノウハウだけであれば、読むに値しない書物でしかないが、本書は、ビッグデータ、ターゲティング広告、プラットフォーム・ビジネス等についてもていねいに言及しており、読んで損はないと思う。

目次
はじめに
1章 「ソーシャル」とは何か
2章 いろいろなSNS
3章 SNSの発展を可能にしたテクノロジー
4章 SNSがもたらすもの
5章 経験者が語るSNS利用術
あとがき

フェイスブックにツイッター、LINEなど、「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)」を使ったことのない人にとってSNSはなんともつかみどころがないものだ。今さら誰にもきけないし、何からきけばよいかわからない。本書では、そうした未経験者のためにSNSが出てきた経緯から、しくみ、メリット、リスクなどを平易に解説する。使わなくてもSNSの概要がわかってくる。
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接続された心・一緒にいてもスマホ

2018年04月14日 16時24分12秒 | 
 シェリー・タークルの下記二作品を読んで、インターネット民生利用黎明期における、ネット上の自我構築によるアイデンティティの拡散が問題視されていた時代から、スマホ全盛期にいたって、人々の対面会話が衰退し、ネット上の自我が現実の自我を凌駕する時代への変遷を、数多くのインタビュー記録から、感じいった。
 'Reclaiming Conversation: The Power of Talk in a Digital Age'における、「ひとつ目の椅子」、「二つ目の椅子」、「三つ目の椅子」とは、ヘンリー・ソローが考えた、孤独になる時間をもちながら、ときには親密な他者と交流し、さらには社会的な役割を取得していく自我のあり方を示したものであるが、スマホ(によるメールやSNS)は「ひとつ目の椅子」に人を縛り付け、自我の社会性は無限に後退していく。対面会話の後退は、討議の機会喪失をさらに促進し、民主制社会の基盤は崩壊していくことになる。
 息を吐くように四六時中ツイートし、ネット上の自我への偏愛を募らせていく人々をみるにつけ、ソーシャルメディアは、実のところ、人の社会性を無限後退させるという意味で、「ソーシャル」なものではないと言わざるをえない。
 わたしたちは、5インチ程度の画面に振り回される生活をやめるべきなのだろう。


Turkle ,Sherry ,1995,Life on the Screen ,Simon & Schuster.(=1998,日暮雅通 訳『接続された心──インターネット時代のアイデンティティ』早川書房.(4.14.2018)

目次
第1部 インタフェースの魅力
ふたつの美的価値観
ティンカリング(いじくりまわすこと)の功績
第2部 夢と野獣について
ロボットを口説く
インタフェースとしての価値で物事を考える
創発の特性
ニューフロンティアとしての人工生命
第3部 インターネット上にて
自己の諸相
タイニーセックスとジェンダー・トラブル
仮想とその欲求不満
アイデンティティの危機

本書は、インターネットで何が起こっているのか、どのように心はかたちを変えつつあるのかを真摯に捉えるべく、ネットワーカーのパーソナリティに着目して分析した、第一級のインターネット研究書である。


Turkle ,Sherry ,2015,Reclaiming Conversation: The Power of Talk in a Digital Age ,Penguin Press.(=2017,日暮雅通 訳『一緒にいてもスマホ──SNSとFTF』青土社.(4.14.2018)

目次
1 会話の効用
2 ひとつ目の椅子
3 二つ目の椅子
4 三つ目の椅子
5 この先の進路
6 四つ目の椅子?

急激に広まったスマートフォンは、いつどこででも連絡を取り合える日常を作り出した。その反面、親子、友人、恋人同士の関係性にも大きな変化をもたらしつつある。家庭、学校、職場でいま起きている問題を豊富なインタビューをもとに分析し、便利さと引き換えに失ったもの、またそれを取り戻す方法をTEDでも話題のシェリー・タークルが提言する。

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