メグ‐ジョン・バーカー(文)、ジュールズ・シール(絵)(松丸さとみ訳),2024,マンガで読むジェンダー入門──男らしさ/女らしさの束縛から解放されよう!,いそっぷ社.(8.4.24)
そもそもジェンダーとは何なのか。話題のトランスジェンダーやノンバイナリーとはどういう意味か。ジェンダーの基本知識から性別二元論の問題点まで。古臭い「ジェンダー規範」にNO!!と言う本。映画や文学の名シーンをイラストで紹介するなど、身近な話題でジェンダーについて学べる、最適の入門書。
米国のフェミニズム、LGBTQ+の最新の動向を、さくっと把握できる。
セックス/ジェンダーという二分法概念は、ときに有効であるとは限らず、人間を、セックス/ジェンダーのスペクトラムのなかで、あるいはそのアマルガムとしてとらえる必要を感じた。
テストステロンは多くの場合、女性よりも男性に多く見られ、男性の方が野心的で、競争心が強く、攻撃的である要因だとされている。しかしながら、サリ・ヴァン・アンダーズなどの科学者らが行った複数の研究では、テストステロン量は、人(どのジェンダーであれ)が支配的な行動を取ったり、その人の地位が高くなったりしたときに上昇し、何かを育てるような行動をしたり地位が下がったりしたときに下降することが明らかになった。
(p.44)
性ホルモンの分泌さえ、社会的文化的要因によって、変わってくるのである。
「入門書」としてよくできているとは思うが、アメコミ特有の作画の粗さが気になった。
こんなふうである。
(p.32)
目次
第1章 さまざまな時代と場所におけるジェンダー
第2章 性別/ジェンダーは人にどう作用するのか
第3章 変わる「男らしさ」
第4章 女性性とフェミニズム
第5章 ノンバイナリーについて
第6章 トランスジェンダーについて
第7章 フィクションに見るジェンダーの未来
第8章 ジェンダーとは何だろうか?