1月30日に、林業普及員の木材利用技術の資質向上を図るため、県内K製材所で、現地研修を開催しました。
「木の語り部」として各地で講演されている、K製材所の社長の講話を聞き、工場の案内もしていただきました。
講話の一部を紹介します。
■木の傷みが昔と比較してずいぶん早まった。これは、環境悪化による水の悪化が原因だと思う。
■建築材として「良い木」とは高齢樹、通直、冬目が柔らかい、素直、色が明色、適期伐採木。
■建築材として「悪い木」とは、若木、曲がり、冬芽が硬く太い、アテ材、色が暗色、伐り時の悪い木。
■何よりもまず伐り旬を守ることが第一で特に広葉樹と松は必須。
■A材の造材・採材には建築の知識が必要で、できるだけ勉強して欲しい。
■原木出荷では、目廻り、腐れ、アテ、曲がり、余尺、傷などに注意する。
■人口減少で、住宅建築は大きく後退する中、住宅以外の木造建築分野に目を向けることが大きな課題。
零細な製材所の存在意義は
①小さな製材工場が多い方が、圧倒的に雇用人数が多くなる。
②製材品の付加価値が高くなり、山元に利益の還元が多い。
③日本の伝統的な製材技術(本木取り、杢を活かす、柾目取りなど)が継承される。
④木造建築は形で遊ばない。木味で遊ぶこと。これができるのが零細な製材所。
等々、すべて経験に裏付けされており、説得力のある講話でした。
以下、工場見学写真
風格のあるスギの大黒柱
シイの板材、テーブルなどに加工される。
ヒノキの角材
右が品質の劣る製品で、左が素直な良い製品とのこと
素人には判断が難しいですが、見れば一目瞭然とのこと。
木質バイオマスボイラーによる木材乾燥
1日に3,4回の燃料投入でOKとのこと