山-木-人@育てる.川本/

西部農林振興センター 県央事務所 林業普及第一課・第二課 からの情報提供

vol.3 竹の秋

2010年05月11日 | 
 竹が古くなった葉を落として新しい葉と入れ替えることを「葉替り」と呼びます。モウソウチクの場合は新竹発生の翌年(2年目)、4年目、といった隔年(偶数年)に葉替りを行うとされます。
 葉替りによる落葉量は5月を中心にピークに達し、8月までに新しい葉の展開が完了します。

 落葉樹が水分の蒸散を抑えるために秋期(一部の種は夏期)に葉を落とすのに対し、竹の場合は春期に古い葉を落とします。
 モウソウチクの場合、葉は1年以上経過するとデンプン生産能力が低下するとされます。葉替りを行うのは光合成能力の低下を防止するためと言われており、「竹」と「落葉樹」の落葉はその時期や目的が異なっているといえます。

 この新しい葉と古い葉の光合成による養分供給能力の差はタケノコの発生量に現れ、「葉替りした翌年(新しい葉)」のタケノコ発生量は「葉替りしなかった翌年(古い葉)」の発生量より多くなるとされます。
 「今年は筍の発生が少ない」という声を竹林所有者からよく聞きましたが、これも原因の一つかもしれません。





 県央事務所管内(大田市、川本町)では一斉に葉替りをしているモウソウチク林をよく見かけました。








 葉替り中のモウソウチクの枝。すでに針状に新しい葉が出ています。
 古い葉と入れ替わって展開していくので、竹は「常緑」であるといえます。

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