Rの会~楽覚生~ 今ここの気づき

ゲシュタルト療法を用いて、自分自身を見つめ、今ここを丁寧に感じていくワークショップのお知らせです。

<浜松のワークショップで>

2013-10-24 | ワークショップ

昨年の10月、浜松のワークショップが25年目を迎えたことを、ブログに書きました。

今年も10月19~20日、浜松でワークショップをしました。

毎年呼んでくださる、K子さんとそのグル―プの方たちに感謝です。

 

一年に1度しか会わないのに、

顔を見るといつも会っているような気がしてくるから不思議です。

和やかな親しみ深い雰囲気のなかで、まずは一人ひとりから、

この一年間のお話をしてもらいます。

仕事が変わったり、家族の変化が起こったり、病気をしたり、など、

一年間で、びっくりするくらい、いろいろな出来事がそれぞれに起こっています。

それに対して心も体も対応するのが大変だったことがわかり、

今日ここに生きて会っているこの瞬間がありがたく感じられます。

 

職業柄、人の話を聞くことが多い方たちなので、

皆の中で、日常生活では表現できなかった自分のこと、

一人で抱えてきて大変だったことなどを、

安心して表現できる場所と時間は大切だと思います。

自分の話しを皆に受け入れられる体験だけでなく、

言葉を通して表現することで、自分の気持ちや体も動くこともあり、

自分自身に気づき、自分を確かめるという体験も加わります。

さらに、自分の中でもう少し追求したいことを、

ゲシュタルトのワークで見つめていく体験をすると、さらに深い自分に出会い、

そこからまた新しい一歩を踏み出すことができます。

 

このように、一人ひとりのお話を聞き、

ゲシュタルトのワークの中で気づいて行く過程に一緒にいることができて、

私は一緒に胸がふさがれる思いをしたり、悲しく辛く思ったりしながら、

これだけの大変なことに正面から向き合って行く勇気や優しさに感激するのです。

そして、一人ひとりの方をいとおしく感じます。

私は年に一度だけ寄り添って、今ここにいることしかできませんが、

私がいることで、話す勇気を持ったり、気づくチャンスになったりするのを見て、

私自身も、本当に嬉しくなります。

 

ワークショップは2日間なので、一晩ホテルオークラに泊まりました。

浜松では一番高いビルディングで、部屋からの眺めがとても素敵です。

今回は、36階のお部屋でした。

天気は曇り時々雨でしたが、夜景も落ち着いた感じで美しい。

朝は、雲のかかった山々も、遠くの浜名湖も、また遠州灘の海も見えて、

すがすがしい気分になりました。

写真では見えにくいかもしれませんが。

                   

そして、今回はもう一つ楽しいおまけがつきました。

スタッフの息子さんが開いているイタリアンのお店に、連れて行ってもらったことです。

<Trattoria Guido> という名前です。

お昼のコースで、パスタとサラダ、さらにスープとパンと飲み物がついています。

まずサラダ。オリーブオイルの香りがすばらしく、新鮮野菜がいきいきしています。

スープは、キャベツのポタージュでした。キャベツの甘みがあり、舌になめらか。

パスタは3種類あり、私はレンコンとしらすのトマトソースのパスタを選びました。

レンコンがシャキシャキして歯ごたえもあり、

レンコンとしらすとトマト味の取り合わせが、意外な美味しさを醸し出していました。

一つ一つの料理に工夫があって、とっても美味しかったです。

次回は、夜にワインを飲みながらお食事しましょうと、話が弾みました。

 

<追記>

<Trattoria Guido>、お勧めです。

浜松駅から離れていますが、夫婦でやっている小さなお店なので、

昼食時も夜も混んでいるようです。

お店に電話で予約してから行かれるとよいでしょう。

℡053-523-9436

                   里英子


<やめる勇気>

2013-10-18 | 日記

この10月15日から2泊3日、奈良に行く予定を立てていました。

ところが、大型の台風がやってくることが14日に分かり、どうしようか悩みました。

今年関西を通った台風の時の、京都の渡月橋の浸水した光景が思い出されました。

奈良ではあちらこちらのお寺の仏像たちにお会いしたいと思っていましたので、

風雨の中を歩き回るのは、なかなか難しいと思い始めました。

 

すると、歯の痛みが急に強まってきて、物がかめなくなってしまいました。

実は、一年以上前に治療した歯で、

治療した時から、その歯に冷たい物がしみていたのです。

歯科医いわく、「治療後に神経過敏になることがあり、時間がたつと収まることもある。

ただ、痛みが強くなったりした場合は、神経を抜くしかない。

神経を抜くことは最終手段と考えて、しばらくそのまま様子を見ることをお勧めすると。」

私も神経を抜いたりしないで、できるだけあるままを使って行きたい方なので、

ここまでずっと様子を見てきたわけですが、

一週間前にその歯の仮詰めが取れ、その処置がきっかけで、痛みが強くなっていったのです。

14日には、何を口に含んでも痛くて噛めない状態になってしまいました。

歯の痛みというのは、どうにも我慢が出来ないものですね。

14日は祝日で歯科もお休みでしたので、

15日の朝、歯科に電話をして、その日に診てもらうことにしました。

台風も接近して来て、関西も関東もどうなるかわからないことが分かり、

旅はやっぱりやめようと、ホテルにキャンセルを入れました。

今回は、台風と、歯痛という二つの要因が、同時に襲ってきたので、

やめるという決断をすることができました。

こんな小さな旅でも、やめるのには勇気がいるものだなあと改めて思った次第です。

 

台風が通り過ぎてみると、

大島をはじめ各地で被害がでたこと、交通機関も随分影響を受けたこともわかりました。

また歯科で治療し、神経を抜いたのですが、こちらもなかなか大変で、

そのあとも痛みがあり、旅に出なくて良かったなあとつくづく思った次第です。

この日に痛みが出てくれた歯に、今では感謝しています。

里英子


<ミラノ・スカラ座オペラ  ブラボー!>

2013-10-02 | 音楽

最近は、オペラもいろいろな国からの引っ越し公演は珍しくなくなっています。

その中で、老舗のミラノ・スカラ座は、若手の指揮者を起用して話題を呼びました。

 

『リゴレット』の指揮は、グスターボ・ドウダメル

1981年ベネズエラ生まれということですから、今年32歳!

私が見たのは、9月11日。

ホールはNHKホール、あまりに大きすぎて、

オペラにもクラシックコンサートにも向かないと常々思っているのですが、

そのホールいっぱいに響く音が素晴らしい。

前奏曲の最初の音から、ぐぐっと身を乗り出して聴いてしまいました。

もちろん、オペラグラスは必需品。

舞台は、晴れやかな宮廷の場面は、非常にきらびやかで豪華であり、

またうらびれた街角は、暗くても品のある、素敵な作りになっていました。

リゴレット役は、私の大好きな、レオ・ヌッチ

マントヴァ公爵は、ジョルジョ・ベッルージ、ジルダはマリア・アレハンドレス。

それぞれが若々しく素晴らしい声を披露しており、

その中でヌッチが、しっかりと皆を取りまとめている風に見えました。

そして、2幕が終わってのカーテンコールで、ブラボーの拍手に答えて、

ヌッチとアレハンドレスの、二重唱をアンコールで歌ってくれたのです。

指揮者ドウダメルとヌッチの掛け合いもスムースだったことから、

最初から考えられていたことだろうと思いますが、

ほぼ満席の観客が熱狂するには充分でした。

私も、休憩時間に、興奮のあまり、友人にメールで報告したほどです。

 

続けて次の日、ダニエル・ハーディング指揮の『ファルスタッフ』を見ました。

ホールは、上野の東京文化会館なので、落ち着いて聴くことができました。

ハーディングの指揮もまた、惹きつけるものでした。

舞台もしゃれていて、演出も楽しいものでした。

特に、私が驚きもし、感心もしたのは、

第3幕冒頭、ファルスタッフが、落とされた川から這い上がって、

ホットワインを飲みながら自分を慰めているところ。

高い壁に囲まれたところの一部から、本物の白馬が顔を出し、

草を黙々と食べているのです。

その食べっぷりが、実に堂々としてゆったりとしていて、

ファルスタッフのセリフが重なって、抜群の効果を醸し出していました。

今回のファルスタッフ役は、アンブロージョ・マエストリ

たいていファルスタッフ役は、大きなおなかを強調するために、

おなかに何か入れていることが多いのですが、この人は自前のようでした。

大きな体格を生かして、素晴らしい声を響かせてくれましたし、

ファルスタッフその人ではないかと思うような演技でした。

フォード夫人のバルバラ・フリットーリ、

クイックリー夫人のダニエラ・バルチェッリーナ他、

私が初めて聴く若手の歌手たちもみな素晴らしい歌と演技でした。

 

終わったあと、興奮冷めやらぬままに楽屋の出口の方に行くと、

常連さんたちが、プログラムとサインペンを手にして、待機していました。

私もそこに交じって、演奏の終わった人たちが出てくるのを待っていました。

一目見るだけでいいかな?と思っていたのですが、

やはり、ファルスタッフが満面の笑みを浮かべて出てきたときには、

サインが欲しくなり、隣にいる若者にペンを借りて、サインしてもらいました。

そして、ファルスタッフのアンブロージョ・マエストリだけでなく、

ナンネッタ役のイリーナ・ルング、メグ役のラウラ・ボルヴァレッリ、

フォード役のマッシモ・カヴァレッティにも、サインをもらいました。

皆さん、あれだけ歌った後なのに、疲れも見せずに、

とても明るくて気さくに、サインに応じてくれて、

その態度や表情がまた舞台と違う魅力にあふれていました。

 

最後に、ミラノ・スカラ座の皆さんに、ブラビー!!!

   里英子